ヨウムへの熱〜い想いから始まった!? かわいいだけじゃない『ニッチ・アニマル・ズー』にファン心を射抜かれる!
星の数ほどある動物文具。ネコやパンダなど、人気動物たちの愛らしい姿を表現した文具には、文句なしのかわいらしさがあります。 しかし、かわいいのは人気動物だけでしょうか。「有名ではない、グッズもない、さらには知られてもいない動物、だけど本当はものすごく魅力的…… !」そんな“ニッチ”な動物たちに焦点を当てたのが、『ニッチ・アニマル・ズー』です。
まさかのチベットスナギツネ!
チョイスが秀逸な6種の仲間たち
『ニッチ・アニマル・ズー』のモチーフになっている動物は、全部で6種。チベットスナギツネ、ミナミコアリクイ、ノドチャミユビナマケモノ、ヨウム、オニオオハシ、マンボウといったラインナップです。動物たちの表情も、にっこり笑っているものは1つもなく、自然で飾らない素の姿がなんともいい味を出しています。レターセット、シール、マスキングテープの3商品があり、日常をちょっと個性的に彩ってくれます。
きっかけは、持ち込み企画!?
イヌやネコなら分かるのだけど……
このニッチなアイテムの商品を担当されたのは、株式会社日本ホールマークの高木友子(たかぎ ともこ)さん。動物種をどのように決めたのか、どうしてこの商品が生まれることになったのか、気になってしかたなかった私たちzoojoは、高木さんにインタビューをさせていただきました。
この話は、1人の女性イラストレーターの持ち込み企画からはじまったのだとか。元ホールマークの社員でもあるイラストレーター奥田直子(おくだなおこ)さんの、それはそれは熱いプレゼンから話は始まります。「雑貨店でニッチな動物グッズの特集が開かれていたり、ハシビロコウが流行ったり、ちょっとマイナーな動物に注目が集まっていたという流れもあり、奥田さんが意気揚々と企画を持って来たんです。彼女はもともと動物に対する想いがすごく強くて。持ち込みということもあって、すごく熱く語ってきたんですよ(笑)。」と高木さん。
動物への熱い気持ち……それが、そのまますぐに企画実行につながったのかと思いきや、そうではなかったそうです。
「イヌやネコのアイテムは弊社でも人気があり、文具との親和性が高いのもわかっていたのですが、このニッチな動物たちのアイテムの魅力は、理解がされにくいところもありました(笑)。」
それでも、企画会議やプレゼンを重ね、奥田さんのあまりの情熱と高木さんの努力で、企画が決まったのだそうです。
ヨウムは絶対に外せない!
差し色の赤は店頭映えする!?
「ニッチな動物」をモチーフにした商品開発が決まった後、第二の難関は動物種を決めること。あまりにもニッチすぎると売り上げの見込みが立たないので、高木さんはどうしてもメジャーな動物にしたい気持ちが出てきたと言います。その度に、「それではニッチじゃなくなる!」という奥田さんの意見と拮抗。何度も話し合いを繰り返して動物を決めることは、楽しいながらも大変だったそうです。
特に印象的だったのは、奥田さんの「ヨウム」への想いだったのだとか。
「奥田さんは始めから、『どうしてもヨウムを入れたい!』と言っていました。色が地味なので店頭で映えないんじゃないかと懸念しましたが、 『いやいやいやこの尾を見て! 赤いでしょ! 華やか!!』 と、それはもうすごい熱量で(笑)。アクセントがあるからいいかなと、商品化を決めました。」
売り上げの数字を求められる中で、「ヨウム」がラインナップの1つに選ばれたことは、快挙と言ってもいいですね!
▲ヨウムのラインナップ。たしかに、尾の赤が効いています!
zoojoも思わず、「セキセイインコやフラミンゴじゃなくてヨウムなところが……最高!」と盛り上がりました。ちなみに、オニオオハシは少しメジャーな鳥のため、奥田さんとしては不本意だったという裏話もお聞きできました。
他にも、クワッカワラビーやハシビロコウ、カカポ(フクロウオウム)、ワニの仲間などいろいろな案の中から、吟味を重ねて6種類が決まりました。
▲動物とセットになっている「生息地」を思わせるカードにもこだわりが。「その動物の生態がわかるようなセットにしたいという思いがありました」と高木さん。
ナマケモノはナマケモノじゃないの!?
フタツユビは顔が違い過ぎ……
動物が決まり、デザインや印刷、パッケージなど、商品化に向けて着々と準備が進む中、次に苦労したのは、商品の裏面に記載する動物種についての説明書きでした。 「ほかの動物モチーフ商品では、とくに動物種についての説明を入れることはないのですが、今回は『zoo』というコンセプトもあり、動物園の説明書きみたいにしたいなって思ったんです。」
▲文章にもこだわった商品の裏面。
「奥田さんが当たり前のように知ってることも、私は何も知らなくて……。必死で調べていたので、毎日が発見でしたね。たとえば、ナマケモノの種類。種類によって指の数が違うなんて知らなかったし、顔も全然違ってびっくり。『ナマケモノはナマケモノじゃないの!?』って(笑)。いろんなナマケモノがいるなんて目からウロコでした。」
こうして、高木さん自身が動物について調べ、発見していくことで、「買う人にとっておもしろい情報」が何なのかがわかってきたそうです。こうして、なんとか6種の動物種の説明書きが完成しました。
ついに商品完成!
発売後、反響はいかに……?
こうして、はじめの企画から数か月の期間を経て、『ニッチ・アニマル・ズー』は完成しました。苦労の末にできた商品ですが、実際に売り出してみて反響はどうだったのでしょうか?
「ニッチな動物に絞ってつくったことで、普段とは違う反応がありますね。例えば、今までイヌネコの商品を卸していたお客さんに、『何これ?』というお声をいただいたり……(笑)。でも、ラインナップの1つとしておもしろいという反響もいただいているので、すぐにではないですが、いつか第二弾を出せたらなと思っています。」
毎日が記念日。
グリーディングカードを贈る機会をもっと増やしたい
今回zoojoは「このような商品を通じて動物に興味をもった人が、『実物を見たい!』と動物園に足を運んでくれたら……」という想いで、この商品に着目したという背景がありました。人が動物園に行く機会は人生で3回あると言われています。それは、子どもの頃親に連れて行ってもらうとき、恋人とデートするとき、自分の子を連れて行くとき。でも、それだけでなく、もっと気軽に動物園に行く人が増えてほしい。そんな想いをお話すると、高木さんからこんなお言葉が。
「zoojoさんの動物園に対する想いは、私たちホールマークがグリーティングカードに対して持っている想いと似ていますね。グリーティングカードも、日本の場合、特別なときにしか使わないという人がほとんどです。クリスマスやお正月はもちろんですが、そういったイベントがなくても、毎日が誰かの誕生日であり、なにかの記念日。もっと気軽に、ちょっとした気持ちを伝えるために、グリーティングカードを利用してほしい。カードというツールをひとつ使うだけで、気持ちの伝わり方は大きく変わってきます。」
分野はまったく違えど、グリーティングカードでも動物園でも、良さに気づくきっかけがあれば、もっと生活に密着したものになっていくのではないかと思います。そして、それがその人の生活をより豊かにしていく……zoojoとして、そのお手伝いをしたいと改めて感じた取材になりました。
▲最後に高木さんとzoojoで記念撮影!
貴重なお話をありがとうございました!
お気に入りの動物はもちろん、ちょっといつもと違ったアイテムを贈りたいとき・使いたいときに、ぜひニッチなこのアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか? なんとも魅力的な動物たちの表情に、きっと癒されるはずです。
協力:株式会社日本ホールマーク
https://www.hallmark.jp
素敵!と思ったら……
ニッチな動物たちに会いに行こう!
ニッチ・アニマル・ズーのモチーフになった動物たちに会える動物園の一部をご紹介します。ニッチな動物たちが気になったら、ぜひ会いにいってみてくださいね♪ (※zoojo調べ)
▼ヨウム
・よこはま動物園 ズーラシア
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/
・川崎市立夢見ヶ崎動物公園
https://www.yumemizoo.com/
・長崎バイオパーク
http://www.biopark.co.jp/
▼オニオオハシ
・いしかわ動物園
http://www.ishikawazoo.jp/
・静岡市立日本平動物園
http://www.nhdzoo.jp/
・高知県立のいち動物公園
http://www.noichizoo.or.jp/
▼ミナミコアリクイ
・野毛山動物園
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/
・宇部市ときわ動物園
https://www.tokiwapark.jp/zoo/
・神戸どうぶつ王国
https://www.kobe-oukoku.com/
動物園関係者のみなさん、
ニッチアニマルZOOを動物園に置きませんか?
今回ご紹介させていただいた『ニッチ・アニマル・ズー』。「動物園のショップに置きたい!」「このカードを使ってイベントをやりたい!」など興味を持っていただいた方は、ぜひzoojoまでお気軽にご連絡くださいませ。
▼お問い合わせ先
zoojo.team@gmail.com