Kindle出版で成功するための重要な基礎知識
●はじめに
近年、Kindle出版というものが、注目を集めています。小説や漫画などのフィクションを出版する人もいれば、これまでの経験を生かしノウハウ本を書かれている人もいます。中には数十冊を既刊済みの書き手さんまでいらっしゃり、月に数万単位の利益を得ている人も少なくありません。かくいう私も、こうしてKindleで書籍を出版しています。
そこで、ここでは、これからKindle出版に着手する方に向けて、利益をアップさせるために必要な知識をご紹介します。
●Kindleとは?
どうしてこんなにもKindle出版が人気なのでしょうか。この点について、いくつかの側面から考えてみたいと思います。
その考察をするには、まずはKindleというものが一体なんなのかについて、知る必要があるでしょう。ご存知の方も多いかと思いますが、念の為に簡単にご説明します。本当に、簡単に、です。
KindleとはAmazonが提供する電子書籍サービスのことです。
ハイ、説明終了。
そうです。それだけです。
Amazonが運営するサイトやアプリで、電子書籍を読んだり出版したりできるサービスが、Kindleです。そして、Kindleの中でも、電子書籍を出版できるサービスをKindle Direct Publishing、略してKDPと言います。
ちなみに、読めるものには個人出版の本だけでなく、出版社から出されたプロの作品も含まれています。
●Kindleが人気の秘密はコレ! ①Kindle Unlimited
Kindle出版に着手するなら絶対に知っておいた方が良いことがあります。
Kindle Unlimitedとは何か、についてです。
簡単に言ってしまえば、Amazonが提供する電子書籍定額読み放題サービスのこと。月額980円で読み放題対象書籍をダウンロードして好きなだけ読むことができます。また、対象書籍の数は200万冊以上。普段からよく本を買って読まれる方なら、このサービスを利用しない手はありませんね。下世話な言い方ですが、確実にお得でしょう。
注意が必要なのは、「読み放題」とは言ってもレンタル制なので、一定期間を過ぎると返却しなくてはならないことです。さらに、ストックできるのは20冊までであり、それを超えるとダウンロードできなくなります。読み放題により、さらに書籍をダウンロードするためには、既にダウンロードしてある書籍を一冊削除(返却)しなくてはなりません。いつまでも手元に置いておくことはできないので、それがしたいなら読み放題ではなく購入がオススメです。
と、解説してきましたが、これは読み手目線から述べたKindle Unlimitedの特徴です。
「書き手目線では違うの?」とお思いの方がいらっしゃれば、間違いなく有益な情報です。
Kindle Unlimitedで自作品が読まれると、そのページ数×約0.5円(多少の変動あり)の印税が支払われるのです。
0.5円、ということは、例えば200ページの書籍を全て読んでもらえたら、それだけで100円の収入が生まれるということですね。もちろん、これだけでは微々たるものですが、100人が読めば1万円です。
しかし、これが諸刃の剣になり得るということは、みなさんお分かりでしょう。読み放題で読まれるということは、買ってもらえる可能性が低くなることになります。1ページ0.5円分の収益になるというのは、逆に言えばそれだけの利益にしかならないということです。購入されれば数百円の印税を得られるのに、読み放題では200ページを全て読んでもらえたとして、得られる収益は100円行くか行かないか程度です。
一方、読み放題なら気軽に手に取ってもらいやすいのは間違いありません。購入より読み放題での無料ダウンロードの方が、遥かに敷居が低いですよね。より多くの人に読んでもらうためには読み放題対象である方が良いですし、前述のように読まれれば読まれるだけ収益が増えるわけですから、より多くの読者を獲得できれば、数万単位の収益を得ることもできます。
それに、読者獲得ができなければ、そう多くの収入に繋がらないのは購入された場合も同じです。1冊購入されたところで数百円ですから。
こうして考えると、読みほ放題であれ、購入であれ、多くの方に読んでもらえなければ大きな収益にはならないのは同じですね。特によく知らない書き手の書籍は、読者が購入を躊躇うのは当然です。知名度が低い方は、読み放題の方が良いでしょう。
さらに、Kindleでは、ノウハウジャンルについては、いわゆる「読み専」の方が比較的少なく、自ら「スコップ」――すなわち良作を求めて読み漁ってくれる人も、そう多くはありません。そんな中、多くの読者にダウンロードしてもらえるツールとして確実に有効な読み放題のシステムは、利用の価値は十分にあります。
●Kindleが人気の秘密はコレ!② KDPセレクト
では、次にKDPセレクトについて。これは、任意で登録できるプログラムです。出版申請の際に表示される「KDPセレクトに登録する」のチェックボックスにチェックを入れれば登録完了です。作品ごとに設定することができます。登録することで、Kindleの独占販売となるかわりに、様々なメリットが得られます。
独占販売、となれば、意味はどなたでもお分かりでしょう。Kindle以外での販売、公開は認められないということです。つまり、ブログやサイトで公開しているものも非公開にしなくてはなりません。もし他所でも公開したいのであれば、メリットの恩恵を受けられずともKDPセレクトの登録はせずに販売すべきですね。
では、一体どんなメリットがあるのか。書き手側からすると、非常にありがたいものです。
書籍が購入された場合の印税率を70%に設定できるのです。
KDPセレクトに登録しない場合の印税率は35%なのに対して、KDPセレクトに登録した場合、70%に設定可能になります。
一般的に、商業出版の場合の印税率は5%から10%と言われているので(低い場合は3%台、高い場合は10%を超えることもあるようですが、どちらも稀なようです)、Kindleの印税はどちらにしても高いと言えます。けれど、より高い印税を選べるなら誰でもそちらを取りたいですよね。
この70%の印税を可能にするのが、KDPセレクトへの登録なのです。
また、印税率35%と70%には、もう1つ大きな違いがあります。それは販売価格です。70%を選択するなら価格は250円から1250円にしなくてはなりませんが、一方35%なら99円から20000円を設定できます。
つまり、設定金額の幅が、35%の方が遥かに広いのです。ですから、購入のハードルを下げたいなら最安値の99円に、売れるという自信があるなら数千円、あるいは1万以上の価格を設定することもできます。70%の印税率より35%を選択する人がいるのは、その辺りの戦略ゆえなのかもしれません。
Kindle UnlimitedとKDPセレクトの特徴、お分かりいただけたでしょうか。少し複雑になってきたので、ここで、ざっと要点をまとめます。
○Kindle Unlimitedについて
①Amazonが提供する電子書籍定額読み放題サービスである
②自分の出版した書籍がKindle Unlimited(読み放題)で読まれた場合、ページ数×約0.5円の印税が発生する
○KDPセレクトについて
①出版申請の際に「KDPセレクトに登録する」のチェックボックスにチェックを入れることで登録できる
②Kindleの独占販売としなくてはならない
③印税率を70% に設定できる
・70%の場合、価格は250円から1250円
・35%の場合、価格は99円から20000円
Kindle出版においては、絶対に知っておいた方が良いことです。
そして、これこそ、Kindleが人気を誇る一番の理由でしょう。Kindle UnlimitedとKDPセレクトを上手く使えば、多くの印税が入ってくるのです。もしよく知らなかったという方は、ぜひこの2つをご活用くださいね。
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