僕が農業をはじめたワケ
僕は小さい頃から祖父や父が兼業農家だったので先祖代々受け継いでいる田んぼの手伝いをやらされていた。兼業農家と言っても事業ではなく5世帯程度の身内プラス少し余るくらいの小規模な農家である。田舎ではオーソドックスなスタイルだ。
作物は主に米だが、サツマイモやミカンなども生産していた。
田んぼの手伝いに連れていかれるのが当時は本当に嫌だった。
マムシやムカデにも幾度となく遭遇し、その度に無慈悲な殺戮を繰り返した。これは曾祖父がマムシによって天に召された過去があるので我が一族ではマムシ・ムカデは頭を潰せ!が最優先の教訓・鉄則だったのだ。
最も嫌だった理由は農作業はめちゃくちゃキツい。ある程度は機械でできるのだが、ゴリゴリの力仕事と単純作業のオンパレードで終わった頃には心身共にボロボロになる。作業の時間や機械の管理を考えると買った方が絶対安いし楽だと思うようになっていた。
何より遊びたい盛りの小中高生にとって貴重な休みを農作業なんてバカバカしい以外の何でもなかったので徐々に手伝う回数は減り、高校生になる頃には年に数回行くか行かないか程度になった。
社会人になり身内が亡くなったり、入院したりの人手不足で田んぼの維持が大変になり僕もたまに手伝うようになった。
そこでもやはり考えることは同じで、人数も減りこんなにキツいなら田んぼを辞めて米は買った方が良いと父と話をした。
2017年に先祖代々受け継いだ田んぼを辞めた。
話は変わるが僕のツレには農家が数人いる。
こちらは本業としてやっているので規模がとてつもない。
作物は様々なもので、キャベツ・オクラ・かぼちゃ・生姜など挙げればキリがないが全て畑で作るようなモノだ。
そんなツレ達とよく遊んでいたのだが、ある時『お前も片手間で野菜作れば?』と言われた。
僕からすると実家も兼業農家でやってきて”片手間”の苦労は十分見てきたつもりだ。なのでその時は後ろ向きな気持ちで話を聞いていた。
『土地あるなら会社員でも作物次第では全然できるし上手くいけばお小遣いも稼げるから考えてみれば?出来るまでサポートはしてやるよ』と半年くらい会うたびに言われていた。
最初は話半分だったが実家には雑草だらけに成り果てた畑や田んぼがあって勿体ないとも思っていたし、給料以外でお小遣いあればやれる事が広がるかも!とか、キャンプで自分で作った野菜を使った料理とか超カッコいいじゃんとか、色々と思うようになり態度を180度どころか540度変えて2019年小規模で取り敢えずやってみようと決断した。
これをやるにあたって妻には相談していたのだが妻は『えー!私もやりたい』というスタンスだったので決断した瞬間に妻が農業仲間に加わった。
作る作物は友人のサポートが一番強固な”かぼちゃ”に決定。
実家に相談しに行くと僕が農業に目覚めたと祖父がブチ上がったようで、遊んでる畑をすんなり譲ってくれた。
5畝(約150坪)程だが初心者には丁度いいサイズだ。
こうして僕は農業と言えるのかどうかの規模ではあるが、小さい畑でかぼちゃを作る事になったのだ。
この畑がどうなったかの経緯は次回記させてもらおう。
さいなら