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強い視線を感じる作品  海をテーマにした「壁掛けアート」(F4号)

タイトル:目覚める海の目神様
サイズ:F4号(タテ242mm×ヨコ333mm)

最初はクジラの優しい目を描いていた私ですが、最近は何枚も描くうちにだんだんと恐ろしい目になってしまいました。
これはF4サイズの小さな作品ですが、部屋に飾っておくと、なぜか視線を感じますね。
アクリル絵の具で目を描いたあとに、エポキシレジンで海と白波を表現しました。

目玉はレジン(レイヤー)を3層重ねて描きました
虹彩を何層も重ねて描くことで、クジラでもなく人間でもない魔物のような目になってしまいました。
ちょっと恐ろしい印象を受けますが、色彩的には美しい目玉で、描いている途中で、その魅力に何度も引き込まれてしまった作品です。
写真だと平面的で、立体的に見えないのがちょっと残念ですが。

目の周りには、時間の刻印ともいえる無数の傷とフジツボを描き足し、この傷跡の一つひとつがクジラの波瀾万丈な人生と自然の厳しさを物語っています。

そして、この目には知性も優しさも感じません。
怖い印象を受けるのは、海洋汚染を続けてきた人間たちへの怒りの現れなのかもしれません。

政治的なメッセージはありませんが
太平洋には「プラスチックごみのスープ」と言われるマイクロプラスチックが多く見つかる場所や「太平洋ゴミベルト」というゴミが帯状に集積した場所があるそうです。 私もネットや本で読んだだけですが、事実なのでしょう。 
          (中嶋亮太氏著『海洋プラスチック汚染』/岩波書店)
海洋ゴミで問題になっているのが「行方不明のプラスチック」
海の上に浮かんでいるプラスチックゴミは、ほんのわずか。
ほとんどのゴミはカーテンのように海中をゆらゆら漂っていたり、既に海底に堆積している可能性が高い。

私は環境保護活動などに参加したことはありません。
クジラやウミガメの絵を描くことで環境保護を訴えているわけでもありません。
ただ無知であること罪なので、すこしでも情報を集めて自分でできることを淡々と実行しているだけです。
ただ、クジラの絵を描くときは、自然と「海洋ゴミ」(特にプラスチック)のことを考えてしまいますね。
絵を描くときに紙コップを使うことがありますが「紙コップの内側は漏れないようにプラスチックが使ってあるんだな」などと考えてしまいます。
路上のゴミを見ても「やがて風に飛ばされ、川に流れ、海へたどり着くのだろうか・・・」 そんなことを考えてしまいます。

仮縁も自作しました
黒の下地の上にブルーを塗りました
クラッキング処理で、うまくひび割れてます


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