インテグラルトレーニングとは?〜時間軸と動機付け〜
トレーニング方法は「アナリティックトレーニング」「グローバルトレーニング」「システミコトレーニング」「ダイナミクストレーニング」「エコロジカルトレーニング」などのように数多く存在します。
解釈の違いから定義にも差はあるようですが、そもそも階層が異なるものも混在しているように感じています。
これらは次の言葉を参考に分類できると考えています。
水が火を消すために不可欠な手段であることはよく知られている。しかし、もし水を構成要素である水素と酸素に分けると、どちらの物質も水を消すことができないばかりではなく、さらに火力を増加させる(アントニオ・バルボサ)
この言葉は要素還元的な考え、つまり相手がいない中で反復練習をするアナリティックトレーニングのような考え方に対して疑問を投げかけています。
他のトレーニング方法は、ゲームモデルの有無や生物学的なアプローチなどそれぞれ異なる特徴を持ちますが、味方や相手がいて意思決定を伴うトレーニングが必要だという考え方は共通していると解釈しています。
その1つとして挙げられる「インテグラルトレーニング」では、ゲームで起こる頻度の高い状況を切り取り、その場面が何度も起こるようにトレーニングメニューを構築します。
指導者がやらせたり教え込んだりするのではなく、選手自らが問題解決法を発見し獲得していくアプローチに変化してきています。
そして、トレーニングで再現したい状況を「プレー前」「プレー中」「プレー後」の3つの時間軸で整理し、一連の流れのあるものとしてトレーニングを構築する考え方が特徴です。
選手が相互に関わりながら自ら考え試行錯誤することを求めるため、指導者にもチームや選手の状況や意図など様々な要素を踏まえてトレーニングを考えることが求められます。
インテグラルトレーニングの目的はあくまでフィジカル面や技術面であるという指摘もあるようです。
ただ、トレーニング方法を忠実に実践することが目的ではなく、あくまで選手の成長を促すことが目的なので、様々なトレーニング方法の良い所取りのような形に落ち着くのではないかと思います。