短文バトル#1「徹夜」レコメンド
90年代元ネタ文化を通ってきた世代なので、タイトルの時点でニヤリ。
そして改行の仕方、余白がイルカが海中を泳ぐ様のように優雅でうっとりとさせる。ぬくもりを感じさせる結びも素敵だなと思いました。
フィリップ・K・ディック の小説からリドリー・スコットが圧倒的な『ブレードランナー』の世界を描いたように、優れた作り手は、たった一つのキーワードや構造を血肉化させて、自分の作品に仕上げることができる。柳澤さんの作品はその好例。
もう一つ、
夜が訪れなければ、徹夜にならない。その手があったか!発想の柔軟性で、他の人がまだいないスペース(隙間)にスっと自分の作品を滑り込ませてきたのが、意図してやっていなかったとしてもカッコいい。