花街、燃ユ
幼い頃、川崎市新丸子駅近くの団地の1Fに住んでいた。
ある暑い日の夜、寝室側の窓の外が煌々と明るくなった。母がカーテンをめくると通り向こうの建物から炎があがっているのが見えた。
サイレンの音。
明滅するパトランプ。
メガフォンから怒声のような声が聞こえる。怖いとは思わなかった。ただ、轟々と燃え盛る炎が綺麗だった。
団地の裏手付近は昔は三業地だったそうで、古い歓楽街が残っており燃えたのはストリップ小屋だったらしい。
多分、2歳か3歳頃の朧げな記憶。
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