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ネクロノミコン / zEDHルールブック
めくるめく、生ける屍たちの夜へーー。
不死者たちの楽園
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こんにちは。ふししゃです。
この記事ではゾンビヲタクのゾンビヲタクによるゾンビヲタクのためのオリジナル特殊統率者戦、《zEDH》のルールブック=ネクロノミコン(死者の書)をご紹介します。
本記事を通じて、この酔狂アングラ地下墓地謎フォーマットである《zEDH》を嗜むzEDHプレイヤー=通称“z民”[ズィーみん]が増えてくれたら筆者として最大の喜びです。
それでは、いざ、腐肉大戦争の世界へ!
死者の書・第零章
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【《zEDH》は「ズィー・イーディーエイチ」と読み、zは小文字で表記される】
※ゼット・イーディーエイチと読む者は噛まれ、ZEDHと表記すると噛まれる。
死者の書・第一章
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【カード名、クリーチャータイプ、テキスト欄、フレイバーテキスト、どこかに“ゾンビ”の文言がないカードは使用できない】
「死者の書・第一章」を実際に具体例とともに見ていきましょう。
《スケイズ・ゾンビ》はもちろん使えます。
カード名にもクリーチャータイプにも“ゾンビ”とありますね。
積極的に採用したい一枚です。
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《アンクスの死者の王》ももちろんOKです。
このようにウィザードのような職業タイプの他、ゾンビ以外のサブタイプを複数持っていたとしても、とにかく“ゾンビ”であれば使用可能です。
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サブタイプにゾンビを持っていないクリーチャーでも、テキスト欄にゾンビとあれば使えます。
たとえば《ギサとゲラルフ》は「人間・ウィザード」ですがテキスト欄に「ゾンビ」とあるので採用可能です。
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プレインズウォーカーに関しても同じ考え方です。
《戦慄衆の将軍、リリアナ》もテキスト欄にゾンビとあるのでOKです。
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《黙考の時間》のようなゾンビメタのカードもジェネラルとのカラーさえ合っていればもちろん使えます。
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《無垢の血》もOKです。
なぜか?
よ〜く見てください。
フレイバーテキストにしっかり“ゾンビ”とありますね。
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※フレイバーテキストに関してはイラストによって異なるカードも今後出てくることもあるかと思いますが、エキスパンション問わず使用可能としております。
【例】:《旗印》などがそうです。
参考記事は以下のリンクからお読みいただけます。
【「フレイバーテキストなんて調べられない〜!」とお困りの方へ】
ご存知の方も多いと思いますが、Scryfallというサイトを使えばかなり詳細にカードを抽出できます。たとえば「Flavor Text」欄に「zombie」を含むカードで抽出するとFT内に「ゾンビ〜」とチラッとでも書いてあるカードをなんと一気に調べられます!もちろんFTだけでなく他のキーワードでの抽出も可能です。zEDHプレイヤー必須のサイトです。
https://scryfall.com/advanced
かなり重宝するのでぜひ使ってみてください。
「死者の書・第一章」の考え方はとにかくシンプルです。
デッキに入っているカードには必ずどこかに“ゾンビ”と書いてある、コレだけ!
死者の書・第二章
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【統率者に指定可能なクリーチャーは、伝説でありかつ「死者の書・第一章」を満たすものに限られる】
《血の暴君、シディシ》を例にとって説明します。
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このカードは先述した《ギサとゲラルフ》同様、サブタイプにゾンビをもっていませんが、テキスト欄に「ゾンビ」とあるためまずデッキへの採用は可能ですね。さらに伝説のクリーチャーでもあるので、この場合統率者としても指定できます。
要は「伝説でどこかにゾンビ」があればたとえ本人が天使でも(!)統率者に指定できるということです。
《zEDH》はただでさえカードプールが極端にせまいので少しでも多様性をもたせるために、サブタイプにゾンビがなくとも「死者の書・第一章」に則った伝説のクリーチャーであれば、本人がゾンビのサブタイプを保持しておらずとも統率者にも指定できるものとしています。
統率者に指定できるクリーチャーは伝説である必要があり、この点は普通の統率者と変わりませんね。
死者の書・第三章
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【土地カードの採用ルールに関しては一般の統率者戦ルールに準拠する】
土地カードにおいては特別なルールは適用しないものとします。
《zEDH》はマナ加速手段やサーチカードもとても少なく、全体除去もほぼないため盤面が膠着しやすいです。
そんなzEDHのルールにおいて土地くらいは許さないと、ただでさえ(ゾンビの歩みの如く)ゆっくりなゲーム展開がさらに冗長になってしまうと考えたため、土地カードに関しては特別な縛りを設けておりません。
クリーチャーやスペルでゾンビに関係しないカードが紛れ込むと世界観がブレる恐れがありますが、土地カードの場合はどんなものを採用しても違和感が少ないので、このゲームのフレーバーを損なわないのも良い点ですね。
死者の書・第四章
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【下記のカードは採用必須枠としてデッキに加えなければならない】
①《太陽の指輪》
②《秘技の印鑑》
③《友なる石》
④《精神石》
⑤各色のダイアモンド1枚(《乳白色のダイアモンド》・《空色のダイアモンド》・《炭色のダイアモンド》・《緋色のダイアモンド》・《苔色のダイアモンド》)
※ジェネラルが2色でも対応する二種類のダイアモンドのうち1枚のみを採用。
⑥《速足のブーツ》
唯一「死者の書・第一章」の例外として上記カードは必ずデッキ内に入れるものとします。これは前回の第一回交流会を経て得た知見であり、ゲームスピードの高速化をはかるために行う措置です。
まず大前提として採用必須枠である以上、zEDHのポリシーとしてそれらのカードはどれも汎用性が高く安価である必要があります。上記はそれらの条件を全て満たしています。同時に、ゲームの展開をちょうど良いバランスでスリリングにするのに十分な効果を発揮するものとして考え決定しました。
④の《精神石》はアドバンテージ確保源に乏しいこの環境においてドローとマナ加速の両方を担ってくれる貴重なカードのはずです。
⑥の《速足のブーツ》はどれほどの危険性があるか未知数です。ただし今の段階で言えるこのゲームの難点を挙げるとすれば、前回の第一回交流会において、どうしても盤面が膠着してしまい統率者の独自色を活かした戦術を発揮する場面が少なかったということです。これは統率者戦というゲームにおいて致命的な問題であると考えます。そこで今回は自身の愛する統率者で戦略を組み立てやすいように、採用必須枠としてこのカードを掲げました。
上記採用必須枠については、今後交流会を重ねる中で随時入れ替えてバランス調整をはかっていきます。
死者の書・第五章
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【第二面にゾンビの文言があるものは使用可とする】
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《屍術の俊英、ルーデヴィック / ルーデヴィックの傲慢、オーラグ》
《アモンケットへの侵攻 / ラゾテプの改宗者》
ゾンビで裏面というとパッとこの2枚が思い浮かびますが、上記2枚はどちらも使用可です。とにかくどこかに“ゾンビ”とあればOK!ってことです。
死者の書・第六章
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【キーワード能力の注釈文に“ゾンビ”が含まれているものは使用可とする】
これはたとえば「不朽」などです。
不朽のルール上の定義は以下のようなものです。
「[コスト], このカードをあなたの墓地から追放する:白であり、マナ・コストを持たず、これの他のタイプに加えてゾンビであることを除き、このカードのコピーであるトークンを1体生成する。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」
しっかりゾンビとあるのでこの可愛い《聖なる猫》ちゃんも使用可能です。
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死者の書・第七章
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【多相を持つクリーチャーは使用不可とする】
あくまでも使用できるのはゾンビに関係があるクリーチャーとしたいため、多相は不可とします。
禁止ゾンビ一覧
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「殿堂入り」などというオブラートにはいっさい包みません。シンプルに「脱法」です。
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《宝石の手の汚染者》
あまりにも簡単に一人殺せます。第一回zEDH会にて「核爆弾のスイッチ」の名をほしいままにしたキング・オブ・ダッポウ。1ゲーム目終了時に急遽その場で全員がデッキから抜いたといういわくつきの奴。墓地から回収されて再利用された日にゃあ目も当てられません。ただただ脱法。
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《腐敗を導く者》
能力を起動するだけでバタバタと道連れにみんな死んでいきます。ゲームをつまらなくしてしまう子。どう考えても脱法。
ダッポウ・オブ・ザ・デッドは今後も増えていく可能性があります。
特例zカード一覧
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「死者の書・第一章」の例外カードもあります。
《素晴らしき復活術師、ギサ》です。
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こんなにゾンビゾンビしいカードですが、意外にもどこにも「ゾンビ」の文言はありません。
今回彼女を使用可能とする裁定を下したのは、「ギサだから使用OK」といったテキトーな理由ではなくて、ちゃんとした理由があります。それは下記のWikipediaの引用にある通りです。
フレーバー的にゾンビとして蘇らせる効果ではゾンビのクリーチャー・タイプを追加するものが多く、同様の効果であるイニストラード:真夜中の狩り統率者デッキのグールの夜遊び/Ghouls' Night Outでも追加されるが、このカードでは追加されない。デザインの段階では追加していたが、文章欄のスペースの都合で削られてしまったようだ[1]。
本来は付加されるはずだった「ゾンビ」の文言が文章欄のスペースの都合で削除されてしまったという事情があるため、これは十分にzカードとして認定できるのでzEDHで使用可能としました。
また、実際このクリーチャーがzEDHで使用されたことがあるくらいzカードでないのが「逆に」紛らわしいという事態もあり、今回特例として認めました。
こういった理由のゾンビに関わるカードを見つけた方は、ぜひ主催ふししゃまでご連絡ください。
zEDHポリシー
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ルールに関しては以上です。
まだまだ未完成な部分が多くあるので、皆さんの意見を取り入れながらブラッシュアップをはかっていければと思っております。
zEDHはとにかくカードが安いということを重要視しています。ここでは《魔力の墓所》も《モックス・ダイアモンド》も《宝石の水蓮》も、ぜ〜んぶ禁止カードです。(追記:まさか本当に禁止されるとは…[2024.11.25])
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一方でこんな10円のカードがめちゃくちゃ大活躍する不思議なフォーマットだったり。
こんなふうに使えるカードを発見する喜びも大切にしたいですね。ゾンビの文言が含まれるカードにはさまざまあると思います。シンプルにゾンビのカードだったり、FTにちょろっとゾンビがいるだけのカードだったり、反対に超ゾンビをメタるカードだったり。
しかしそのどれもが何かしらの形でゾンビに関わるカードのはずです。zEDHではゾンビに関係していれば愛を持って拒まない姿勢でいたいと考えております。
次に、zEDHで大切にしたいのが“分かりやすさ”にあります。
たとえば「このカードはフレイバーとしては永遠衆のことを言っているから〜」とか「イラストにゾンビが描かれているから〜」という理由で採用をOKするとして、はたしてそれを全プレイヤーが直感的に判断できるかと言えばそうではないと考えたため除外しました。
このポリシーを分かりやすく考えるなら、EDH初心者のゾンビヲタク(そんな人いるのか!?)の方でも難なく構築できるくらいの分かりやすさをzEDHは大切にしたいと思っています。この考え方は結構大事にしたいです。
もちろん、今後ルールの整備を行う過程でゆくゆくは“ゾンビ”というキーワードを拡張してとらえ、なおかつ万人に理解できるシンプルさを担保できる道があるのであれば、採用カードを増やすことは大歓迎です。
おわりに
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いかがでしたしょうか?
この記事をお読みいただいた方で「zEDHで実際に遊んでみたい!」という(変わった性癖の)方がいましたら、ぜひ主催であるふししゃのXにてDMやリプライください!
zEDHはいつでもあなたをお待ちしております!
結集、結集〜!
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
Zombie bless you.
ふししゃでした。