見出し画像

【ドラフト】『ニューカペナの街角(アルケミー編)大考察』

どうも、お久ぶりですぞんびです。
しばらく記事お休みになるかと思っていたんですが、アルケミーをすっかり忘れていました。今回からアルケミーの追加カード群はドラフトにも登場するということで影響があり、大考察として記事を書かねばとなった次第ですね。
いつもはカード個別評価にすぐ入りますが、今回はまず特殊な形の追加となるので何がどう追加されるのか、その影響はどうあるのかという部分を探ってから個別評価に移ります。通常の雑感の内容の置き換えですね。


前提となる序文はこちら
カード個別評価白編はこちら
カード個別評価青編はこちら
カード個別評価黒編はこちら
カード個別評価赤編はこちら
カード個別評価緑編はこちら
カード個別評価多色+その他編はこちら


・何が追加されるの?

『ニューカペナの街角:アルケミー』としてMTGAのみで追加されるデジタルカード群です。それぞれデジタルでないと機能しづらい効果を持っていたり、既存のアーキタイプへの露骨なテコ入れとなるカードが多いのが毎度の傾向ですね。
カードの内訳は以下です
・アンコモン:各色2枚ずつ合計10枚
・レア:各色1枚+2色の組み合わせに2枚ずつ合計10枚
・神話レア:3色の組み合わせに1枚ずつ合計5枚
となります。詳細な発表内容がまだ探せていないのですが、これらは通常のニューカペナの街角のリストに直接追加したものである『アルケミー:ニューカペナ』というパックとして編纂されています。カードコレクションに加えるパックでは優先的にアルケミー追加カードが出てきますがドラフトをする上では特に制限や偏りなどなくすべてのカードが等しく出てくるはずですね。


・どう影響があるの?

まず大前提として、大局的に見た影響は薄いとここは断じてみましょう。それは、コモンへの追加がないことを根拠としています。
現状のニューカペナドラフトは概ね以下の傾向があります。
『青白/緑白のテンポ(フライヤー)ベースのデッキが強い』
『赤緑は負け組に回りがち』
『原則として2色あるいは2色タッチ数枚の形が好ましい』
そしてこれらの傾向はざっくり言ってしまえば『ニューカペナの街角に多く含まれる、特に強いコモンカードたち』によって成り立っているといえます。アルケミーカード群にコモンが存在せず、既存のものが出る出現率に影響がない以上はこの大きな傾向/全体的な力関係の図も変わらないでしょう。
とはいえ細かい影響は感じます。まず全体としてアルケミーカード群の平均点数はすごく高いですね。もともと使わせるつもりでデザインされているみたいなので弱いカードが少ないです。アンコモンでもレア級に強いものが何枚かあったり、更にレアはボム級がふんだんに追加されていますね。
アンコモンとレア/神話レアともに既存カード枚数が80枚。アンコモンは全体の11%がアルケミー産に、レア/神話レアは16%がアルケミー産になります。どちらもなかなかの遭遇率になるのではないでしょうか?
純粋にカードパワー/ボムに荒らされる試合が増えそうなので弱めのデッキの場合は打消し/除去の重要性が増すと考えています。置物除去もそうですね。中途半端なテンポになるくらいならしっかりそれらを取るべきかもしれません。
気のせいか、地上の盤面を強烈に押し支えるカードも多めに追加されています。より一層飛行が重要になるんじゃないか?という懸念もありますね。
また、2色のアーキタイプをがっつり支援するカードも追加されています。レアリティが高いため毎回狙うことは難しそうですが、自分のピックの引き出しとして『アルケミー産のカードが取れたときにはそれ基準でアーキタイプの点数を加算する』という評価基準が必要そうです。青黒などは特に顕著ですね。5種類貯めるのが楽になったし恩恵も増えすぎ。


・アルケミーの特徴

普段の記事では触れていない、『アルケミー』にのみ存在する能力やカードの特徴についてもここでまとめて触れておきましょう。4つの能力について説明します。

1:抽出
変則的なサーチを現した能力です。○○を抽出する、とは”ライブラリーの中から○○の条件を満たすカードをランダムに選択し手札に加える”ことを意味します。自分で選べない代わりに従来のサーチより軽く使いやすいですね。また、リミテッドではそこまで影響がありませんがライブラリーの並び順を変更しないため占術の阻害などもおきません。
癖がなくシンプルなカード獲得手段です

2:創出
名前が似ていますが、こちらはカードを創り出します。MtGに既に存在する特定のカードを、デッキ外から特定の領域(手札や墓地やライブラリー、あるいは戦場に直接出る場合も)に置くことを創出といいます。
また亜種として特定のカードの『複写を創出』する場合がありますね。これはそのカードを創出することになります。
構築目線だと、やや弱いカードを渡されるように感じることもありますがリミテッドでは十分な強さのカードも多いですね。今回の創出もなかなかの仕上がりです。

3:永久に
カードに修正や変更をかける能力のうち、それが領域移動(手札から離れたり、戦場から墓地、墓地から手札など移動)した場合でも維持される能力です。MTGAでは永久に付与された能力はカードに青字で書かれますね。
リミテッドではカードを使いまわす方法が少ないためやや影響が少ないですが、シンプルに『手札にある状態で能力を加えて強くする』カード群が今回登場していますね。どれも強いですし、だからこそ意図的に再利用を試みてもいいかもしれません。

4:ドラフト
ゲーム中にもドラフトができます。やったぁ♡
カードごとに定められた15枚のカードからなる『呪文書』と呼ばれるカードプールがあります。そこから『ドラフト』するとは、『ランダムに3枚呪文書から選び、さらにそこからプレイヤーが1枚を選ぶ』ことを言います。ドラフトした後どうなるかはカードにより様々で直接戦場や手札に出たり、情報を記憶して置いたりですね。
かなり分析に癖がある能力です。
まず、『ハズレが何枚あるか』が重要ですね。ハズレを引くと負けるようなカード使いたくないので。ハズレが2枚以下であれば選択肢が全部ハズレになることはなく、ハズレが5枚程度でも2%以下で済みます。それ以上は結構上がっちゃいますね。
大当たりの枚数もやはり大事です。1枚でも2割程度の確率で出ますが、3枚もあれば2回に1回は大当たりに出会えます。ドラフトカードの評価をする際にはこの辺りをまず基礎知識として覚えておきたいですね。
また、この記事で呪文書の内容について触れるときは画像リストの左上を1番とし、その右を2番。一番右下を15番として呼称して解説します。


個別評価

今回も個別評価は以下の5段階で行っています。カードの直接的な強さの上下というよりは、ピックするタイミングや条件が影響している評価となります。特に1パック目での評価が軸です。
また、枚数がやや控えめなのでそれぞれ白青黒赤緑⇒青白⇒・・・というように色順に並べます。

・ノータイム:初手級。色を変えてまでも使うべき強力なカード。
・優先   :1~4手目の、『進むべき色を探るタイミング』でその目安となるカード。時には捨てることもありますが、上からどういった優先カードが流れてきたかで立ち位置を考えることになるでしょう。
・次点   :3~6手目程度でデッキの中軸を担わせるために取っていくカード。ただし、最序盤の1~4手目では『色のあっている次点』よりも『色のあっていない優先』を取って積極的に立ち位置をアジャストしたほうがピックがスムーズになると思われます。
・抑え   :5~9手目あたりで保留として取ることが多そうなカード。一周させるほどではないが、今後の流れによっては使わない候補となる事も多いグループ。特定のアーキタイプでのみ強いカードをこの評価にしておき、とりあえず抑えて様子を見ることもしばしばありそう。
・見送り  :原則として積極的には取らないカード。色があっているほかのカードがあればそちらを優先するだろうというカード。最終的にデッキから押しくも抜けるレベルから絶対に使わないだろうカードまで混在しているが、『1週目では取ることがほぼなく、他に取るものが何もない』といった状況で取るだろうという共通点で評価をまとめています。

優先
天使のドラフトに特化したカードです。毎ターン1枚ずつカードをため込み、生贄に捧げることでそれらすべてを手札に加えることができますね。変則的なドローカードとして見れます。
呪文書のカード群は豪華絢爛という単語がふさわしいですね。それぞれ単独でも過去のリミテッドにおいてノータイムのボムレア級だった天使達が複数含まれています。具体的には1,2,5,6,7,11,12辺りですね。この時点で大当たり扱いできるカードが7枚とすさまじいガチャです。
それ以外も15がほぼハズレ、14がこの中だと弱め程度で、ハズレも2枚といえます。よってたとえ1枚しか手に入らなくても十分ボムレアとの引換券、2枚以上ドラフトできるならそれだけで勝ててしまうレベルのアドバンテージ源といえます。
他のドラフトカードとの特徴的な違いとしては、やはり2枚以上手に入ることですね。それによりこの呪文書のプールの中のカード同士でコンボ/シナジーを期待することが可能となっています。3,4,7,9,10あたりがそうですね。単体ではやや弱いカードも混ざっていますが組み合わせることがほぼ確実である以上それらの評価も上がり、結果として『ハズレがないプール』が完成しています。3Tくらい立てば『成功ドラフトの強い天使デッキ』が急に手に入るみたいなもんです。
注意点は二つ。まずはやはりやや遅いことですね。起動している間はテンポを失い続けますし、出てくるカードで強いものもやや重めなのでトータルのテンポ感はよくありません。デッキ構築段階、あるいは引いた段階でロングゲームへの移行をしっかりと意識してプレイしたいです。
二つ目は色シンボルです。このカード自体はシングルシンボルですが、呪文書の中のカードは多くがダブル/トリプルシンボルです。また、複数手に入れたカードを同一ターンに使いたい場合も想定されるため見た目よりも白の要求が高いカードといえます。タッチで使うのは厳禁で、しっかり白をメインカラーとしたデッキで使いましょう。


次点
デメリットつきの低マナ高ステータスのフライヤーですね。
こだまの検査官が最高のコモンとして君臨する今の状況では、それに立ち向かえる3/4のサイズは優秀といえます。
手札に戻す効果はデメリットとメリットが抱き合わせですね。この環境はクリーチャーサイズが似通っていることもあり、低マナ域のクリーチャーを戻して永久修正と飛行を加えるだけで十分フィニッシャーサイズと言い張れます。ラフィーンの密通者などでもいいですし裏通りの暴れ者もすさまじいサイズ感になりますね。3マナ程度までならどれを戻しても得しかないと思います。
その一方でいざ戻すものがなく土地を戻さなくてはいけない場合に3ターン目にやや出しづらいのが気になりますね。テンポ的には致命傷になりえます。とはいえこのカード自体がそのテンポロスを補えるサイズなのはうれしいです。評価面ではやはり少し気にして、優先ではなく次点としました。


ノータイム
いやぁ強いカードです。もう4/5飛行だけで文句が出ませんがセットで持っている除去能力もかなり強いですね。飛行や魚トークンのすれ違いになりやすいダメージレースを一度に有利に引き寄せれると思います。複数体破壊にこだわらなくても1体で十分強いですし、何なら0破壊でも全然テンポで出しそうなカードですね。
白が元々ライフ回復カードが今回いくつかあることがここで効いていますね。このカードで引き換えにするライフも確保しやすく使いやすさを高めています。トップクラスのレアではないでしょうか。強すぎて逆に何にも説明できないレベルです。


次点
テキストがアルケミー式に長くわかりづらいですが、『相手のライブラリーの一番上のカードを手札に盗む』ということですね。色マナを好きに支払ってよくなる都合上、基本的には自分からドローと価値はあまり変わりません。低くもなく高すぎもなくですね。
起動コストがそこまで重くなく、インスタント起動もできることから優秀なカードといっていいと思いますが結結局テンポ問題が気になって次点どまりとしました。このカードで悠長に引いていていいのかどうかということですね。ロングゲームが試みれるデッキ/環境ならノータイム手前まで上がりそうなカードです。


抑え
これもアルケミー式のテキストですが、感覚としては占術2+2ドローよりちょっと弱いカードという感じですね。とはいえそれは本来4マナの効果であるため3マナでできるのであればコスト比では優秀な方です。
ただドローするカードをどこまで入れていいかはわかりませんが、ドローカードの中では優秀な方ですね。とはいえほかのパワーカードには見劣りすると感じ抑えとしました。リソース補充が欲しいなら取っていいカードだと思います。
ドローはしていないためフェアリーの荒らし屋とコンボしないのは覚えておきましょう。


優先
これほんとにアンコモン?ほんとに???って素直に思ったカードですね。ただでさえ強かった超能力すりが軽くなっておまけがついて瞬速がつきました。なんで?
バウンス持ちが瞬速があることはやはり構える上で非常に心強いですね。かき消しのようなカードと併用して構えたり、相手の攻め方に応じて除去かこれか選べるのも便利です。対象がクリーチャーに制限されないので早抜きの短剣あたりを戻してコンバット介入もできますね。自身も2/3と十分ブロックに参加できるサイズであり相手のアタックに合わせることでテンポとブロックによるアドバンテージを両方とれそうです。
マナコスト増加も強く何を戻してもテンポを失わせることができます。3手目程度で流れてくるようなら迷わず青を目指すレベルのカードだと感じました。正直ノータイムにするか1日迷ったレベルです。


次点
ザンダーさんの葬式に吸血鬼やら巨人やらオークやら大集合するカードですね。人脈が広い。
書いてあることの強さはかなりとんでもないです。なぜか死亡クリーチャーに条件が一切ないためトークンでもいいどころかこのカードから出てきたカードでもいいため事実上の無限リソースといっていいですね。
呪文書プールは質もレアリティもまちまちですが、明確にハズレといえるカードは14くらいであり残りはどれも最低限のクリーチャーとしての戦力にはなってくれます。マナコストはばらばらであり、また能力の方向性も盤面形成やドローや接死にハンデスにフィニッシャーとバラバラですが、継続的にドラフトをしてクリーチャーを継ぎ足していくこのカードにとってはかえって都合がよさそうです。その場その場で出せるカードを取って出していくというのがいいでしょう。それだけで有利になれますし。
飛行が1体しか含まれていない関係で地上戦以外での介入が難しいカードなのは例によって注意が必要ですね。自分で犠牲や奇襲に殺人魔など、すれ違う際にも能動的にドラフトできるカードをセットでとっておくべきかもしれません。機能すれば☆5レベルのカードです。


優先
かなりいい黒除去ですね。1マナ重い代わりに盾を無視できる、更に永続であるためタフネス4以上に先打ちしていくことにも意味がある絞殺という感じですね。十分強い特徴です。さらに犠牲も軽いため積極的に狙えますね。大型にも簡単に対処できるうえにテンポも得やすく、腐ることも少ないかなり優秀な除去です。トップ除去の座を狙えるレベルじゃないでしょうか。
ロウクスの打撃手君の立場がなくなってそう・・・使う際は気を付けましょう。


優先
身の破滅にもつながる契約を持ち掛けてくる悪魔ですが、別に契約しなくても見逃してくれる親切さもあります。そのため5/4/5飛行として普通に活用でき、評価もその時点で優先としました。
契約はリスクに伴い大きな効果がありますね。基本的にいつでも使っていくようなものではなく、『4点ダメージ』の効果も含めてリーサルが視野にある場合に使っていきたいです。ちょっと押せそうかも、程度だとこの悪魔に除去が飛んできたとき一気にピンチになるので他にも攻め手が確保できていることを確認したいですね。
このカードのためにわざわざ置物を割るカードを入れるのもちょっと弱いと思いますが、都落ちなどは損を上回る利益が見込めるのでちょっと評価を高めてセット採用してもいいですね。
いずれにせよ、常に契約しない選択肢を持ちながら運用したいカードです。気を付けましょう。安易な契約、事故の元。


優先
待望の2マナ2点”インスタント”ですね。もうそれだけでうれしくて滂沱の涙があふれ出ます。
追加効果としては、まさしく松明を『渡す』効果です。唱えた時点で手札にあるクリーチャーに『戦闘ダメージを与えたとき、これを再び唱える』効果を付与します。その方法で唱えたら、更に手札の次のクリーチャーに効果が移る、ということですね。
2点は除去として過信はできないもののプレイヤーに打てる柔軟性もあり、またクリーチャーを2回焼けたらそれで十分仕事を果たしています。
肝心の戦闘ダメージを与える方法ですが、赤であることが幸いしていますね。飛行持ちは少ないものの、コモンに2種類ある『回避能力/ブロック制限』持ちの奇襲クリーチャーが極めて相性がいいです。相手のエンドに手札から松明を投げてブロッカーを減らし、奇襲持ちにたいまつを持たせて次のターンアタックなどの動きは序盤大きく盤面とテンポをとれそうです。中盤以降なら同一ターンにその動きもできますね。3回目は目指さなくてもこの使い方が十分強いと思い優先としました。
隣接色である緑の宝石泥棒なども十分強く、相手にブロックを強要しやすくなるので早抜きの短剣チャンスも生まれやすいですね。赤いデッキの動きに十分かみ合うカードと思い優先としました。


次点
なかなか評価が難しいカードですね。とりあえず速攻を持っていて扱いやすいため一定の評価は担保されていると判断しました。
宝物を生成する能力は誘発条件が緩く、自身以外がブロックされてもいいため相手に宝物かライフかの2択を迫り続けることができます。通ってくれるならそれは赤のペースなわけですしね。
ドラフト能力はコストはやや重いものの、使い道を持て余すこともある宝物の使い道としてはカードアドバンテージに直接つながる有益なものであり、またドラフトにより得たアーティファクトをさらにコストにあてて文字通りくじを『大口購入』することができますね。
ただし、その連続ドラフトを危惧してか呪文書プールはリミテッド目線だとかなり厳しいと言わざるを得ません。通常であればデッキに入れたくないレベルのカードがまず10枚ほど混ざっています。キャントリップ付きなどは一応ハズレではないと扱えますがそれでも3,4枚完全なハズレになっちゃいますね。
7番の街の鍵は赤のアグロ戦略を強力に推し進める大当たり、9も連続ドラフト向けの当たり、6と13もプチ当たりとしていいと思いますがそれ以外がどうしても活用しづらいですね。呪文書としては全体として使いにくいと判断せざるを得なく、それゆえ評価を下げています。とはいえ連続ドラフトによって無理やり当たりを引き寄せる動きに期待して次点に留めました。


次点
赤黒サクリファイス愛好家も歓喜で飛び出す、『プール内で2枚目の』コントロール奪取ですね。殺人魔や犠牲と組み合わせる動きが単純に2倍近く成立しやすくなると考えたら、アーキタイプの後押しに十分なっていそうです。
そしてこのカードは一時的奪取の中でもかなり強力ですね。普段であれば『とどめのタイミング』以外でそれらを使うと一時的なダメージの代わりにテンポを大きく損ない、取り返すのが難しい(次のターンダメージが通らないことが多いため)のですが、このカードであれば次のターンのアタックも通りやすくなりますし早期に打っても継続ダメージが多く見込めて損が少ないです。結果として『タイミングを選びがちで使いづらい』というシリーズ全体の欠点をうまく補っていつでも使いやすいいいカードになっているのではないでしょうか。


抑え
土地を変則的なミシュラランドに変更するカードですが、リミテッドにおいては使いづらい特徴が目立つカードだと思います。
まず、呪文書プールは割と平凡ですね。どれも4マナ相当くらいの水準クリーチャーであり大外れがなく戦力として安定している一方で、明確なあたりと呼べる上振れもなくコスト相当だなぁといった感じです。
そして4マナ相当としてみると、神河輝ける世界にあった調和した出現(4マナで4/5に変える)と同じか下手したらそれ以下かなといった感じですね。起動コストがそこそこ重いため、それ以下であることのほうが多いと思っています。
キャントリップも付いてはいますが、土地を1個失うのととんとんって感じですね。エンチャントであることのシナジーも特にないので、このくらいの評価です。使ってみたら強いのかなーーー?


抑え
ドラフトで条件満たすのは無理かな~~~~~~って感じのカードですね。特に緑は市民シナジーが半分あったり、結構かぶりがちだと思うのでドローを目的に使うのはかなり難しいと思います。手札や戦場、墓地などに既にあるクリーチャーはかぶり対象に数えませんがそういう問題でもないでしょう。
2マナの、限定的な条件のあるマナクリーチャーということで抑えにしました。とはいえタフネス3で一応ブロッカーになれたりするため次点の下のほうでもいいかなー、といったところです。特にアーキタイプに絡まないのが、抑えにした決め手ですね。


次点
アルケミーたまにある、過去のカードこすったジョークカードシリーズですね。巨大化(G)+芽吹き(1G)を足したらマナコスト同じまま効果も合計した感じですね。修正がなぜか永続になってますが。
そしてこの修正が永続である部分に強く注目していますね。+3/3の修正は実際3.5マナくらいの価値、更にクリーチャーサイズが小さくまとまりがちな今回の環境ではそれ以上に価値があると考えます。5ターン目に2/2/2を拾ってそのまま出して5/5/5でも普通にマナカーブ通りの動きどころか上等な動きになります。使い捨てしやすい奇襲が隣接している色だったり、市民の奉仕者などの優秀な軽量絆魂を抱えている色であることも追い風ですね。特に奇襲の存在は大きく、消耗を待たずして打てるため手札に余ることも少ないかなと思いました。サイズが重要であり、拾う対象による上振れも期待できるため次点としています。


次点
トリック系のカードですね。ブリンクと同時に盾カウンターの付与を行います。まずシンプルにその二つの効果によって自分のエース級のクリーチャーを2回守れることが大きいですね。毎回謀議をする必要がありますが木霊の検査官のような飛行持ちなどはそもそも除去される(相手と接触する)回数が少なめなので2回守ったら完全防御な気がしますね。
場合によっては盾カウンターを得る+アンタップとしてみなして相手のクリーチャーを打ち取るカードとしても使えますね。柔軟性が高いということです。
盾カウンターの付与は永久に行われるため、何らかの方法でクリーチャーを出し直すたびに盾が付与されますね。盾が外れた後に再度自分で戻すとか墓地から回収するのも強いですね。覚えておくとよさそうです。
クリーチャーを守護するカードとしてはかなり上位だと思います。


優先
かなりめちゃくちゃ評価に困ったカードです。二日くらい考えてました。
相手のクリーチャーを追放できる代わりに、デッキの中にいる別のクリーチャーを引かせてしまうカードですね。
まず評価をする上で、別にアドバンテージを何か失っているわけではないことに注意ですね。ちゃんと追放はできているので。相手も出し直すマナが結局かかるので基本的にはむしろ得ですね。一種のバウンスとしてみた方がいいでしょう。
貴重な完全除去ではあるので、ボムレア級のクリーチャー、特に今回増える連中に対する回答としては抜群だと思います。3ターン目にバウンスのつもりでテンポだししても強そうなんですが相手のボムレア引かせちゃう場合があるんでそこはちょっと怖いですね。とにかく扱いが難しい代わりに、柔軟性もありタイミングをうまく合わせればすごい強いと感じています。
お試し気分で優先としました。でも扱いは本当に難しそうですね。


次点
こんなアップでこんなセクシーなポーズされたらなんでも守秘義務しゃべっちゃいそうなカードですね。いかん。
二つのモード+条件付きでカード獲得がついているカードですね。
まず二つのモードは使える局面がきれいにずれているため、結果としてトータルで腐りにくいカードとなっています。
”否認”モードは普段であれば持て余しやすいですが、モード付になっていることで解消されていますね。テンポが重要な環境で重い呪文を2マナで消せることはテンポ的に大きな意味があると思います。
”クリーチャーを創出”はちょっと使いづらいですね。すでに倒したクリーチャーしか貰えないためタイミングが遅くなったり貰うものが状況に対して弱くなりがちですが、今回は謀議や奇襲があるので意外と早く”強い”カードをもらえることもあるのかなー?といった感じですね。
そして呪文書プールですがカードの方向がバラバラなのが却っていいですね。除去が3枚、フライヤーが3枚、ドロー/アドバンテージにつながるカードが5枚、フィニッシャーになれるカードが2枚とバランスが良いですね。条件である『墓地5枚』を達成しているのはゲーム中盤以降だと思うので、戦況が見えていやすくその時に合わせた選択肢が選べることが多いと思います。15番不可思議のような大当たりもあるので呪文書自体は優秀ですね。
条件の達成はやはり少し難しいと思いますが、リターンの大きさや、そもそもがゲーム中盤に打つカードであることを考えると意識しなくてもたまりやすいかなと思いました。
一応ベースは打消しということで次点どまりとしました。


ノータイム
4マナ4/5飛行護法is化け物。みんな知ってるね?
いやほんと、なんでデメリットがないのか理解できないカードですね。もしかしてライブラリー4枚切削する程度をデメリットだと考えてらっしゃる?
もう下のテキスト抜きにしてノータイムボムレアでいいと思います。きれいに除去できるカードも少ないのでほんとそれだけで勝てちゃうレベルのカードだと思います。
そして下部分もおまけとしては相当贅沢ですね。自身の能力で4枚切削すれば揃う可能性も高いですまず。そしてもらえるカードが自身を回収できるカードなのが偉いですね。苦労して除去したこれを回収して出されるを繰り返すだけで普通に負けると思います。ライブラリー枚数の制限がそうすると気になりますが、気になってくる頃には他の優秀なクリーチャーが落ちていてそちらを回収できると思うのであんまり気にしなくていいと思います。そもそも手札がなぜか増えるので有利でしょうし。
全てが強いのでノータイムとしました。手札に引きたすぎるので、ライブラリーは40枚にしておいた方がいいと思います。


次点
今回のレアの中では比較的おとなしいカードですね。奇襲を持ち、奇襲を付与できるカードです。
奇襲を付与できるといっても、結局コストは本来のコストと変わらないためそこまで大きい効果ではないかな、と思います。奇襲の良さの一つが消えてしまっていますし。そもそもこの色は奇襲持ちが最初から多くて対象に困ることもありそうですね。とはいえ、自身も奇襲を持っていることによって中盤以降に『これを奇襲⇒手札からさらに奇襲で一斉攻撃』という押し込みパターンも考えれますね。これ自体が2/3/1威迫と2マナ域としてはかなり強く、押し込む際にもしっかり打点を稼げるため、トータルでは攻撃的で使いやすいカードに思います。赤黒を目指すきっかけになれるレベルに見えますね。


優先
ちょっと特殊な方法で毎ターンドローを行うカードですね。このテキストだけだとわかりづらいですが、ライブラリーの一番下がクリーチャーじゃなくても、クリーチャーを見つけるまで一番下から掘ってくれる感じですね。
クリーチャードローが確約されており、それを使いたくない場合でも宝物にしてくれて次のターン以降追加ドローのカードを使いやすくしてくれるのが気が利いていますね。自己完結力が高く、赤黒の攻め手を常に補充し続けてくれるという点で赤黒では非常に使いやすいカードだと判断しました。
タッチカラーでも使いたいカードなので、もしかするとノータイムでもいいかなと思ったんですがちょっとやっぱり効果の不安定な部分があるので他のノータイム級には並べないかなと判断して下げました。


優先
色にがっちりかみ合ったサイズ感と能力の優良クリーチャーですね。
時間差があるとはいえカード1枚で宝物2個作れるカードであり、宝物が欲しいカラーであるため非常にうれしいですね。
これ自身の2/3/2というサイズも序盤からしっかり殴れるサイズであり色に合っていますね。
宝物を手に入れる手段として大変手軽で便利であり、そのため優先としました。赤緑をやる際にぜひ欲しい1枚ですね。マジでほしい。

ノータイム
さすがにハチャメチャすぎてほんとにお祭り騒ぎだと思います。こんな簡単に盤面増えていいのか?って感じですね。
マナコストが低いものであるという条件が付いているものの、すべてのクリーチャーが追加で1体をライブラリーから呼び出すということはリソースが2倍になりますね。お祭り騒ぎです。
そんなにライブラリーにクリーチャーがいるのかという疑問も、テンポ環境であるため2マナ3マナを厚めにとることが推奨されている今回は自然と改称されていることが多いでしょう。
更に奇襲や宝物を使って『本来よりもちょっと重いカードを出す』動きトも相性がいいと、色的なかみ合いもばっちりで至れり尽くせりですね。
手札にクリーチャーがいるころに使いたい=終盤で使いたくないという点でタッチカラーとしての採用だけ不向きだと思いますが、それ以外は文句がないノータイム級としました。

優先
これも緑白らしいレアですね。市民トークンを強烈に補充してくれます。2体程度生まれればコストに対して十分と思われるので、2T目に出せればほぼ達成、それ以降でもよほど終盤に引かなければ1体くらいは出せそうですね。
緑白が誇る市民シナジーである市民の奉仕者のための市民の確保や、裏酒場の給仕のライフゲインの底上げがメイン用途ですね。市民トークンの確保が難しかった現状に比べるとやはりありがたい強化カードです。レアなのでアーキタイプ全体の立場が向上するわけではないものの、いざ取れたら非常に強力でしょう。レアにふさわしい強さだと思います。

ノータイム
ちょっと祝祭物騒過ぎませんかね?明らかに武力でニューカペナを支配するつもり満々です。
戦場にいるクリーチャーに『+1カウンターを乗せる』という斡旋屋の隆盛は3マナでほぼトップレアでした。このカードは5マナになった代わりに色シンボルが緩くなり、また影響範囲がすべての領域に拡大していますね。手札やライブラリーも大きくなるためこのカードを先に設置してしまって効果を受けれなくなるということもなく、ちゃんとそのあと育った状態で出てくれます。そのため5マナという重さが意外と軽減できている手ごたえですね。3色じゃなくなった分トータルで軽くなっているとすらいえます。隆盛と同じくトップレアの1枚と数えていいでしょう。


ノータイム
ほぼ賢明な車掌、トルーズと同じ効果ですね。捨てることに反応してカードをもたらしてくれるわけですが、こちらは新しいカードに入れ替えてくれますね。
効果としてどちらが優秀かは判別つきにくいですね。こちらはこちらで圧縮や墓地5種類の達成、弱いカードを強いカードに変換という動きができるためできることの幅がちょっとトルーズより多いかな?という感じです。即座にカードもらえるのもうれしいですしね。
クリーチャーサイズとしてもおおむね3/4のほうが優秀であることが多いでしょう。地上戦力として十分なサイズです。
色マナシンボルはトルーズより使いづらくなってはいるものの、上記の点がおおむね改善点として判断したため、あちらと同じくノータイムとしました。


優先
貴顕廊の貴重な『インスタントやソーサリー』をサポートするカードですね。やっと一家としてまとまりが出てきた。
犠牲の付与は、数字が2だし、手札にすでに持ってないといけないのが残念ではありますがうまく除去に付与できれば強力ですね。殺害や各種インスタント除去を狙って、このカードのサクリファイスエスケープなどができるようにしたいです。それ以外の犠牲を付けたい呪文はそもそもすでに犠牲を持っているケースが多いのもちょっと残念です。このカード自体が赤黒青であるため柔軟性もやや低いですね。とはいえ犠牲を2重に持たせる意味もあり、犠牲をまとめて行うこともできますね。入団などはまとめてクリーチャーを4/3に変換できちょっとおもしろいのではないでしょうか?
つけたい対象がやや少ないと感じ、優先にしました。もしかしたら次点の上程度かも?


ノータイム
今回の神話レアはどれも一家の戦略性を補強するものですが、その中でもこのカードはトップクラスの仕事量だと思います。
犠牲や奇襲で生贄に捧げたクリーチャーに、転生する能力を付与します。起動コストは2マナと軽くテンポの負担に全くならないですね。サイズもパワー参照であるためプラズマの砲撃手を始めとするこのカラーの攻撃的なクリーチャーとは相性がよく使いやすいです。ただし、一部パワー低い奇襲持ちも多いためちょっとそこは気を付けておきたいですね。
自身も効果の範囲内なのが大きいですね。奇襲で出して3マナ4点ダメージを入れつつ次のターン2/4/4で出す動きがあります。十分強いと感じました。場合によっては相手に『奇襲の効果で生贄に捧げさせてたくないから損を承知でブロックで殺す』選択肢を押し付け、すべての奇襲持ちが疑似寄せ餌月みたいにも扱えます。とにかく地上戦での攻撃的な展開ができ、それが色に完全に合致しており仕事を任せれて信頼できる神話レアだと思いました。


次点
サイズが優秀であり、またかなり安定して土地を供給してくれる神話レアですね。
団結という緩い条件であり、しかも抽出先に特に条件がないため能力としては信頼ができます。特にフェッチランド各種を抽出できた場合の圧縮度合いや、ドロー土地でマナフラッドに対応してくれたりと意外と上振れ要素もありますね。サイズも優秀であり地上戦力として頼れるところも評価です。
ただし、土地を伸ばして特にやりたいことが明確ではないと思ったので評価はやや下げて次点の上のほう程度かな、と判断しました。特にこのカラーがファッティなどに恵まれているわけではないのが残念ですね。さらに土地がランダムなためタッチカラーの安定などにも使いづらいです。そこそこのカードかな。


優先
優先とノータイムのはざまくらいのカードです。
やっていることは4/3/3+盾の上位互換なのでまず優秀ですね。パワーが3確保できている盾持ちは攻防で相手に圧をかけやすく、戦力としてカウントがしやすいです。
手札の他のカード、特にフライヤーやスパーラの審判者のようなより戦力としての重要性が高いカードに盾を持たせるのも恩恵がでかいですね。それらはそもそも1回目の処理も難しいはずなので、より一層盾の価値が高まります。盾がなくても平均的なサイズをこのカードが持っているので戦力として特に下がりすぎるわけでなく、気軽に盾を渡しやすいですね。
後半の自己強化能力の部分は、盾持ちの維持がそもそも難しい(盾持ちは戦闘参加してほしいため)ため、あんまり深く考えなくていいかなと思ってます。
これを出した次のターンに、盾を渡した相手を出して一回4/4で殴れたらいいかなー、くらいですね。それでも十分露払いになってますし。
十分強いカードなんですが、ちょっとだけ地味な気がして優先に下げました。実際にはノータイムクラスと同じ力強い活躍してくれそうではあります。


以上、アルケミー:ニューカペナの全カード個別評価でした。
ノータイム6枚、優先11枚、次点10枚、抑え3枚とやはり平均点数が高い結果となりましたね。レアリティに準拠しているといえばそうですが。
特にやはりレア以上の平均点はかなり高く、今後はレアげーを押し付け/押し付けられる機会は明確に増えそうです。かきけし/軽蔑的な一撃などや口封じの点数すらちょっと上げる状況になるかもしれません。そこは少し意識して調査してみたいですね。


最後になりますが三つ宣伝です。

意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーを立ち上げました。

もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!

リンクはこちら。


また、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。現在、6/17,18,19に『まじ☆すと ~じゅういっかいめ~』の予選を行います!ぜひご視聴や参加ください!


それに加えて、『Quiz Any Target!』というクイズ企画も同時進行で企画しております!今は、6/10(金)に第二回を執り行う予定ですね!こちらも『#えにたげ』で確認してご視聴ください!


また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!


では!ぜひ良いドラフトライフを!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?