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リミテッド大考察新年特別編 「デカスロン攻略編」 競技5&6

デカスロンも折り返しを迎えました。このイベントの何よりの敵は集中力とやる気を持続させることですね。3日間で2競技は結構なハイペースです。筆者もいろんなゲームで息抜きしながら持続力を高めています。
ということで、今回もMTGAの恒例(になっていきそう)イベント「デカスロン(十種競技)」の参加結果と思考をまとめた攻略記事を書かせていただきます。

こちらは長期間にわたるMtGAのイベントです。数日おきに2競技ずつイベントがローテーションし、クリアした回数によって最後の決勝競技へ参加できる、というものですね。詳細は以下公式記事をご確認ください(英語のみ)。
The Arena Decathlon Kicks Off the New Year with Ten Events, Finals, and Lots of Prizes (wizards.com)
毎度感謝の引用リンクを張りますが、事前の予想情報が欲しいという方は下記の「山辺カフカ」さんの記事が大変よくまとまっているのでぜひご一読ください。何を隠そう筆者も大きく参考にしており、読んでおいていただければぞんび側の記事を読む際の理解力の助けにもなるはずです。是非!
カフカさんサイドもリアルタイムで参加された結果を随時追記されており、こちらの記事とある種リンクさせて読むことができるのではないでしょうか。


山辺カフカ(Twitter)



今回は競技5『兄弟戦争ドラフトBO3』と競技6『アルケミーBO1』になります。
競技5の攻略はまだ終わっていませんが、まずはアルケミーの結果だけでも皆さんにお届けしようと思い急ぎそこの部分だけ書きました。

他の競技結果は以下です
デカスロン競技1&2
デカスロン競技3&4
デカスロン競技5&6ここ
デカスロン競技7&8
デカスロン競技9&10


競技5:兄弟戦争ドラフトBO3

兄弟戦争を用いてのドラフトでBO3となります。2敗するまえに5勝が必要になり1回のチャレンジにかかる時間がおそらく今回の競技内で最長と思われます。

5-1:事前思考

とりあえず宣伝です!!!この記事を読んでくださってる皆さんであればもうご存じのはずですが!『リミテッド大考察』という記事シリーズを書かせていただいています。リリース前の段階での予想をメインとしてカード1枚ずつの評価を深堀して書かせていただいている記事シリーズですね。手前味噌ですがトータル15万文字ほどあるボリューミーなシリーズなので今から熟読するのはちょっと重いかもですが、流し見だけでもしていただけると理解の一助になるかと思います。

さて、上記記事の内容+実際にここ数か月で出てきた結果に加えて今回のイベント形式を踏まえて、例によっていくつか方針を事前に定めました。

・色には拘らない
 今回は明確に飛びぬけて勝率が高い色の組み合わせ、及びアーキタイプはないと判断しました。そのため俗にいう『決め打ち』のように特定のアーキタイプや色のカードを普段より評価を高くして、ピック基準をゆがめるようなことはしないと決めていました。素直に『取れた/周りから取らせてもらった』パワーカードとアーキタイプに素直に進んでいくことがこの環境の肝要ととらえています。

・アーキタイプの中心にこだわる
 その一方で『アーキタイプを許可する』カードは貪欲にとろうと決めていました。わかりやすいところでは『2色のマルチアンコモンサイクル』『浮遊する像』『巨大焦がし大口』のような特定のアーキタイプ(戦術)を1枚で成立させつつ単体のカードパワーも高いカードですね。特に初手にあるものではなく3手目以降にそれらが流れてきた場合は大事にしようと思いました。周りがそのアーキタイプ(色)に参入していないと判断しやすいからですね。アーキタイプ自体の優劣が薄いということは『やれる色』に滑り込むことが大事なので、『たまたま1パック目にあっただけのボム』より『周りが流したカード』を重視する姿勢を普段より更に重要視するべきです。ここはリミテ基礎知識ですね。

・サイド意識するが歪めない
 BO3でよく言われるのは『サイドボード用のカードを取るべき』ということですが、筆者自身がBO3に不慣れなこともあり、不自然にピックをゆがめてまでサイドボード用カードを取ることはやめようと思いました。そもそも狙いである、『空いている色に滑り込む』が適切に行えたのであれば周りがサイドボードカードなどもとらずに流してくれるはずなので普段のBO1でもデッキからあふれるくらいカードが取れます。そのあふれたカードでサイドボード調整できると思いました。もちろん、自然にとれるのであれば取りますがメインに入りうるカードを押しのけはしないということですね。

また、全体として意識したこととして、正直に言えば普段よりピック/プレイでのレベルが低くなるだろうと予想しました。普段のドラフトよりも参加費が安いため参加のハードルが低く、俗にいう『リミテッダー』以外も大勢参加しそうですし、突破に失敗して残っていそうだと思ったからです。そのため変にシグナルを送る/受けることよりも『とにかくそのパックの中で”一般的に強そうと思われる”カードを取る/注目する』ことを意識しました。リミテッドの点数や評価というのは絶対値で設定すればいいというわけではなく他の参加者に合わせて『他の参加者は強いと思っているが自分は強くないと判断したカード』や『自分は是が非でもほしいと思っているが他のプレイヤーは流しそうなカード』を見抜いて評価することが核にして最も重要だからですね。そのため『玄人好み』的なカードはちょっと後ろ回しにするようにしました。そこまで顕著ではないですが。

6-2:実践編

というわけで自分なりにいくつか方針を立てて、精神的なエネルギーもたっぷり蓄えて参加しました。

まずは1-1です。理想はやはりボムレアですが、とにかく評価が高いカードであれば何でもいいと感じていました。
実際のパックはレアはあまりぱっとせず、設計図カードも全然取るカードではありませんでした。しかしアンコモンに『2色マルチアンコモン』であり、またアーキタイプとしてもやりやすい筆頭の『青白兵士』であるロードがいました。他の候補も少なく迷わずこれをピックしています。同パック内のカードの強さは白いカード3枚が抜けているため、下に座っているプレイヤーと色がかぶることが予想されましたが、下と被ることは基本的に問題ない(その影響があるのは2パック目のみ)ため、方針通りカードの強さを優先して選びました。ただしこれも方針通り、強くこだわるつもりはなかったです。


ロードは強い


次のパックはこれです。レアが抜けていると何も読めないですね。
選択肢は2/2/1飛行、赤緑マルチ、黒除去の3択です。どれも強さ的には拮抗していると思いました。昔ならこういう時は除去をとっていたのですが、最近は『リミテッドは除去が強い』のセオリーは古くアップデートを意識しています。そしてベストな流れは自然に青白兵士になることであるためここもほぼ迷わずピックしました

青白兵士に期待が持てます

3手目はこれも強さで飛び立ちを取りました。そして1-4が転換点でした。『青黒2ドロー』はやや避けられやすいアーキタイプと感じていましたが筆者はかなり手ごたえがよく好きなアーキタイプの一つです。そのキーパーツである統合の福音者がこのタイミングでいるということは狙えるポジショニングじゃないかと思いました。ここに来るまでに白いカードの流れが悪く青白兵士に不安があったのもあります。そのため『白いから、兵士だから』でピックをせずピックの幅を広げるため福音者を取りました。

この後は察知した通り白の流れは悪くほぼカードがない一方で『青黒2ドロー』は喉慣らしの選定者が追加で回収でき、空いていることを確信しました。黒という色というよりは『青黒2ドロー』単位での空き具合ですね。一瞬、1-11で飛空士の騎兵部隊が流れてきたときは心が揺れましたが、下が白になってしまっているはずで、1パック目で白が回収できていないうえに、白が2パック目で回収するのも不安となってはあきらめるしかないと判断しました。
2パック目では『ウルザの命令』と『喉慣らしの選定者』の2択があったものの、青黒2ドローはデッキ全体でアーキタイプを目指すべきであるため選定者を優先するなどしています。その後も青黒2ドロー及び飛行ビートを目指しつつ、屑鉄造りの軍勢といった単体カードパワーが高いカードも回収できていますね。このカード白以外でも強いし。

最終的なデッキは以下となりました。
ファイレクシアの憤怒獣がいなかったり、フィニッシャーとしての塹壕の忍び寄りや深奥の突撃巨像がいなかったり、あと1枚除去が欲しかったり、更にサイドボード要員として沿岸の防壁が欲しかったりと、100点といえる出来ではありません。
しかし、サイドボードに打消し+ハンデス+全体除去と揃えれていることによる対応幅や、『飛行でとにかく殴る。殴り合いはウィークストーンでテンポよくしのぐ』という方向性は明確に打ち出せています。十分デッキプランが強く、5勝できそうな手ごたえはあり75点と自己採点しました。ちゃんと白を避けれたことを踏まえると80点つけてもいいかな?
エネルギー屈折体が取れていることにより軍勢や雑種犬を運用しやすくなっているのもうれしいですね。このカードは事前評価の時より1段階評価が上がっています。

5-3:結果


忘却 〇×〇
赤白 ○○  (あまり印象に残った部分なし
青緑 〇×〇 翡翠細工の仮面+狂気の祭壇+テリシアの精神壊し+フォグ2枚のガチLO
青緑 ×〇〇 ファイレクシアの処理装置入りランプ。
青緑タッチ赤白? 〇〇 ドラゴンの運命をシタヌールの重鎮2枚で無理やり運用デッキ

なんとか一発で5-0突破となりました。
一番のピンチは3戦目ですね。塔の作業員2枚で飛行をけん制されており、ウィークストーンでの除去をしたクリーチャーを狂気の祭壇されるという要素もありデッキプランレベルで不利でした。ただしサイドボード後の打消し2枚が非常に差しやすい相手であり、意識して回収した甲斐がありました。青のサイドといえば打消し。
4戦目もファイレクシアの処理装置の対処を間違えて負けた後、サイドボードで打消しとハンデス重視のプレイプランで勝つことができました。
5戦目はシタヌールの重鎮2枚に加えて第三の道の偶像破壊者までおり焦りましたが、陰惨な実現がきれいに刺さり、最後はウルザの拒絶のタップモードでの綺麗なリーサルが取れました。

振り返るとやはり統合の福音者から青黒を目指したことで、飛行クリーチャーを中心に必要なカードがよく取れデッキの完成度が上がったことが勝因だと思います。青白にこだわってるとぐちゃぐちゃになってましたし、2手目から緑に行っていてもだめだったっぽいです。
デッキプランがキレイ+サイドボードも必要な要素(相手のボムや展開対策)があり戦いやすかったですね。

今から挑戦する人にはやはり、色とアーキタイプの選択を慎重にすることをお勧めしたいです。一手目でピックしたカードを捨てることを恐れるよりも、そのあと流された刺激的なカード(それこそレアや強力なアンコモン)に沿うことを意識してみてはいかがでしょうか。必然サイドボード用カードもとりやすくなりますし。

競技6:アルケミーBO1

こちらもシンプルな競技ですね。MTGAではちょうど生誕1年を迎える構築フォーマットです。
フォーマット全体の特徴として、通称を『アルケミー』カードと呼ばれるデジタル専用カードが使用でき、そのどれものカードパワーが高いことにあります。


6-1:事前思考

唯一ちょっと事前練習をしたフォーマットです。
熱心に練習したほどではないですがちょうど一か月ほど前にアルケミーで面白いと思ったデッキを発見したきっかけがあり、簡単な環境調査とランク戦でのゲームをしていました。
そのため事前に現在のアルケミー環境は以下の状況になっていると感じました。
・赤単が手軽
・『波の巨人、クルシアス』が強い
・『時計技師、ルスコ』が強い
・ラクドスサクリファイスも根強い人気がある
・打消しと全体除去で戦うような『古いコントロール』はほぼいない
・エスパーは下火
です。
一個ずつ説明をします。

・赤単が手軽
兄弟戦争により明確に強化されたアーキタイプです。稲妻の一撃を持つことにより本体を削る遂行力が明確に上がりました。スタンダードでも『手軽な勝てるデッキ』として知られていますが、アルケミーでは更に『強いコントロール奪取』『さらに使いやすい火力』『手札が増える1マナクリーチャー』『2マナヘイスト』といくらあっても困らないカードがどれも高水準で増えておりさらなる強さを持ったデッキとなっています。BO1のイベントの場では無視できない勢力となると感じていました。

・『波の巨人、クルシアス』が強い
元々ラクドス系列のデッキはそのどれもがアルケミーにおいてはTier1の座をしばらく守っていました。その理由は『鏡割りの寓話』です。スタンダードよりもむしろアルケミーで注目されたのが人気に火がついた最初と思われるこのカードは長らく『1枚でデッキになるカード』としてアルケミーに存在感を残し続けていました。宝物と手札交換の能力が先手でとりわけ強く、『互いに強いカードをたたきつけあうゲーム』であるアルケミーの中心的カードであることは間違いありません。
そして『クルシアス』はその鏡割りの寓話の完全上位互換といえるカードです。大げさではなく。
宝物生成、手札交換を行えるところは鏡割りと共通しています。そのうえで『よりサイズが大きく、相手の鏡割りやそれを意識した除去に耐える』『手札交換は都合のいいカードを探しやすい』『出したターンの終了時に機能するため実質1章と2章を同時に行いヘイストまでついている』といった使用感があります。特にサイズの影響は大きく、切り崩しのようなクルシアスを処理できないカードは以前より明確に弱くなったと感じるほどでした。
このカードを使う側が使われる側に明確に分かれると感じました。

新たなる支配者候補

・『時計技師、ルスコ』が強い
クルシアスほどではないものの既存のデッキである『グリクシスミッドレンジ』を大きく底上げしたことになったと感じるカードです。消耗戦に極端に強く、『時計を12個貯めること』が明確な勝利目的になりえます。1点ドレイン部分も影響は大きく、特にラクドスサクリファイスと赤単という攻めるデッキ2種に対してライフゲインできるのは大きいですね。
筆者はヒストリックブロールでずっとこのカードを愛用していたこともあり、使ってみたい候補に入っていました。


”天才”時計技師名乗っていいよ


・ラクドスサクリファイスも根強い人気がある
これもずっと存在するデッキですね。例によってクルシアスが強力な強化要素です。ただし、デッキパワー自体は今のアルケミーレベルでは平凡な方だと感じました。赤単の攻めに対抗しやすいという明確な立ち位置があるのと、『システムカードを並べておけばいい』とプレイが簡単に見えるのは特徴に感じます。


・打消しと全体除去で戦うような『古いコントロール』はほぼいない

アルケミーの強いカードが2~4マナのクリーチャーに偏っていることもあり、練習期間で感じた中ではそのようなデッキは存在せず、『ビートダウン』『コンボ』『ボードコントロール的ミッドレンジ』の3種しか存在しないと感じました。クルシアスやルスコが強いのもその点で、ミッドレンジミラーにおいて除去のみでは仕事を止めることができないカードだからですね。
実際赤単などが多いイベントではその傾向はさらに加速すると考え、『打消しのことは考えずとにかくパーマネントで盤面を制圧するデッキ』を意識しました。

・エスパーは下火
一時期は一食に染め上げる勢いのあるデッキでしたが、運命の占者がこっそり下方調整されて以降下火に感じます。ただし、ここは因果関係の理屈をはっきり感じていない部分でありちょっと不安な分析でした。


以上の要素と『BO1で7勝するイベント』形式を踏まえて以下のような傾向と対策を用意しました。

・赤単は大人気、ただし自分では使わない。
アルケミーというフォーマット自体の分析を含めています。お世辞にも大人気フォーマットとは言い難く、人口は少ないフォーマットです。筆者などはどの環境でも分析して解釈するのは好きですが、おそらく大多数のプレイヤーが『やらされる』と感じると思いました。アルケミーに限らずそのような特殊イベントでは圧倒的に赤単/白単などの『対話拒否して殴るだけでよく、勝っても負けても回転率の良いデッキ』が”効率的”であると考えられ多く選ばれがちなのがMTGAの特徴だと思います。実際弱いデッキではないですし先手の強さは文句がないですね。『アルケミーのためにWCを使うのが嫌だ』なプレイヤーも多くいるでしょうし。
しかしそれゆえに明確に周囲の意識の中心となっていることが予想できました。あらゆるカード選択を行う際に名が上がるでしょう。そのようなデッキを使うことは正直気が乗らなかったです。そもそも赤単で”効率的”に立ち回るのが好きではありませんし、意識が高いデッキに当たった時や1マナクリーチャーを引けずに負けたときなどでモチベーションが下がるのは回転率を考えてもかえって効率が悪くなると感じました。そのため、デッキ選択に影響するが使わないという結論です。

・クルシアスかルスコかジャーシルを使う
筆者が感じた時点ではまだ発展途上に感じたため名を挙げませんでしたがジャーシルも明確に強いカードです。クルシアスとジャーシルの『3マナ3/3システムクリーチャーコンビ』はほんとに強いですし、ルスコも同じくです。折角なら『アルケミーカード』をふんだんに使いたいしパワーカードで押しつぶす環境であると考えたためこれらのカードをできるだけうまく使うデッキを選ぼうと決めました。

・ラクドスサクリファイスは使わない
クルシアスを使うデッキですがはやばやと選択肢から外しました。『クルシアスを最強に使う選手権』でNo1にはなれないと思ったからです。デッキの強いカードとしてのみ入っており、『クルシアスで大型カードを確定サーチして素早く使う』の動きができないためです。デッキの立ち位置は悪くなく赤単に次ぐ、あるいはしのぐ人気があると思いましたが自分で目指すデッキではなかったです。

6-2:選んだデッキと戦績

そんな感じで競技が始まった後も悩んでいたらTwitterで以下のデッキが目に入ってきました。精力的なデッキ開発をすることで有名な『Crokeyz』氏が兄弟戦争アルケミー実装当初に作ったデッキですね。


ルスコのドロー能力に加え、帳簿裂きでもデッキを回転でき、頭目の神官で加えられた『パワー9』を連打する『映え』要素もあるデッキです。
ルスコが非常に強いデッキであると感じたためとりあえずこれでスタートすることにしました。赤単を意識して喉首狙いを2枚孤独な終わりに変更しています。
結果としては3-3と5-3(ツイッターに書きそびれた)でしたが、数字以上の敗北感を味わいました。

・呪文貫きが弱い
パーマネントでの制圧がメインだと思っていたのにこれ2枚入れてるのシンプルに弱かったです。
・切り崩しが弱い
弱いんじゃないかなと思って放置した結果本当に弱かった部分です。ミラーのルスコも帳簿裂きも処理ができず、赤単にすら『1T熊野』スタートされると無駄カードになりました。もう採用に耐えないカードなんじゃないかと思います。クルシアスにも触れないので、めっちゃ帳簿裂きで捨てました。
・断片整理が弱い
キャントリップ打ってるの弱いし、帳簿裂きや新たな知識の探求で捨てる際に『正体がわからない(キャントリップしてみるまで度のカードになるかわからない)』カードが手札にあるのは結果論的プレイミスを大きく招いて不愉快でした。
・頭目の神官が弱い
こいつなんやねん。
お互いの腐った切り崩しを全部吸ってデッキを弱くするだけのカードでした。二度と使わん。
・ルスコが強いんじゃなくて、ルスコが定着しないと話にならない。
手札が増える要素がないため帳簿裂きのルーティングも手札がやがてすり減るだけであり、そうなるとキャントリップばっか入っている分で普通にマナ効率的な力負けしやすかったです。ルスコへの依存度高すぎた。
と、『環境初期』に作られた故の欠点がいくつも残っており、大幅なアップデートが必要と感じました。少なくとも今回のイベントには間に合わないため没にします。

収穫はアリ、実際に赤単が多いこと、クルシアスが強いこと、呪文で戦うデッキはやはり少ないことが確認できました。

それを受けてやはりクルシアスを使うことを決めてデッキを探しました。
事前に山辺カフカさんからシェアしてもらった『ジャンドカフカSP』はクルシアスもジャーシルも入っており、意見交換の中で好感触ではあったのですがいくつか筆者としては違和感がありました。クルシアスでの上振れが少ないこと、そして攻め手が少なくじり貧になりやすく、特に赤単に対して勝つまでの時間が長く火力での止めを許してしまうことですね。
使いたいデッキの原型はこれと決めていましたが、類似デッキを探す旅に出ました。

旅はかなり早く終わります。記事上やプライベートでも親交のあるかーむさんが、イメージに近いデッキで予選を抜けていました。他配信者の配信を見ているときにも目に止まり気になっていたデッキですね。
クルシアスで産業のタイタンをサーチ⇒捨てて部品の組み立てでリアニメイトのコンボを組み込んだジャンドですね。部品の組み立てを始めとしたスペルを使いまわすためのジャーシルも入っており、タイタンでの素早い制圧も可能と、求めた条件をすべて満たしているように感じました。そのためとりあえずこれをコピーして手ごたえを確かめようとします。

残念ながら結果は『1-2で途中放棄』でした。明確な言語化はできませんでしたがデッキにいくつか違和感が残りベストではないと感じたためです。打消ししか入ってない青白にちゃこんにボコられて心が折れたとも言います。

使いたいデッキの原型は決まっていたので、それを基に探したところ以下のデッキリストが見つかりました。除去スロットから不愉快カードこと切り崩しが消え、ハンデス⇒ジャーシルの黄金パターンも採用されており、追加のドローで危険な反復が入り、更に4マナ以上が産業のタイタンのみになったことによりデッキのベストムーブの再現性が高くなった形ですね。


ベストデッキと感じました

1回目はまた同じ人の青白コンに当たってリベンジしたりもしましたが、1回目は5-3で手ごたえ自体はヨシ。2回目は当たり運にも恵まれ7-2での突破と無事なりました。


6-3:デッキ解説と振り返り

このデッキは『産業のタイタンを捨て部品の組み立てで蘇生』のコンボを含んだジャンドミッドレンジです。ミッドレンジなのですが、細かいコンボがデッキに多数仕組まれておりそれらを合わせて引いたときの出力を上げながら、豊富な手札交換カードと再利用カードによって成立を簡単にしているところが完成度が高く感じました。
以下にデッキの重要なポイント、及び気に入ったところを羅列していきます

・4マナ以上がタイタンのみ
最初のリストに最も違和感を感じていた部分です。ミンスクは強いカードですが、デッキのベストムーブではなく、また2枚も入っているせいでタイタンに辿り着くのが遅れ結果的に部品の組み立ても弱いカードになると感じました。このデッキはクルシアスで3マナのカードを捨てれば確定でタイタンが手に入ります。宝物分のマナもあり4ターン目に五マナを使い『血トークン+組立+組立の起動』というベストムーブが成立しやすく強かったです。
また、部品の組み立てによって付与される起動型能力は『永久』です。組立の効果でライブラリーに戻った後も残るわけですね。そのため起動後にまたクルシアスで抽出を行えば『1/4ですでに組み立て済みの大当たりタイタンが手に入る』というおまけがあり、現にそれで勝った試合が数回ありました。このデッキに限らず、クルシアスを扱うデッキはこのように4マナ以上を極端に絞り、シェオルドレッドなどの『妥当に強いカード』でもあきらめるべきと結論付けました。
絞ってあること+宝物を産むことによりゲームの中盤で『毎ターンタイタンをサーチしてプレイ』なんて言う勝ちパターンもありますしね。

・切り崩し⇒電圧のうねり
とにかく切り崩しじゃなければ何でもいい気分でした。電圧のうねりは、鏡割りとクルシアスから出る宝物で十分4点モードになり大変使いやすかったです。

・ジャーシルの芸の広さ
このカードは明確に強いですね。出したターンに仕事をしてくれるためテンポが非常にいいです。最初のデッキにはなかった強迫が入っていることで強迫⇒ジャーシルで相手の手札めちゃくちゃにしてそれだけで勝つこともできました。4マナで同時にプレイするのも強いですね。
更には部品の組み立てとも相性が良いです。粘り強くなりますし、部品の組み立てで呼び出したジャーシルは初期強度が1から始まるためまた部品の組み立てを拾ってゾンビを広げたりできるんですね。なんでジャーシルの効果で呪文追放しないんだろう・・・
他にも2マナも強く、ジャーシルでマウント取って勝つ展開は多かったです。

・ラクドスサクリファイスに強い
かなり負けないと思います。タイタン組み立てだけで明確に有利になりますし、連打モードに相手手出しできないですね。やっていて非常に安心するマッチアップに感じました。

・赤単にも五分以上
やはりタイタンのゲインが強いためです。あと熊野を割ったりとかもしますし。細かい除去や3/3で相手を消耗させたあと、速やかにタイタンで有利にできるので以前に感じていた火力で押し切られるプランは減りました。
ただし、赤単の切り札といえる衝撃的な悪戯はやはり怖いです。タイタンを出す際は必ずこれを意識してトークンやライフゲインを積極的に選び返し技で死なないようにしましょう。強迫でこれがハンデスできるため、前方確認も積極的にするべきですね。


警戒カード


・産業のタイタンが強い
いや本当に強い。盤面系デッキばかりになった&赤単が一定数いるの組み合わせによりすべてのモードが腐りません。下方修正を受けるほど強力だった部隊座のお祭り騒ぎや鏡割りを始めとしてエンチャントやアーティファクトも実は多用されています。タイタン+組み直しのコンボで繰り返しそこに介入できるのも強かったですね。


総合して、勝ちたい相手にちゃんと勝てるようになっていながら、雑多なデッキにも上振れ+タイタンの帰化能力で対応できるようになっており、今から挑む人にも是非お勧めしたい強いデッキだと感じました。ワイルドカードの消費量がやや多めなのはどうしようもないですね。

次点では原根プロが使っていた『魔女団』入りのラクドス系クルシアスデッキですね。このデッキと同じく『クルシアスでの上振れ』を意識していながらコンボが必要ない分上振れパワーでやや劣るもののデッキの自由度と安定感は高いと感じました。盤面で戦うデッキばかりという分析に対して『魔女団』が完ぺきな回答ともいえます。
後はやはりラクドスサクリファイスもクルシアスが使えるいいデッキですね。クルシアスで探す対象としてシェオルドレッドではなく『カイラの点火』を筆者だったら入れそうです。このカードは最初の『カフカちゃんSP』にも入っており、また実際にイベント中にも使われましたが非常に強力なカードに感じました。盤面を固めるのが得意なラクドスサクリファイスとの相性がいいんじゃないでしょうか。本体火力の追加にもなりますし。


呪文書が圧倒的に豪華な業火


青黒ルスコに関しては、今日中に何か画期的なアップデートされたバージョンが出てくるまでは一切お勧めできません。遺言です。
また、他のデッキを使う際にも除去枠は切り崩しから他のものに可能な限り切り替えるべきでしょう。赤単に利かなくなってるのが本当に致命的です。


以上で改めて第五、第六競技の思考結果でした。
あと1日しか賞味期限がない記事ですが、少しでも力になれたら幸いです。両方のフォーマットとも、今後もプレイする機会が皆さんありそうなのでその時にも是非役立ててほしいですね。


最後になりますが二つ宣伝です。
意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーを立ち上げています
もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!
リンクはこちら。

また、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。前回無事『新春CHAOSちゃんぴおんずカップ』を開催させていただきました。今後も大会企画をしてきますし、次は1/20,21,22『まじ☆すと ~じゅうさんかいめ~』を予定しています。是非応援いただけると幸いです。
MtGAstreamer_tournament/まじすと(@mtgastreamer)さん / Twitter
また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!

では第七競技と第八競技をクリアしたらまた書きます!

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