【ドラフト】『兄弟戦争大考察(序文)』
こんにちは、ぞんびです。
歴史の1ページが今開かれる!
季節が流れるのは早くて、いろいろと企画やイベントをしていたらいつの間にか新セット、『兄弟戦争(BRO)』が登場となります。マジックのセットとしてはおそらく初となる「過去の歴史」を見に行くエキスパンションとなりますね。かつてドミナリアで発生しその後の巨大な歴史の幕開けとなった”兄弟戦争”を再び歴史の当事者目線で見ていくエキスパンションとなっています。過去に知っていた出来事や人物の新たな一面などが次々とカード化された古いようで新しい、刺激的なエキスパンションとなっています。MTGおじの筆者としても知ってる名前やカードがどんどん出てきて非常に楽しめたプレビュー期間でした。
今回も『リミテッド大考察』シリーズとして、エキスパンション全体を踏まえたカード評価をやっていこうと思います。今回はカードが多いので全8記事になる予定ですね。末永くお付き合いください。
まず最初となるこの記事ではBRO全体の能力や特徴や気づいたこと、そのそれぞれの分析や考察をしていこうと思います。この記事シリーズの目的である、『環境分析』をする際のとっかかりを可能な限り並べようということですね。
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1:新規メカニズム『試作』
今回唯一の純粋に新登場のメカニズムです。兄弟戦争はウルザとミシュラだけでなく様々な工匠が登場し、いたる場面でアーティファクトが物語上重要な役目を担っていました。そのアーティファクト群に対して「未完成の状態でプレイする」という要素を足した能力です。
シンプルに考えて「2つのモードを選べるカード」つまり両面モード付呪文や分割カードのクリーチャー版といった感じですね。あるいはどれも軽くて小さい+重くて大きいという組み合わせになっているのでキッカーの一種だといっていいかもしれません。とにかく「色マナつき」の軽い状態と、無色マナの実の巨大なクリーチャーを選んで使えるカードですね。
ルール面としてはリミテッドではあまり複雑ではないですね。どちらのモードでもアーティファクトクリーチャーであることは変わらず、試作で唱えることを選んだら、スタック上と戦場にいる間カードに印刷されたマナコストとパワータフネスが完全に別の数字になると思えばいいです。ついでに色も変わりますね。
どれも素だと重く、試作を視野に入れずに使うのは正直難しいカードだといえます。そのため特別な理由がなかったり、素が軽めのカード以外はそれぞれ試作コストの色に属するカードと思っていいでしょう。その一方で試作のみでしか唱えれないとややサイズ/出力に不安も残ります。素でも唱えれるようなゲームレンジを想定しておく、リアニメイトするなどの活用方法はカードごとに考えて備えておく必要がありそうです。
遅めのゲームレンジ用のカードと軽いゲームレンジ用のカードが1枚で担保できるという能力は代々リミテッドでは使いやすく、能力としては優秀といえます。
素で唱えることを想定しやすくするためか緑が5枚と多く、青が4枚、白赤が3枚で黒が2枚となっています。トータルで17枚しかないカード群であり、しかもそのうち6枚がレア以上であるということで実際に出現する頻度及び環境に与える影響は控えめかなと思います。試作があることは意識しながらも、それに傾倒した評価にならないようにしたいと思いました。
2:再録メカニズム『蘇生』
アラーラの断片からの再登場となるメカニズムです。当時は「アンデッド」的な能力を表現するものとしてつけられていましたが、今回では「一度破壊された機械をまた発掘/動く」というイメージだと思われます。
これも試作と似ていてアーティファクトにのみついており、また1枚を除いてすべて蘇生に色マナが必要となっており、各色に属したカードだといえます。試作よりは、能力を無視したカードとしてみた場合でも問題なく運用できそうなカードが多いです。アーキタイプを越境しているカードなどは色を無視して採用し、例えばエネルギー屈折体のような自然に色マナを出す手段と合わせて「蘇生をタッチ」のような使い方がされるかもしれません。具体的には白いカードのように見えて、赤黒生け贄のキーパーツの可能性がある屑鉄造りの軍勢などですね。とはいえそのような一部のカードをのぞいたら蘇生なしではちょっと弱めのカードであることは気を付けましょう。
ミシュラ側の象徴となる能力だからか、赤が最も多く5枚割り当てられています。速攻の攻撃性が似合う色だからかもしれません。そう、蘇生は原則として攻撃的な能力ですね。一部の能力が目当てとなるカードを除いては速攻でアタックすることにいみがあります。幸いパワーが3以上あるカードが多く相手に安全なブロックは許しづらいと思います。相手ライフを全体的に攻撃する構造になっていればより長所が引き立つと思うのでそこは意識したいですね。
運用上のポイントとしては、起動型能力であるため蘇生を宣言した時点ではまだ墓地にあることですね。起動後に墓地追放などが間に合ってしまう為そのような能力のカード(パーマネントにいくつかあります)を相手に使われているときは気を付けましょう。また、漫然と蘇生するものではなくある程度タイミングを選ぶものであるため全体的に墓地追放が刺さりやすい能力でもありますね。
その一方で今回はいくつかのアーキタイプが墓地利用を行います。そのためか各色に切削コモンが配られていたりと蘇生を用意して運用すること自体のハードルは低そうなのがいいですね。
3:再録メカニズム『合体』
イニストラードから再登場した能力です。両面カードの一種であり、特定の組み合わせのカード2種を揃えたうえで特定の条件を満たすとその2枚が新たな1枚のカードへと合体する能力です。
初登場の時も組み合わせは3パターンしかなく、見かける頻度は少なかったです。合体をサポートする能力こそ持っていたもののそもそもプールに揃わなかったですね。そして今回もそれは変わらないどころか悪化してます。今回も3パターンしかないうえにそれぞれがレア+神話レアの組み合わせであるためそろえるのは現実的でないといえるでしょう。合体のことは無視して表面のみのカードとして評価しておけばリミテッドとしてはOKだと思います。
4:続投メカニズム『パワーストーン』
前回ドミナリアの団結で先行登場していた「パワーストーン・トークン」が正式参戦といった感じです。
改めの確認ですが「アーティファクトでない呪文を唱えるためには使えない」マナを生み出すマナアーティファクトですね。また、現状全てタップ状態で戦場に生成されます。今回はこれを生成するカードが一定数存在しています。
このマナの用途としてはつまり「アーティファクトを唱えるためのコスト」「起動型能力を払うためのコスト」の二種類がメインでしょう。他にもカードの効果によってマナの支払いを求められた場合なども問題なく使えます。また、アーティファクトトークンが戦場に出るため各種戦場に出たとき能力の誘発条件や生贄要員として使うことになるでしょう。
今回はすべての色が何らかの形でパワーストーンを活用しようと戦略に取り込んでいるように見えます。主に緑青は重めのアーティファクト群や起動型能力、赤黒は生贄、白は戦場に出たときがやや多いかなという感じです。試作や蘇生を持つアーティファクトの重さもパワーストーンを前提としているように思います。
その一方で生み出すのはあまり簡単ではないですね。生成する能力を持つカードそれぞれは質が高く自然にデッキに組み込めるものが多いですが抑々絶対数が少なめです。そのため、特に「パワーストーンを使って重めの呪文を唱える」という戦術はそういうアーキタイプとして意識的にパワーストーンカードを集めていかないと足りない、しかしちゃんと集めれば恩恵をしっかり受けれることになると思います。2個ほど序盤に出してそのマナを使うことができれば非常に大きいテンポスイングになるためですね。
5:ミスティカルアーカイブ:設計図カード
ストリクスヘイヴン以来のカード群ですね。特定のテーマに基づいて選ばれた「過去存在したカード群」が特別なイラストで収録されています。今回も、専用のカードスロットを1枠用意されていますね。そのためドラフト用のパックからは以下のようにカードが出ます
レア/神話レア:1枚
アンコモン:3枚
コモン:10枚
設計図カード:1枚(レアリティは大体1/3がレア/神話レア)
今回は過去存在したアーティファクトがかなり無節操に選ばれています。どれもスタンダードで使われた実績があるカードばかりですが、リミテッド向けでないカードも多い一方で当時のリミテッドでも大当たりとして名をはせていたカードもあります。すべて無色であり、”色が合わないから使えない”というアンラッキーが存在しないためストリクスヘイヴンの頃以上にカードパワーの上振れが起きるようになっているといえるでしょう。そのためアーティファクト除去や打消しの価値がいつもより上がっているように思います。特殊な戦術を可能にするカードも含まれており、1枚ずつ評価を吟味していきたいですね。
6:リミテッドアーキタイプ
いつもの通り、リミテッド環境を分析する上で必要な「デザインレベルで用意されている」アーキタイプについての分析です。今回は基本パターンの「2色の組み合わせそれぞれに一つ、合計10個」のパターンになりますね。それぞれ触れていきます。
白青:兵士
今回唯一の部族アーキタイプです。シンプルに兵士を持つクリーチャーに恩恵を与えるカード群がありますね。ロードとなるヨーティアの戦術家がめずらしく4/3/4という良スタッツを誇り非常に使いやすいです。兵士も青白にとどまらず各色に配置され、また今回は生成されるトークンも兵士であることが多く青白にこだわらずとも白の兵士支援カード+黒のようなデッキも組めるでしょう。兵士支援カードで飛空士の騎兵部隊は特に単体の強さも高く書くデッキに出張して使うために取り合いになりそうです。飛行を持つ/与えるカードも色の都合上多く青白フライヤー/テンポのような動きをするでしょう。今回のアーキタイプの中で最もマナカーブ通りきれいに殴れるビートダウンのポジションだと思います。
青黒:ターン中にカードを2枚引く
以前エルドレインにも存在したアーキタイプですね。当時と同じくそもそも1ターン中にカードを2枚引くことが難しいです。そもそもカードを自然に引くのは強い行為ですからね。2枚引くことにより恩恵を得るカードも枚数がかなり限られており、一部の強力なアンコモン/レアが取れた場合にだけ意識して狙うアーキタイプのように思います。
裏アーキタイプとしては2枚ドローがルーティングを兼ねていることをが多いことに注目しリアニメイト/墓地のクリーチャー枚数要素を取り入れた呪文系コントロールなどですね。今回は黒の除去も青の除去も、そして打消しも強いため実現可能なアーキタイプに思います。
黒赤:クリーチャー/アーティファクトの生贄
よくあるアーキタイプですね。生贄を行うカード、生贄により誘発するカード、生贄を用意するカードなどにより形成されるアーキタイプです。この色に多いメカニズムの蘇生が生贄要員として相性が良く、またパワーストーンにより生け贄も用意しやすいと一見好条件のアーキタイプです。しかし実際には生贄に捧げるカードとささげたいカードがちぐはぐになりがちだったり、結局生け贄を要求するカードが少なくてまとまりづらいように見えます。廃品置場の天才が取れたときにギックスの潜入者とペンレゴンの剛牛をかき集めて無理やりデッキにするのかな?といった形ですね。他の色の蘇生に相性がいいものが多いため、生贄コストも兼ねてプリズムの屈折体を取り、色の合わない蘇生を運用するようなテクニックが必要そうです。
また、「クリーチャー化アーティファクトを生贄に捧げる」と書いてあるカードですがそもそも”クリーチャーでないアーティファクト”はデッキに自然に採用できるカードがやや少なく、ほとんどの場合で”クリーチャーかパワーストーンを生贄”と読み替えて評価するべきだと思っています。設計図カードにはいくつか生贄用のカードがあるのが救いですね。
赤緑:???????
いや全くわかりません。正直決まった方向性がないように感じます。しいて言えば「攻撃性」だと思いますが過去に存在したアーキタイプの中でも圧倒的に不透明に思います。正直何かを見出すことは難しく、必然中速以降のカードパワーに頼ったミッドレンジになりそうです。ただし今回は赤がやや弱めです。採掘爆発が取れた場合にパワーストーンランプの道を進むといったような形になるんじゃないでしょうか?
緑白:アーティファクトが戦場に出たとき
だと思います。ちょっと自信がない。多色アンコモンであるヨーティアの造反者はサイクルの中で圧倒的に強く使いやすくそれをきっかけにシフトすることも多いアーキタイプなんじゃないでしょうか。
また、この色で最も出しやすいアーティファクトはパワーストーンである可能性があります。そのためランプデッキの側面も持っているといっていいでしょう。どの程度ランプとミッドレンジの割り振りを行うかはセンスが出そう。
白黒:マナ総量が3以下のカード(の蘇生)
見た目がかなりトリッキーなアーキタイプなのですがとにかく多色カードの砂丘の英雄が強力であること、そしてその他のサポートカードおよびサポート対象も自然に採用できるカードが多いため結果として頻発するアーキタイプになるんじゃないでしょうか?
黒い除去+白いクリーチャー、墓地利用+生け贄要素、兵士部族カードの再利用など他のアーキタイプの越境できる要素を組み合わせることも自在の色であり、手広くピックしイマジネーションのあるデッキ構築が勝率に影響しそうです。
その一環として、アンコモンに2種存在する5マナリアニメイトを使ったリアニメイトデッキなども筆者としてはやってみたいですね。書いておきます。
黒緑:墓地のクリーチャーカードの数
そのような参照方法をするカードが数枚ある、ラヴニカのゴルガリのようなアーキタイプですね。ゴルガリの時は正直あまり強いアーキタイプではなかったです。墓地をためる方法が全然なかったためですね。しかし今回はコモンに切削クリーチャーサイクルがいるためある程度楽であるように見えます。それらのクリーチャーは墓地に落ちたカードに意味を作れないとやや使いづらいように思いますが、自然にその意味を提供できて最も扱いやすいアーキタイプになっているといえますね。ギックスの頭蓋剝ぎを速やかに育てつつ節くれ根の棺担ぎでフィニッシュできる速度感を目指したいですね。
緑青:アーティファクトビッグマナ
ほぼパワーストーンですね。最もパワーストーンを自然にかつ多く用意できるアーキタイプです。試作クリーチャーが多い色でもありパワーストーンの扱いも柔軟にできるでしょう。大ぶりな起動型能力を持つクリーチャーが用意されていることもありマナフラッドには間違いなく強い色でしょう。ただ一歩間違えると無限に10マナのカードを手札に抱えることにもなりかねません。ちゃんとパワーストーン作るカードを優先してとっていこうね。
青赤:クリーチャーでない呪文を唱える
これも青赤には頻繁に用意されるアーキタイプですね。直前のドミナリアの団結も実質同じアーキタイプでした。しかしだいぶ事情が変わっています。あれほどあったキャントリップ呪文は大きく目減りし、コモン群でこの恩恵を受けてゲームメイクできるカードもないためアーキタイプとしての成立が難しくなっています。多色アンコモンは強いものの、トークンを作った後に押し込む方法などに欠け、それだけで勝てるかどうかがいまいちわかりません。裏アーキタイプも今のところ見つからずハイブリッドなども思いつかないためちょっと自信がないアーキタイプですね。
赤白:クリーチャーが戦場に出る?
とは言いましたが実はこの条件を持つカードは1枚しかありません。実質は赤緑と同じようにほぼ決まったアーキタイプの形がなく「クリーチャーを並べて殴る」というアーキタイプでしょう。
今回は英雄的突撃もケルドの急襲隊もなく、連合の戦暴者もありません。正直ざっくりとした殴り方をしていても勝てる色に仕上がってるといいづらいです。幸い兵士が赤側のコモンにも揃っていることに注目し兵士+赤という形で組んだり、生贄アーキタイプの変形としてペンレゴンの剛牛+兵士トークンなどといった形になるのでしょうか?コンバットトリックも赤白はやや弱いものの白が除去もクリーチャーも強いため白から始まって、色争いに負けたときに赤で補うといった形になりそうです。
7:各気づきポイント
ここからは、恒例の『カードプール全体を俯瞰してみて、いろいろと攻略の上で気づいたポイント』に触れていこうと思います。細かいものから大きいものまで混在していますがお付き合いください。
・除去の強さ指標
白は解呪を抱えており、平和な心もレンジストライクもある程度優秀です。黒も3枚のコモン除去全てが平均点を超えているといっていいでしょう。緑もアーティファクト破壊自体はかなり重いものの格闘除去が歴代でも優秀なの方であり助かります。青もそこまで悪くないですね。赤だけなぜかすごい弱いです。なんでだ。
そして赤の弱さ=インスタント除去のなさなのですが、それが全体に影響しています。インスタント除去が全体的にやや少ないですね。アーティファクトでないクリーチャーにコンバットトリックを打つ動きはなかなか阻害されないのではないでしょうか?意識しておきたいです。
・クリーチャーのサイズ感
実はすごい小さいと思います。試作持ちのせいか、各色に4~5マナの中堅ファッティが欠けがちです。赤の4マナファッティがやや弱かったり、緑も5マナパワー5のコモンがいなかったり、通常の環境では存在していた枠のカードが少ないように感じます。一方で試作持ちが素で唱えられるようになる6マナ以上は急にカードサイズが増しますね。この4~5マナ域のクリーチャーサイズの戦いをどうするかはすべてのデッキの課題になるのかなと思います。2マナパワー3がブロッカーとしてしばらく使えそうだったり、逆にサイズアップを簡単にできるカードの評価が上がったりですね。
・アーキタイプの概念薄そう
アーキタイプの説明のところからはみ出してここに書きますが、それぞれのアーキタイプのうち「アーキタイプとしての恩恵を受けるカード」が少ないように感じます。赤緑と赤白が希薄であったり、生贄要員や2ドローボーナスなども見るからに少ないですね。そのためアーキタイプに過剰に反応するデッキを作るというよりはまずは色自体の特徴や強いカードを軸にピックするべきだと思います。また、アーキタイプの概念が薄い一方で「アーティファクト」「戦場に出すこと」「墓地」当たりの要素が緩く蔓延して越境しているように感じます。そのため例えば屑鉄造りの軍勢のようなすさまじい越境性(色すらも乗り越えている)を持つカードがちらほら見えますね。このカードはこのアーキタイプ用、と決めたりするのではなく柔軟に越境性を捕えてデッキを組むべきだと思います。
・パワーストーンの扱い大事
これもアーキタイプのところでも触れましたが、今回はパワーストーンがかなり大事だと思います。
まず、パワーストーンを出すカード自体は決して多くありません。その一方でその活用の幅はとても広くほぼすべての色/アーキタイプにまたがっているように感じます。
自分がやろうとしているデッキがどれほどパワーストーンを必要としそうなのか、依存しているのかはあらかじめ指針を立てておき、それこそ2色ランドに対する扱いのように早めに集めてからあとでパワーストーンの使い道をピックするくらいでもいいのかもしれません。パワーストーンを作るカードが殆ど強く、マナを使うカードは多いことから成り立つやり方ですね。
・環境はおそらく遅い
コモンに、ゲームを速やかに決定づけれそうなビートダウン力があるカードがいまいち見つかりませんでした。そのためお互いアタックを止め消耗しやすく必然ゲームが遅くなりがちなんじゃないかと思います。
その一方で後半余ったマナを使う方法はどの色にもまんべんなく用意されているように感じます。試作も蘇生も起動型能力もそうですね。そのため例えば相手だけ一方的に6マナ、7マナのカードを連打できる時間などが発生するとゲームが急転直下的に負けてしまうかもしれません。もしかしたら土地18が正当化されるかもしれないレベルに感じます。土地の枠でマナフラをうけてくれるトカシアの採掘場はこの思想でいうとかなりの重要カードですね。
・ガイアの贈り物超強そう
これは自省も兼ねて書き記しておきます。ドミナリアの団結では盾構えがすさまじい存在感を発揮していました。そしてこのカードは絆魂を失った代わりに呪禁という盾構えが唯一穴となっていた部分をカバーする能力を手に入れました。ほとんどの場合で上位互換といっていいレベルだと思います。盾構え以上の存在感を発揮しそうであり、環境初日から常に頭に入れておくべきコンバットトリックだと思います。
・コモン切削サイクルをうまく扱いたい
今回コモンに各色1枚存在するサイクルです。それぞれ平均以下のサイズを持っていますが共通で「戦場に出たときカードを3枚切削し、条件を満たすカードをその中から1枚手札に加える。あるいは加えずにカウンターを自身に乗せる」サイクルとなります。
平均サイズは小さいものの、カウンターを乗せることを選んだ場合はどれも水準レベルあるいはちょっと上になるのが特徴ですね。そして手札に加えれた場合も強めの1ドローをしていると思えば合格点であるカードが殆どです。
しかし漫然と使ってもあまり強くなさそうだとも思います。手札に加えなかった場合が特にそうですね。水準と同じくらい+切削をするカードになるということは、逆に言えば切削をする意味がないデッキ構築であった場合水準を下回るカードになるということです。
具体的には青は本体のスペックが水準を下回りがちであることに加えて手札に加える条件がやや厳しい+切削の意味が生まれづらい色となっています。採用する場合には黒や白と組み合わせてリアニメイトしたり、コントロールデッキの疑似ドローとして使うなど強い意識は必要そうです。他の色も加えるカードが弱くなりやすい緑などはしっかりと墓地活用とセットで使うなど意識しておきたいですね。それぞれの特徴をしっかりつかんでおきたいです。
以上で、序文パートは終わりとなります。この後は順次各色のパート+設計図カードを執筆していきますね。正式リリースまで約一週間ほどあります。是非お読みいただきながらお待ちください。
最後になりますが二つ宣伝です。
意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーを立ち上げました。
もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!
また、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。前回無事『まじ☆すと ~じゅうにかいめ~』を開催させていただきました。今後も大会企画をしてきますし、直近では11/24にMtGクイズ企画も現在準備中です。是非応援いただけると幸いです。
MtGAstreamer_tournament/まじすと(@mtgastreamer)さん / Twitter
また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!
では、次の記事でお会いしましょう。