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【ブロール解説】特殊犯罪対策本部 指名手配徹底解説
こんにちはぞんびです。今回は半ばライフワークとなっている趣味、MTGAの『ブロール』というフォーマットについての記事となります。
ブロールというフォーマットは『1枚の統率者と100枚のハイランダーデッキ』という構成により再現性が低く、特に特定のカードを必要とするコンボデッキは組みにくいという印象を持たれています。しかしその中でも『統率者1枚は固定で使える』『MtGA実装済みカードほぼ全部という莫大なカードプールと高いカードパワー』によってデッキ全体をコンボに向けてチューンし強さも再現性も確保したデッキが存在します。その中でも特に知らないとコンボギミック自体が分からない、止めどころが分からない、マリガン判断時点で知っておくが必要というようなデッキたちを『特殊犯罪』と名付けて自分の整理も兼ねて紹介しようと思います。
ちょっと記事のキャッチーさを意識して刺激的な名前を付けました。不愉快なデッキとかではなく、基準としては強い/弱いとか良い/悪いではなく『デッキ全体が極端な歪み/縛りで組まれている』『故に特殊なコンボ/動きが成立する』ものを軸に紹介しています。『犯罪みたいな特殊な動き』ですね。『この統率者とこのカードで2枚コンボになる』というだけのものはよほど再現性が高く警戒が必要なものを除いて省いています。その分で『今はまだだが指名手配になりうるスペックがある』『デッキ全体で特化してくる可能性があるコンボ』については追加で書いています。
また、遭遇/研究したことのあるデッキを記憶便りで触れているため見落としがある可能性があります。もし読者の皆さんで『こんな特殊デッキありましたよ』というものがありましたら是非教えていただきたいです。
それでは早速紹介していきましょう。順番は深い意味なく書きやすい順です。
1.波の巨人、クルシアス 『カルデラシュート』
この記事を書くきっかけにもなった、最も特殊なデッキの一つです。筆者もかつて最適構成を研究したことがあるデッキですね。ギミックが非常にシンプルなので最適考えやすいデッキです。まずは基本的なデッキリストと、キーになるカードを紹介しましょう
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1-1.概要
統率者である『波の巨人クルシアス』のほぼ1枚コンボとなるデッキです。クルシアスはターン終了時に手札を1枚捨てることで『それよりコストが低い/高いカード』をサーチすることができるカードですね。捨てるカードの選択やデッキ構築時点でマナコストを偏らせたり絞ったりすることでサーチ先を確定させるのはアルケミーでも使われていたテクニックですね。
このデッキはさらにそれを極端にしたものでデッキの中に呪文が2枚しか入っていません。これによって『土地を捨てて”高い”を選択することを2ターン行う』ことで確定でその2枚が手に入ります。で、その2枚を使って人が死ぬコンボを行ってくるということですね。
そのコンボとして現在選ばれているのが『カルデラシュート』です。これもアルケミーのデジタル専用カードである『カルデラの破壊者』を利用したコンボです。このカードは戦場に出たときにデッキの山をすべて追放し、それに応じた火力除去を行います。そしてカルデラの破壊者が死亡した時にその山をすべて(可能ならアンタップ状態で)戦場に戻しX火力をデッキに4枚仕込みます。この能力は相手にクリーチャー/PWがいなくても山を追放することができますね。
山をすべて追放した後に村の儀式で生贄にすることによって死亡誘発が条件を満たし、村の儀式でのドロー前に山が戦場に出てライブラリーにX火力が混ざります。そして村の儀式で今混ぜたX火力を引けば戻ってきたアンタップの山を使ってX火力をプレイヤーに打ち込み勝利というわけです。
どうせ他に呪文を一切入れれないので土地もほぼ全て山にしてあります。2色土地も山のタイプを持つもののみですね。山以外であるフェッチも2枚しか入っていないのでカルデラを生贄にした時点でライブラリーは7枚(うち4枚がX火力)で、さらに諜報ランドでの諜報もそのタイミングで行えるため合計3枚カードが見れます。ほぼ必ず引けますね。
クルシアスを2回出すだけでコンボが完成し、他のカードを一切要求しないためマリガンもし放題です。黒マナを探してのマリガンを繰り返し先手なら手札3枚、後手なら2枚のこればコンボ成立ですね(もっと減らしてもキルターンが遅くなるだけで成立はする)。自分側だけで見れば再現性が非常に高いデッキだといえます。
1-2.見分け方
クルシアス自体強めの統率者だったんですが今では他にも優秀なラクドスカラーの統率者候補がそろってきたためか、今では普通のクルシアスを見ることはほとんどない気がします。筆者は見てないです。そのためマリガン時点で相手がクルシアスだったらこのコンボだという想定で動いています。
また、そこで決断ができない場合は以下の基準で判断しています。
A:マリガン回数が極端に多い&早い
上述した通り黒マナ引くだけでいいのでマリガン回数が多くなりやすいですし判断も早くなりやすいです。3回位ささっとマリガンしてきたらこのコンボ認定でいいと思います。
B:セットランドで山を多く置いてきた/弱い特殊土地を置いてきた
現在では普通のデッキなら使える2色土地は結構な枚数があります。このデッキに仕方なく入っている地熱の沼/硫黄のぬかるみはほとんどの場合使われないでしょう。泥濘の峡谷も怪しい。これらの土地を置いてきたり、3Tまでに山を複数おいてくるようなことがあればこのデッキだと思っていいと思います。
1-3.対策
とにかく妨害に弱く、またそのタイミングも多いデッキです。
ハンデス/打消しでカルデラの破壊者を消されたら100負けますし、そのタイミングも非常にわかりやすいです。クルシアスでサーチするの見てから打ったり構えればいいので。能力の打消しも当然刺さります。
クリーチャー除去も致命的です。クルシアスではなくカルデラの破壊者が出た後、その山を追放する能力を解決する前に除去を撃たれてしまうと山が戻ってこないためですね。能力を失わせる系のカードもここで間に合います。
クルシアスを除去する場合は「3T目に出てきたとき、ターン終了ステップになる前」のみにしましょう。その場合も除去2枚持っているあるいはその除去がカルデラを除去れないタイプのものである場合でのみやればいいです。クルシアスに1回サーチを許した後だと宝物を使ってまたすぐクルシアスが出てきて結局2回サーチができてしまいあまり相手の速度が落ちませんね。サーチ前に打つと最速7Tになるのでめちゃくちゃ遅くなります。
また『墓地に置かれる代わりに追放する』タイプの墓地追放も刺さります。死亡しなくなっちゃうため。安らかな眠りなどですね。
このようにカルデラシュートだと判断さえできてしまえば刺さる対策の種類は多く、タイミングもゆるめですね。確定サーチ系のデッキの中でも特に極端な構成にせざるを得なく、他のプランや対策の対策もできないです。
1-4.発展の余地、亜種
既に触れた通りこのデッキ自体の発展はほぼ頭打ちです。『デッキにクルシアスのサーチを邪魔する呪文を入れてはいけない』『山以外の土地を入れてはいけない』の二重の、しかも強い縛りによって今以上にカードを入れれることはないと言っていいです。せいぜい『基本土地タイプを持つ2色土地が増えるといいね』程度ですね。実際諜報土地はかなりの強化でした。
しかし実はこのデッキの構造をよく見ると『クルシアスのサーチ』で『カルデラシュートというコンボを持ってきている』だけであって、それぞれが別にたがいを必要としてないんですよね。
そのため『ラクドスカラーで使えるより強い2枚コンボ』が出てきたらそちらを搭載したクルシアスになると思います。これより止めどころが少ないコンボだとよりベターですね。今のところは存在していませんしその萌芽もないと思います。ただ、コンボ強度を落として「3マナ以上はカルデラだけだから3マナ捨てたらカルデラが必ず手に入る。それ以外は3マナ以下のアグロっぽくする」みたいなデッキとかはありえそうですね。
『カルデラシュート』側は実は独立して発展の余地があります。サーチさえできれば別にクルシアスの必要はないので。
現在筆者が見たことあるのはデッキにクリーチャーをカルデラのみにして、『異形化』などのカードで統率者/トークンを追放して確定で出す形ですね。現在それらのカードをサーチする適合した統率者はいないはずなので軽量だったりマナ加速だったりアドバンテージを稼ぐ統率者が選ばれると思います。筆者はカレインとプロスパーで見たことがありますね。赤単になるため即生け贄はしづらくなりますが統率者ルーカ+トークンということもできますね。即死を意識しないのであれば”山が20枚程度追放されて出てきたら十分強い”という理由でデッキ構成や土地基盤がかなり自由になります。現在定着はしてないと思いますがいずれより適した統率者が出てきたときに警戒対象になる可能性があると思います。この『カルデラシュート』の部分はほんとカルデラの破壊者だけでいいのでサブプランとしていろんなデッキに搭載しうるかなと思いますね。その場合は読みづらいんでかなり厄介ですね。
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2.初祖スリヴァーの『怪物渦』
2-1.概要
続唱というシンプルに強い能力を持ち、実際に強めの統率者と言われている初祖スリヴァーですが、『歪んだコンボデッキ』の形をとることもできます。続唱によって狙いのカードを確定で探し当てる活用法ですね。
このデッキは『怪物渦』を確定で探し当てることを目的としています。
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このカード自体がほぼ『1枚コンボ』と言えるカードですね。特定のマナコストを自分で設定し、そのマナコストのカードを『パワー5のクリーチャー』のみ、それ未満のコストのカードを入れないという縛りにすればどれか1枚でもプレイした時に連鎖が続き全部唱えれるわけですね。最終的にクリーチャー全体に速攻をつける「血の炎、ガルナ」だったりいつもの峰の恐怖だったり、わずかな事故のリスクをはらみますが追加ターンを入れて勝ちますね。
このようにそもそも初祖スリヴァーと関係するわけではなく、独立したコンボデッキなのですがこの怪物渦のための縛りと続唱の縛りがほぼ共通であるため「デッキの中に4マナ以下のカードは怪物渦のみ」「マナコストが5でパワー5以上のクリーチャーを必要十分数詰め込む」とすることで必ず初祖スリヴァーで怪物渦を探し出し、そのまま次のターンにパワー5以上のクリーチャーを唱えることでコンボ成立となりますね。1枚コンボですし、唱えるクリーチャーは何でもいいのでコンボ成立の安定度はこの記事で紹介する中でもトップクラスだといえます。
5マナ以上のカードしか入れれない縛りがありますが、例によって出来事だったり魂力なので3マナ以下で打てるマナ加速などを数枚入れれます。基本的にはマリガンはそれらを数回探すことになりますね。
2-2.見分け方
既に述べた通り初祖スリヴァーは「普通の形」のデッキも十分強く全体ではそちらの割合が多いです。強いが故に無理に見分けるつもりで断定して動くことにはリスクが生じますね。
3マナ以下のカードを使われた時点で怪物渦コンボの選択肢は消える一方で、「怪物渦である」と確定するのは実際初祖スリヴァーをプレイされるまでなかなかないです。手札を見れるタイプのハンデスでみて、低マナコストが無かったり普通はいらないような5マナパワー5以上のクリーチャーがいたら断定してもいいかもしれません。そもそも初祖スリヴァー相手はハンデスキープしたくなりますしね。
ただそもそもの話1~4マナまで何もしてこない初祖スリヴァー相手には「それまでに殴り倒す」「打消しか置物破壊を抱えておく」のどちらかが自然にできないようならそもそも初祖スリヴァーと戦うレベル帯で厳しいデッキかなと思います。中位帯よりは上の方にいるので。
また、稀に「巨智、ケルーガ」を相棒にしたタイプのこの怪物渦コンボがいますがその場合は相手にケルーガ提示された時点でこのコンボと断定していいでしょう。更に、「普通の初祖スリヴァーには到底入らなさそうな、正直場違いに感じる出来事などの5マナ以上カード」を見た場合もこのデッキだと断定できます。逆にこのコンボを使う側は少しでも見分けられないためにもそれらのカードを使う/採用することはそもそもやめた方がいいと思います。ケルーガを相棒指定しても手札に加えてプレイすることはあり得ないと断言できます正直。
2-3.対策
対策はまず打消しか置物破壊で怪物渦を処理するのが簡単です。その後相手は5マナ以上のカードを使うことはできますが、大振りすぎますし「パワー5で5マナのカード」という縛りのために方向性がバラバラだったり弱めのカードも入ってます。普通にやればそのあと勝てるでしょう。
相手のフィニッシュ手段は多岐にわたることが多いので怪物渦が機能した後に耐えて処理するのはちょっと難しいですね。テフェリーの防御や一つの指輪といった「次の自分のターンまで」守るタイプのカードは追加ターンをされたとしても大丈夫です。そのあとの告別などで怪物渦ごと流すのは有効でしょう。
怪物渦の後に唱えるカードはほんとに何でもいいのでもみ消しなどで1回怪物渦を消したり、ハンデスは根本的な解決にはなりません。気を付けましょう。初祖スリヴァーの続唱を打ち消すのは有効ですが。
しかしそもそもこのデッキは「5マナのカードを2回唱える」構造でありさらに4マナ以下のアクションが極めて少ないです。そのため5マナまでカカシで、5マナで初祖スリヴァーを唱えてもそのターン中は「クリーチャーが1体出ただけ」となります。今のブロールの一般的なデッキであればビートダウン系だったら殴って勝てるでしょうしコントロール系なら打消しや置物破壊の1枚入手していておかしくないです。つまり変に意識せず「普通に動いていれば勝てる」ことが多いのかなと思いました。もちろん、相手が途中で怪物渦だと感づいたらそれ用のカードを構えておけばほぼ勝ちだともいえます。デッキ構築の縛りがかなり厳しく、コンボを防ぐことに注力されたら乗り越えるのはかなり難しいデッキですね。
2-4.発展の余地、亜種
筆者目線の話で言えばそもそもこのデッキが「発展していった先」だと感じています。「怪物渦コンボ」側がまずその動きを安定させる統率者を探していました。土地加速を内蔵しているケランとかがありますね。怪物渦を探すためには「隠された瀑布/生育場」の発見を行う土地を使いますね。ただこれも実質6マナ起動→5マナクリーチャーを唱えるになるのでケランで2回マナ加速してもあんまり速度が変わらない上に怪物渦の入手が結局安定しないので完成という感じはなかったです。
初祖スリヴァー側も「確定続唱ガチャ」を利用して戦うデッキが模索されていた時期があります。ティボルトの計略と耕作する巨躯のみにして耕作する巨躯の能力で土地を出す→引くを繰り返し門などで勝つデッキがありました。しかしこれも非常に縛りが厳しくマナ加速するカードも1枚も入れれないため発展がどん詰まりでした。
この二つのデッキが出会ってマリアージュしたのが「初祖スリヴァー型怪物渦」だと思います。そのためもし怪物渦以上に有用な確定ガチャ先が見つかったり、怪物渦側から見てより動きが強い統率者が見つかったらまた離婚ということになるんじゃないでしょうか。今のところかなり高いハードルだとは思いますが。
3.ラエリア発見コンボ
3-1.概要
筆者が実際に目撃したことはないんですが実装後から話題にはなったコンボデッキですね。
これも『デッキの中を制限して確定ガチャをする』デッキタイプなんですが他のデッキと違って『当たりを引く』ことが目的ではなく『ガチャをすること』自体が目的なのがちょっとプレイ感覚変わって面白いですね。
コンボの要素としては『ラエリアが戦場にいる状態』で『ライブラリーにマナコスト3以下がない状態』でエターリの好意を出して発見3を行うことですね。
ライブラリーに当たりが無いのでライブラリーを一度全部追放してから戻すことになるのですがこの時『1枚ずつ追放している』判定になります。マナコストを一々チェックするからですね。そのためラエリアの『1枚追放されるたびに大きくなる』が追放された枚数=ライブラリーの枚数分誘発することになります。結果として90/90くらいの速攻トランプルが出来上がり、殴って勝ちになるということですね。
デッキの構成はエターリの好意を入れて3マナ以下のカードを入れない以外は自由です。4マナ以上のカードの中でも部屋などのマナコスト詐欺のカード、出来事や代替コストや軽減もちなど軽く唱えれるカードなどを積極的に採用しておきたいですね。
1枚コンボだといえますが、エターリの好意を引く必要があるので実際の成立ハードルはやや高めです。また、3マナ以下のカードが使えない状態で6マナのコンボなのも厳しめですね。3マナ以下で唱えれるカードがある程度あるとはいえ取り回しがいいカードはそこまで多いわけではないので安定性はそこまでないなという感じです。
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3-2.見分け方
マリガン時点で見分けることは難しいですね。ラエリアは普通のラエリアも多くまた強く、発見コンボの方が少数と思われるため無理に断定するのも危険でしょう。
ラエリアという統率者と色の特性上普通のデッキだったら1~2T目に何か呪文を唱えることが殆どだと思うので相手がそういうことをしてこないあるいは出来事などの『額面上4マナ以上』のカードしか使ってこなかった+マリガン多かったなどがあったらちょっと警戒してもいいです。
が、対策のところでも書きますがそもそも見分ける必要がない、と思っています。
3-3.対策
コンボの要素は『3マナの統率者を出して3マナのオーラをつけて殴る』なので普通に除去で止まります。発見は続き唱えると違って『戦場に出ないといけない』ので打消しでも対応できますね。
さらにデッキの構成上3マナ以下のマナ加速などもごく少数しか入れられないのでラエリア出したそのターンにコンボまで行くのは難しく、ソーサリー除去も間に合うことが多いんじゃないでしょうか。
そしてラエリア相手は普通にインスタント除去をキープするべき相手だと思うので、特にこのコンボを意識しなくても『普通のラエリア用のプラン』を立てて動けば自然とコンボへの対策になってると思います。見分ける必要がないと先に宣言した理由ですね。
ただし、そもそもラエリアが良いカードです。アグロムーブの後4Tラエリア+めくった土地をセットとかの動きでじわじわ差がついて押し切られることも多い統率者ですね。コンボを防ぐことに気を使いすぎると逆に相手のペースになることもあるかも。
3-4.発展の余地、亜種
発見や続唱はかなり慎重にデザインされそうな能力で今後『2枚目のエターリの恩寵』と呼べるコンボパーツが増えることはほぼないんじゃないでしょうか。そのためコンボ自体の強度はなかなか高まらないんじゃないでしょうか。色の都合上コンボパーツのサーチも難しいのでやはりコンボデッキとしての完成度はなかなか上がらなさそうです。
一方で『額面上4マナ以上』のカードは今後もちょこちょこ増えるのかな、と思います。そこの部分での強化はされる可能性がありますね。
ラエリアコンボをサブプランとして置いて4マナ以上のカードメインのミッドレンジデッキ、としては練度あがったリストを誰か今後研究公開してもおかしくないですね。
その他のデッキにこのコンボを入れて亜種にしたりすることは無理だと思います。コンボの制限があまりにもキツイです。
デッキの発展としてはクルシアスなどと違ってガチャの当たりを引いてしまうことは一応問題ないので数枚程度3マナ以下のカードを入れちゃうのもありかもしれません。ギャンブルとかのサーチカードやラガバンなどのシンプル強いカードですね。
改めて、今後のカードプールの増加あるいは研究の開始で完成度高いデッキになってもおかしくないと思っています。
4.願いの頂点、イルーナ
4-1.概要
これも「確定ガチャ」系のデッキです。
イルーナがそもそもガチャの権化みたいな能力をしていますね。変容することでライブラリーからランダムなパーマネントカードを戦場に出します。パーマネント全般がガチャ対象になるので「確定ガチャ」にするにはクリーチャーを入れられなくなるという縛りがかかり、一見変容できなくなりますが実際にはトークンを生成するカードで変容元を用意できるので問題ないですね。
特に今はインスタントタイミングでクリーチャートークンを用意するカードがじわじわ増えてきているので隙を見せると「エンドにトークン→自ターンで変容」の動きがすぐ飛んできて緊張感のあるデッキといえますね。
基本的には全知を引きずり出してそっから色々やって勝ちます。ですがめくった他のカードが全部追放されちゃう関係で勝ちきれなかったり、全知を置いた後の動きが足りなかったりみたいなことはありますね。ガチャを引くまでは比較的簡単で、その後が難易度があるデッキかなという感じです。
亜種の話にちょっと派生してしまいますがガチャの当たりを複数用意しておいてもっと汎用的に戦うパターンもありますね。船砕きとか多元宇宙とともに、各種エルドラージのようなカードが採用されやすいです。
デッキ全体をインスタントソーサリーでマナ加速/ドロー/コントロールを行うデッキになりますが、それがある程度以上得意なカラーの組み合わせに今はなっているのでデッキ構造の強度は高いほうだと思います。他の確定ガチャデッキと違ってマナコストによる縛りが無いので弱いターンもありませんし。とにかく中盤から「タップアウトしたら死ぬかも」という圧がかかり続けるのが強みですね。
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4-2.見分け方
見分け方というかイルーナを見かけたらまず「ガチャ型」を警戒していいと思います。自然と発想もしやすいですしデッキも組みやすいのでそれが最大手でしょう。
そうじゃない、普通に変容を多くした変容デッキや、色を活かしたクロックパーミッションタイプも見かけはいsますがやはり全体のシェアではガチャ型が圧倒的に多いと思います。マリガン時点ではまずそれを意識していいでしょう。
4-3.対策
5マナで解決しなくてはいけないソーサリータイミングの行動なのでそこに介入するのが基本的には一番早いです。打消しでもいいですし変容先を除去してしまえば「6/6飛行トランプル」が残るだけで済みます。一昔前まではそこまで脅威ともいえませんでしたが今はフェッチとかで結構ライフが減るので放置あんまりよくないかも。
ターンエンドに作られたトークンを変容前に除去するのはケースバイケースですね。結局その後相手が仕掛けるマナが残ってしまいますしトークン生成カードも多いのでキリがないことが多いです。このタイミングで相手の場にクリーチャーがいなければ次殴って勝ち、のようなタイミング以外では変容のマナを支払わせてからの方がいいでしょう。
また、全知ガチャ型では全知を着地させて呪文を唱え始めたタイミングですぐに全知を破壊すれば助かる可能性もあります。除去引けてなかったときの最低限として構えておきたいですが、船砕きなどのタイプの場合は普通に裏目になるので、基本的には頼りにしたくない対策ですね。
アドバンテージを稼ぐ呪文が豊富であることが多いのでゲームが長引くのも基本的には不利になりえます。場合によってはフルタップでオールインしてキルターンを詰めることが対策につながることも多いですね。ここまでに紹介したデッキより「普通に戦う」ことができることにより生まれている点ですね。他のガチャ系は長期戦になった時点でそもそもデッキが崩壊していることが多いので。
4-4.発展の余地、亜種
概要でも触れた通りイルーナ自体がデッキの幅が広く既に発展しているといえます。構造がほぼ同じである異形化コンボなどとのハイブリッドも十分可能ですしね。とはいえこの3色だと完全に呪文だけで勝つコンボ/組み合わせ/ゲームプランは少ないのでイルーナが中心にはなる必要があり、ここの点をずらせるようになることはしばらくはないんじゃないでしょうか。そのため呪文コントロールであるけれどある程度以上クリーチャー除去が効いてしまう、というのは残り続ける弱点ですし対戦相手としてつけ入るすきになるでしょう。
5.年経た枝指の『耕作する巨躯シュート』
5-1.概要
ゴルガリにも確定ガチャデッキがあります。ゴルガリらしく墓地を経由したリアニメイトデッキですね。
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年経た枝指が唱えた時点でX枚のクリーチャーをライブラリーから墓地に落とすことができます。上からめくっていくのでガチャ形式ですね。デッキの中のクリーチャー総数と同じだけのXを支払えば狙ったものを墓地に落とすことができます。そしてリアニメイト呪文を打つのが基本的な統率者の動きになります。最近はリアニメイト呪文も枚数質共にかなり充実しておりデッキ自体の強度がかなり上がったかなと感じていますね。
特に釣り先を絞り切らずグリセルブランドやヴァルガヴォスといった黒の代表的クリーチャーや緑側からもヴォリンクレックスや最近実装された始原体などの釣り甲斐のあるクリーチャーが多い色の中でもその中でもひときわ特徴的なのが耕作する巨躯です。
登場時の能力で「手札の土地を出しドロー」を何回でも繰り返すことができます。これにより大量の土地を戦場に出すのが狙いですね。出した後は主に2種類にデッキが分岐し、A「ある程度出す」タイプとB「ほぼ土地を出し切る」タイプですね。
Aはシンプルで土地を普通よりちょっと多め程度の50枚前後にします。土地を出していく中で手札が全部呪文になったら止まってしまうので、大体10枚ちょっとくらいで止まりますね。そのうえで手札は全て呪文になるので実際それでも相当有利です。ただし、クリーチャーは他に入れられないのでゴルガリの優秀なPW陣などで攻めていく形になりますね。ミッドレンジとしてのスケールが大きい戦いを仕掛けてくるためこちらも同じようなレンジだと力負けすることが多いと思います。
Bのタイプはもっと極端でデッキの土地の枚数を80枚程度に上げます。「手札が全部呪文になるまで土地を出す」ということは逆に言えば「出した時点で手札にある枚数分だけデッキから呪文を引く」ということになります。実はこれも一種のガチャだといえますね。そのためデッキの土地の枚数を極端に増やして呪文を減らせば巨躯を解決した後にマナが潤沢にあり手札も厳選された質のカードになります。これによってさらなるコンボを決めて勝つ形になります。結局クリーチャーが使えないのでコンボは限定されますが「サーチ呪文」+「精神隷属機」+「過ぎ去った季節」で無限隷属とかを実戦で見たことがありますね。サーチ+過ぎ去った季節がとにかく強いので他は何でも良さそう。サーチ呪文はリアニメイト呪文を探す役にも立ちますね。
場合によっては洞窟探検を先に置かれた状態でコンボスタートすると土地がアンタップインになり、そのターン中に死ぬこともあるので奇襲性はかなり高いといえます。緑黒ってあんまりコンボのイメージ無いですからね。
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5-2.見分け方
釣り先が「耕作する巨躯限定」か「いろいろ入っている」かは見分けるの不可能ですね。どっちみちクリーチャーを絞っているので3Tまでにボロが出ません。いろいろ入ってると判断しても、たまたま墓地に落ちるのが巨躯という可能性もあるので見分ける意味が少ないともいえます。
そしてそもそも結局「墓地にクリーチャーを落としてリアニメイト」という基本軸は変わらないので見分ける必要がなく「年経た枝指デッキ」全体としてみて対策カードをマリガンで探せばいいと思います。
5-3.対策
まずクリーチャー除去は対策になってないですね。耕作する巨躯が残ったらそれだけで負けるほど巨大で強力なんですが、場に出た時点で仕事も終わってるので対策としては機能しないですね。
一番の対策はもちろん墓地対策です。年経た枝指全体のプランを根本から否定できますね。クリーチャー除去には長けたデッキであることが多いので漁る軟泥を先置きするなどはリスクがあります。霊柩車などの置物型の追放だったり、年経た枝指を唱えるのを見てから追放したいですね。墓地活用デッキは実際そこそこいるので自然に入れれる墓地対策はデッキに入れておきたいですね。
次点でハンデス/打消しですね。耕作する巨躯が一度墓地に落ちたらリアニメイト呪文を全部防がないといけないので1回消せばOKというわけではないのですが、2回程度防げばその間に自分の展開をできる時間がもらえるでしょう。
リアニメイト自体を防げなかった場合は相手の超高カロリーバトルに巻き込まれることになります。ここでもハンデス/打消しは有効に働くのでどのみちマリガンで探しておくのは有効ですね。緑黒故にパーマネントを巡った戦いには強いですが呪文の空中戦には弱めなので打消しメインでコントロールしきったり呪文コンボを仕掛けに行くなどは有効だと思います。
早く殴り切るのもちょっとリスクありますね。デッキの縛りが呪文方面にはないので普通に軽量除去や全体除去入ってます。ちゃんと勝ち切るためには墓地対策がやはり一番ですね。
他のコンボ以上にもみ消しは有効ですね。枝指の墓地肥やしがもみ消しでしか防げませんし唱え直しがやや重いです。耕作する巨躯の能力にも効くので場合によっては打消しより有効です。
5-4.発展の余地、亜種
「耕作する巨躯コンボ」側から見たらこのデッキが既に発展先ですね。既に触れた初祖スリヴァー確定ガチャデッキだったり異形化系のコンボデッキで既にコンボとして扱われていました。4色以上のデッキにて門を10種引っ張り出して迷路の終わりで特殊勝利ですね。それらに比べて、特殊勝利こそできないもののデッキの縛りはかなり緩くなってるので発展したと言っていいでしょう。
「年経た枝指」側はまだまだ発展の余地があります。強い釣り先やリアニメイト呪文が増えれば増えるだけ発展しますね。耕作する巨躯コンボだけだと墓地対策、特に単発の物を使われた場合弱いのでそれをケアするなら複数枚リアニ先を入れたいのでそういう優秀なものが増えれば増えるだけ嬉しいです。まだないと思いますが「墓地にいる自身を追放するなどしてリアニメイトを行う」クリーチャーなどが増えてくれたらめちゃくちゃ嬉しいですね。
6.舞台座一家の料理人、ロッコの『無限イグナス』
6-1.概要
サーチを活用する強い統率者であるロッコにも、そのサーチから更に確定ガチャを行って成立するコンボがあります。
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デッキの中に3マナ以下のクリーチャーをこの3種にします。そしてまずロッコをX=1で唱えてゴブリンの罠探しを持ってきます。3マナ以下のクリーチャーが抽出されますが当たりは「にやにや笑いのイグナス」ですね。1回目ではずした場合にはもう一度罠探しを回収/蘇生などして能力を使います。
最終的に「戦場にビルギ」「手札に罠探しの2マナ軽減能力がついたにやにや笑いのイグナス」が揃えばコンボスタートですね。ビルギはロッコ自身のサーチだったり他のサーチで持ってきてもいいんですがイグナスは軽減能力が必要なので罠探し経由の必要があります。
揃ったら「イグナスをRでプレイ→Rを払って回収」することでRRを消費してR②が生まれます。ここにビルギがいればRがもう一つ出るので無色②マナが増え続ける無限ループになりますね。
最後はロッコがプレイできるなら峰の恐怖をサーチして無限ダメージになります。できないならX火力とかですかね。
クリーチャーカラーのデッキであるにもかかわらず3マナ以下のクリーチャーを入れれない制限はかなり厳しく、デッキの残りのパーツだけで勝つ軸を組むのは難しめです。PWなどもクリーチャーサポートが多めの色ですし。大体は自分の罠探し/ロッコを死亡させる目的も含めてラスゴ類を多く投入したボードコントロール系列のデッキになるでしょう。クリーチャーデッキ相手には強いものの、空中戦はどうしても苦手になるのは仕方ない部分ですね。
6-2.見分け方
マリガン段階及びゲームの最序盤で見分けるのは極めて困難で不可能というレベルだと思います。
コンボの構成要素はいわば「ロッコを複数回出すだけ」なのでマリガンなども特に必要ありませんし安定性も高いといえます。見極めるきっかけになる行動はほぼないです。1T目なにもされなかったらちょっと怪しみますが1マナマナクリ引けないことはありえるので強い嫌疑はかけれないですね。
どこかでX=1で罠探しを持ってきたタイミングでやっと確定する感じですね。動き出しまで見分けがつかないという点でこの記事内で触れているデッキの中では最も見分けにくいデッキだといえます。
6-3.対策
見分けにくいんですが、対策自体は実はもっとも簡単な方なんじゃないかなと思います。
まず、普段通りクリーチャー除去が有効です。もちろん打ち消しでもいいですしマナの状況次第ではビルギが赤マナを産むのをもみ消しても足りなくなることがあります。
そしてこのデッキならではの穴として、「罠探しで手札に加えたガチャの当たりを抱えなくてはいけない」という特徴があるため罠探しを見てからゆっくりハンデス打つのも間に合います。他のデッキよりかなり妨害しやすいといえますね。
更にデッキの構造上「複数回罠探しガチャをしなくてはいけない」ことで他のデッキより明確に成立が遅くなります。出した罠探しを除去されない場合自分で処理しなくてはいけなくもなりますね。そのため「見分けた後こちらが妨害を探す時間的余裕が生まれやすい」という点もあります。コンボの存在自体さえ知ってれば対処しやすいという意味で最もこの記事の存在意義があるデッキだともいえるんじゃないでしょうか。
自分がハンデス/打消しをほぼ使えない関係で「コンボデッキの癖に打消し/ハンデスなどの空中戦に弱いうえに即座に決まるわけでもない」というのはかなり付け入りやすい特徴ですね。ちゃんと付け入りましょう。
5-4.発展の余地、亜種
このコンボ自体はかなり完成度が高くこれ以上コンボとして磨くのは難しそうです。発展するとしたら全然違うコンボが見つかった時ですね。
ただ、そもそもとしてロッコがめちゃくちゃ強い統率者です。サーチ手段が統率者領域に置いてあるということは非常に強く、今後別のコンボが見つかったりする可能性も高いですね。サーチを行うクリーチャーを探すことで様々なコンボを搭載することができますね。クリーチャー2体で成立するコンボは多めのカラーなので統率者としての伸びしろは無限大だといえます。ワイアウッドの共生虫というこのデッキのオリカともいえるカードが非合法入国してたりもしてますしね。
普通のビートダウン/ミッドレンジ系としてのデッキが当然成立するので、見分けるのが難しいといった理由の一つでもありますね。特殊犯罪コンボでない可能性も高いので無理に見分ける/断言しようとすることのリスクリターンが釣り合ってないです。
ロッコ全体としては今後も「何をしてくるかわからない強いデッキ」というポジションであり続けると思います。
7.碑出告と開璃
7-1.概要
確定ガチャなどの要素は持っていないんですが、デッキを歪めて構築されているコンボデッキ、という点でここで触れます。
![](https://assets.st-note.com/img/1734800688-0ML4GNYE3QKCOJqXcewb7Usp.png)
登場時に「ブレインストーム」を行う能力と、死亡時にライブラリーの一番上からカードを追放し唱える&ライフルーズを行う能力のセットですね。
この二つの能力と誘発条件が非常にコンボ向けです。登場時に引いた/手札にあったリアニメイトカードを一番上に積み込み、そのまま碑出告と開璃を生贄にし「統率者領域に送らず墓地に置く」ことを選べばライブラリーの一番上から唱えられたリアニメイト呪文で再び碑出告と開璃が戦場に戻り、リアニメイト呪文が手札にある/引き続ける限りこのループが起こり、4~5ループで相手のライフを削り切ることができますね。
概算で3枚に1枚リアニメイト呪文を入れねばならないためデッキの中に大量のリアニメイト呪文が採用されています。大体の場合でほぼ「環境に存在するすべてのリアニメイト呪文」が入ることが多いですね。
また、ループのためには「0マナでクリーチャーを生贄にする手段」が必要です。悲哀の徘徊者やアルターのような代表的なものから、ちょっと弱いものまで採用をする必要があります。ここの部分でデッキの枚数がかなり圧迫されるため、他の軸を入れる余裕はあまりなく、あとは除去/打消し/ハンデスなどの汎用パーツ整っていることが殆どですね。
7-2.見分け方
非常に簡単です。もう碑出告と開璃を見たら殆どこのコンボデッキだと思えばいいです。
もしそうじゃなくてもリアニメイト呪文が0ってことは無いでしょうし、碑出告と開璃を出すことがメインの戦略になっていることが多いと思うのでコンボでもそうじゃなくても対策カードが共通で効くでしょう。
その一方で、対戦中の行動で見分けるのはちょっとだけ難しいですね。「○○を入れてはいけない」というタイプの縛りは無いので「アレをつかったらコンボではない」という見分け方はできないです。ハンデスなどで見たときによくわからない追加効果しか書いてない弱そうなリアニメイト呪文ががあったらコンボ、ができる限界の判断でしょうか。
7-3.対策
これも幅広く一般的なコンボ対策が刺さります。
まず、5マナの統率者をプレイしなくてはいけないので打消しが当てやすいですし、クリーチャーのプレイ→リアニメイト呪文のプレイとなるのでクリーチャー限定/呪文限定の打消し両方刺さるのもポイントですね。さらに能力で唱えようとするのでもみ消しまで刺さります。
墓地にいなくてはいけないので当然墓地対策も刺さります。さらには「登場時の能力を解決してから」死んでもらわないといけないので、解決前にクリーチャー除去を撃たれると「積み込みなしでライブラリートップにリアニメイト呪文があることを祈る運ゲー」になりますね。「インスタントで能力を失わせるカード」などはこのタイミングで使えばぶっ刺さりですね。
さらには対手の場合は生け贄能力を持つパーマネントを事前に置かなくてはいけないので、それに対するソーサリー除去も間に合いますね。
ハンデスは刺さったり刺さらなかったりです。手札にリアニメイト呪文などを抱えなくてはいけないのでそれらを落とすことでコンボしづらくはなりますが大量に入ってるので焼石に水なこともありますね。しないよりは絶対いいです。
ドローを挟むコンボなので覆いを割くものナーセットはぶっささります。クリーチャーが多くないことが多いので、落とすのも結構な労力ですね。一方で能力がスタックに積まれて解決するルールの都合上「オークの弓使い」「黙示録、シェオルドレッド」のようなドローを罰する系の能力は「それらが解決する前に生贄にしてコンボを進める」ことで無視して成立できます。気を付けましょう。
このようにコンボに含まれる要素が多い(クリーチャー呪文、非クリーチャー呪文、生け贄装置、墓地、ドロー)ので、その分対策カードが幅広く刺さってしまいます。
その一方で青黒という呪文のやりとりであれば最高峰の色を使えるのでその対策カードに対策していくのはやりやすい色ですね。除去1枚持ってるから様子見でオッケーって思ってるとハンデスからスタートされることはよくあるので、そこは気をつけたいです。
7-4.発展の余地、亜種
根本的な発展の余地は無いといえます。どれだけ優秀なリアニ呪文が増えようが、大量に入れなくてはいけないのは変わりません。ただ、強いコントロール用のカードが出てきたからちょっとアップデートできるとか、生け贄置物が増えたから入れ替えれるのような細かい向上はされそうですね。ちょうど最近ファウンデーションズ前後で生贄置物カードが増えたようにですね。
また、無限の突入のような「打ったらほぼ勝ちと言えるインスタント・ソーサリー」が出てきたらリアニメイト呪文連打ではなくそちらを打って勝ちというもっとスリムなプランを取ることはできます。インスタント・ソーサリーのサーチや扱いが得意な色なのでいざそういうデッキを組もうと思った場合でもちゃんとデッキ強度が高いものが出力されると思います。というか書いてて気づきましたが無限への突入めちゃくちゃ強いですね。有名なタッサの信託者コンボ以外にも、MtGA限定である頭目の神官との相性が凄まじいためですね。もしかしたらもう少し研究進んだらこっちに切り替わるかも。
ここからは特定の統率者のデッキではなく、ギミック単位で特殊犯罪と呼べるものをまとめました。
8.『パラドックス装置』
8-1.概要
非常に悪名高いコンボカードですね。何でもいいから呪文を唱えるたびに土地でない全てのパーマネントがアンタップできるのですがいくらでもコンボが考えられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1734803505-M4FmI2Lfj9QUgPiwqv0o5VZr.png)
一般的には「マナアーティファクトやマナクリーチャー類複数」と「タップすることでカードが増えるカード」を組み合わせて唱える→アンタップ→マナとカードを増やす→増やしたカードを唱えるを繰り返して事実上の無限ループに持ち込みます。最終的に勝つ手段はいろいろありますが主に霊気貯蔵機による無限ライフ&バーンが選ばれますね。
統率者の色はほぼ選びません。サーチ/タップすることでカードを増やす/別の手段でパラドックス装置で無限になれる統率者が選ばれますね。
代表的なのは以下の4枚「艦長シッセイ」「オズワルド・フィドルベンダー」「湖に潜む者、エムリー」「アーチリッチ、アサーラック」ですね
![](https://assets.st-note.com/img/1734804121-c25r93aEzodUp0hICtXvxA8b.png?width=1200)
シッセイはタップすることで伝説のパーマネントをサーチ可能です。パラドックス装置がサーチ可能であるだけでなく、装置を出した後ならタップで伝説のパーマネントを次々探してループに持ち込み、更に伝説のマナアーティファクトもサーチ可能と、パラドックス装置との相性が抜群です。ほとんどの場合でパラドックス装置とのコンボに命を懸けてるデッキであることが多いです。
オズワルド・フィドルベンダーも同じくサーチと、パラドックス環境下でカードを生み出すことの両方ができますね。これもパラドックス装置コンボをメインにしたデッキなことが殆どです。が、シッセイよりは柔軟にメタアーティファクトによるハメ戦術などを使ってくることもありますね。
湖に潜む者、エムリーもパラドックス装置環境下で無限になるカードです。装置を落とした後に拾ったり、青はアーティファクト利用の色なのでサーチなどもある程度得意ですね。また、サポート範囲が前述の2枚より広いためパラドックス装置への依存度は低いことが多いですね。出たら勝つのは当たり前なんですがw
アーチリッチ、アサーラックは装置を探す能力は持ちませんが、パラドックス装置+3マナ分のマナアーティファクトで無限にダンジョンに突入しなんやかんやあって勝ちます。パラドックス装置への依存度は高めですが、デッキ構造としてはオールインしているコンボというよりは黒コントロールの形をとっていることが多いでしょう。
他にもいろんなデッキに入れることができます。緑だとサーチは難しいもののマナクリーチャー達を装置で起こせる点が強く、青と黒はやはりサーチがしやすいのでそのあたりで使われることが多いです。統率者単位だと「アーティファクトを複数並べる、唱える」ことに意味があるタイプの統率者、特に青い奴らはマナファクトを多く並べるため自然とパラドックス装置もセットで入りやすいですね。
8-2.見分け方
上であげた4人のうち、エムリー以外はパラドックス装置デッキだと思って間違いないと思います。エムリはパラドックス装置は入ってることが殆どだと思いますが「戦術として依存しておらず他の動きもしてくる」ので見分ける意味がないというか対策がちょっと難しいですね。
他のデッキにこっそり入ってるタイプは見分けが難しいです。上にも挙げたように「タップでカードが増える」タイプの統率者がマナファクト並べてきたら疑っていいですね。
8-3.対策
パラドックス装置を割るなり打ち消すなりします。
あとはカード獲得手段を統率者にしているタイプの場合は召喚酔いの制約があることが殆どなのでクリーチャー除去で成立を遅らすこともできますね。マナファクト/クリーチャーを狙われることも厳しい場面が多く、範囲除去ができるとより良いですね。
シッセイ/オズワルドはそもそも機能させちゃダメなタイプの統率者なのでクリーチャー除去を探すべきなんですが両方ともルーンの与え手やスクレルヴなどの防御能力を持つカードをセットで使っていることが多く、1枚の除去では油断できないことが多いです。
エムリー相手はちょっとここで詳細に書けないですね。除去を繰り返しても何度も出てくる性質上そもそも非常に強い統率者です。デッキに入ってるならアーティファクトの複数除去を行うカードか墓地追放を探しましょう。
アサーラックは対策カードをハンデスしてくるので厄介ですね。本体がパラドックス装置を探す能力を持ってない関係で長いゲームを好むのでさっさとせめてこちらの攻撃やコンボを通して勝つことを意識するべきかなと思います。
8-4.発展の余地、亜種
どのデッキにも入れやすいので発展性は高いといえます。今後もアーティファクトのサーチ能力だったりタップでカードを増やすカードが出てくるたびにそれらを統率者にしたパラドックス装置デッキが生まれる可能性があるといえますね。
最近だとパイオニアマスターズで登場した「アンデッドの大臣、シディシ」もサーチ能力を持ち、パラドクス適正がある統率者です。筆者も色々試してますね。
9.侵入警報
9-1.概要
筆者としては非常に好きで、思い入れもあるカードなんですがMtGAのブロールではまだいまいち話題にはなってないですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1734811004-WbZQAvIdL3JcF4x5aYBUrnDi.png)
「アンタップしない」部分を活用することはほぼなく「クリーチャーが出たらすべてのクリーチャーをアンタップする」部分を目当てにつかわれます。クリーチャーをタップするのみでクリーチャーを出すシステムを作ることができればそれで簡単に無限コンボですね。マナクリーチャー+ドローの組み合わせでもいいですし、ゴンドの存在のようなカード/能力でも手軽に無限です。筆者は「オラーズカの暴君、クメーナ」デッキにおいて「深根の水域」と組み合わせて無限にしていますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1734825592-SNnwYa1qGyMgrEeXubWZc5Qx.png)
結構無限のパーツになれるんですが、現時点ではあまり使われてるところを見たことがありません。少なくとも相手につかわれたことがない。
理由としては「青いエンチャント」であることがあげられると思います。青はエンチャントの色ではないのでサーチしにくいんですよね。そもそもエンチャントサーチが少ない。MTGA上にもMTG全体の歴史上でも。統率者も青を含まないといけませんがそういった統率者がエンチャントに関連する能力を持つことが少ないためサポートがしづらい状況となっています。そのため使用頻度が少ないと思われます。マナクリーチャーと相性が良いのですが、それらは緑でありそれもエンチャント活用が苦手な色なのもさらなる向かい風です。
しかし、カードとして非常に強力な能力であることは間違いないため、今後適した統率者/デッキが現れたとき用にここで触れておきました。
9-2.見分け方
デッキが存在しない以上見分け方もくそもないのですが、例えば暗号学者、ローニスのような「青と緑が含まれクリーチャーを展開する理由がある統率者」と相対した時は記憶の片隅においてもいいかもしれません。
9-3.対策
クリーチャー除去でもエンチャント破壊でも対策できます。
ただし相手の戦場に十分なマナクリーチャーがいるときは侵入警報をマナ加速手段として用いてかなり速度を上げてくることがあり、対策の準備や攻めきるのが間に合わないことがありますね。
また、アンタップはこちらもなので強力なタップコストの起動型能力のカードを置いておくだけでけん制出来たりもします。
9-4.発展と亜種
そもそもデッキができていないので発展の余地しかないです。
青くてエンチャントを探せる統率者だったり、タップでクリーチャーを出せる統率者が現れたときはこのカードのことを思い出すべきですね。
理想は青白黒のエスパーカラーでそういう能力を持つカード。マナクリーチャーをほぼ使えないのでマナを使わずにタップでだけでクリーチャーを出せるカードが来れば・・・?
10.『ネズミ』デッキ
10-1.概要
これもコンボデッキというわけではないですが『デッキ内容をゆがめている特殊なデッキ』という点で触れました。
![](https://assets.st-note.com/img/1734827488-p0QyzFbxWUAnV4hr3t9NJGKZ.png)
『デッキに何枚入れても良い』というのはカードの効果であるため、ブロールのルールである『1枚制限』を無視して入れることができます。子のネズミの群棲を大量に入れたデッキですね。
主に『ブロールをしたいがカードを1枚ずつ所持する資産がない』『デッキを1から組む労力がかけれない』といったプレイヤー層を相手におすすめされることが多いデッキです。MWMのイベント中とかね。プレイング面も基本的にはネズミを引いて出す、だけで済むので簡単といえます。
統率者は昔は色々あって比べられていましたが、今はネズミの王、カルモニクスが圧倒的ですね。手札が増えるのがただ強い。次点で骨齧りもゲーム終盤の爆発力のためにつかわれることがあります。
構築面/プレイング面共に工夫や楽しみを見出す余地が少ないと感じるため、筆者としてはあまりお勧めしたくない気持ちはあるのですがやはりその手軽さと簡易さから前述のイベント中を中心に一定の遭遇率があるため触れました。
最近は同じ特性を持つ『人道に対する膿』『継位兎』のデッキも、やはりイベント中などに見るみたいですね。これらは決まったおすすめ統率者がまだ定まってないみたいです。
9-2.見分け方
カルモニクスや骨齧りは疑う余地がなくネズミですね。他のデッキに入ってることは今はあまりないと思うので見分ける必要なさそうです。
9-3.対策
特に先手を取られた場合など意外と打点の増え方が早いこともありますが『タフネス1のクリーチャーを並べて殴る』という部分に隙があります。こちらも丁寧にクリーチャーを並べてブロックによる相打ちを繰り返していれば統率者のプレイやドロー/軽量除去/全体除去を引いて相手の攻めを阻止する展開になるでしょう。
とにかく軽量クリーチャーで相打ちを惜しまずしていいと思います。ネズミの数が増えないようにしておけば相手のパワーが打ち止めになるのでいつかこちらのクリーチャーを超えれなくなります。
ある意味ではこれら『無限に入れていいデッキ』に勝てるデッキ内容/プレイングの考え方になるのがブロールの一種の入門ラインかもしれません。試金石にできますね。
9-4.発展と亜種
ネズミの群棲は正直あまり発展がないと思いますが(カルモニクスが既にかなりの発展のため)、人道に対する膿と経緯兎は発展の余地がまだありますね。
膿は適した『墓地にソーサリーを溜めることができる2マナ以下の統率者』が出てくれば嬉しいです。ただそれ普通に強すぎる気もしますがw
継位兎は目下発展中という感じですね。こちらも『腕利きの射手、フィニアス』という非常に相性のいい統率者がいますし『刈り手、ベイレン』を統率者にすれば継位兎とベイレンだけで無限コンボになってたりします。筆者は継位兎を手札に増やすことができる『団長、アルダー・レイヴンガード』を調整していてそのうち記事にするかもしれません。
このように現時点でかなり統率者を色々選ぶ余地があり、小型クリーチャーのサポートが得意な白という色も相まって活用しやすく、そのうち数を増やすかもしれません。期待感があります。
11.『出現の根本原理』
11-1.概要
「1枚コンボ」という単語を体現したかのようなカードです。
ライブラリーから3枚のカードを探し、相手が選んだ1枚以外を唱えるというカードですね。最終選択権が相手にあるので効果が安定しないように一見思われますがプールが増えすぎて『どう選んでも実際勝ち』の組み合わせあるいはそれに近いものが今はいくつかあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1734828624-fuY21yQKbsC9Rr3FTVwGAezE.png)
大体の場合において「全知」「追加ターン」「追加ターン2枚目」や「PW」+「ヴォリンクレックス」の即奥義コンボ+追加ターンなどのような組み合わせで選ばれます。
長くなるんでここでは詳細な説明省きますが筆者のプレイグループでの研究では「全知」「ため込む親玉」「最後の別れ」で提示すると最後の別れを戻されなければ勝ちますし、戻された場合でも手札に他にドローやサーチ、あるいは8マナ目があった場合勝ちます。そのような「絶対勝つ3枚」が研究すれば見つかる程度に強力なカードだといえますね。
色の関係でスゥルタイ系列のデッキ、あるいは5色のデッキに運用が限られます。が、やはり1枚で勝てる魅力は高く特にスゥルタイ系であれば統率者にあまり関係なくても入っている印象がありますね。どこからでも逆転ホームラン狙えるカードなためです。そのため警戒度合いが高いと思ってこの記事で触れました。
11-2.見分け方
見分けれないです。デッキに対する負荷が根本原理含めて5~6枚なため負荷があまりかかってないですね。
見分けるというか覚悟のレベルで相手がスゥルタイカラーでマナ加速を連打したり盤面で戦うのを放棄してるように思えた場合、このカードでの逆転が真っ先に頭によぎるべきだと思います。
また、スゥルタイカラーで「この統率者あまり見たことないけど強いのかな?」って疑うような相手は間違いなくこのデッキだといってもいいかもしれません。「デッキの強さの査定を下げるためにマイナー/弱い統率者で根本原理をする」っていう考えがあると聞いたことがありますね。
そもそもやはり強力なので相手がスゥルタイカラーの時点でこれを念頭に置くべきだと思います。
11-3.対策
根本原理を通されてしまった後の対策を記事の形で書くのは難しいです。
持ってこられる3枚にある程度幅があり必ずこうすればいい、これを握っていればいいと言いづらいためですね。しいて言えば全知が関連することは多く、全知+何かを許したうえで全知を割れば軽傷で済むことはあります。そもそも根本原理が通った時点でかなり負けなので、ぎりぎり助かるかもしれない程度の対策ですが。
根本原理を通さない/打たせないことがやはりそもそも必要ですね。
マナが重いカードであることが明確な特徴なのでスゥルタイ相手は相手が7マナに到達しそうなときは打消し/ハンデスを軽々しく打たず根本原理に狙いを定めて探しに行く、それまでに殴り切る状態を作って相手に易々と打たせないなどの対処が必要になりますね。
マナベースへの攻撃も有効です。単純に土地破壊的なカードに限らず、「2マナ以上確保できるカード」を打ち消したりハンデスする、マナファクトやマナクリーチャーを丁寧に処理しておくなどは有効である可能性が高いです。繰り返しですが7マナは相応に重いですし、そこに至るための準備/こちらの処理に使うカードもそこそこ重いことが多いので。とにかく全体的に『そもそも打たせない』を意識しましょう。
11-4.発展の余地、亜種
可能性はもちろん幅広いです。特定のデッキではなくとにかく『根本原理を入れる』だけでいいので今後より明確に適した統率者が出てきたり、より強い3枚の組み合わせが生まれるたびにデッキがアップデートされます。
それ以外にも最近なんか増えつつある「4マナで土地を2枚確保するカード」も大きいサポートになります。3色以上のデッキであるため獲得できるカードが幅広く強化されやすいデッキだといえますね。
12.熟達ストーム
12-1.概要
これもデッキタイプというよりはコンボギミックですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1734833094-Ezp4WnbY79e2scQhUxgoj8G5.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1734833122-HGNf2pMrIo1O0csUJv3RT6uZ.png)
”ストーム”はキーワード能力であり、大体の場合この名前を冠するコンボ/デッキは「軽量呪文を同一ターンで繰り返し唱えてストーム呪文でフィニッシュ」という形をとります。しかしこのギミックにおける”ストーム”はそのキーワード能力というよりは具体的に「ドラゴンの嵐(’Dragon Storm)」のカードを指しています。
これは9マナのストームカードであり、ストーム数+1体のドラゴンをデッキから呼び出すド派手な呪文です。マナコストもその分ド派手であり少なくとも現ブロール環境では「軽量呪文を唱えてからドラゴンの嵐を唱える」ことは難しいといえます。
しかしその困難を1手で解決するカードが「ミジックスの熟達」です。インスタント/ソーサリー用のリアニメイト呪文と言えるこれは墓地から呪文をタダで唱えることができます。これでドラゴンの嵐を4マナで唱えてしまおうというギミックですね。
ミジックスの熟達そのものも唱えているためストーム1は確保できており、ドラゴン2体を呼び出すことができます。
赤青のデッキであれば、つい最近のファウンデーションズの実装により『先見者、ニヴ=ミゼッ』と『火想者ニヴ=ミゼット』の2枚を揃えると実質即死コンボになります。ダメージを与えたらドロー/ドローしたらダメージの組み合わせにより一度ダメージを与えることに成功したら相手が死ぬまでドロー&ダメージとなりますね。ダメージを与えないといけないものの、除去のために相手が唱えた呪文でもコンボスタートするため、実質的に2枚揃った時点で勝ってると言っていいでしょう。
また赤一色でも『ドラゴンの女王、ラスリス』『峰の恐怖』『任意のドラゴン2体』で30点くらい入って勝てます。ショックや0マナアーティファクトでストーム稼ぎたいですね。赤黒だとこの組み合わせを工夫して『竜王、コラガン』を加えることで3体で大体勝ち、相手のライフがさらに高い場合は『帰ってきた死の翼』『貯め込む親玉』などを混ぜて50点以上のダメージを出すこともできます。ドラゴン2体だけでも即死ではないですがラスリスとコラガンだけで17点で十分致命傷になりえるダメージが出ます。
上記の組み合わせを使う為概ね赤青/赤黒のデッキで適正があると言えるでしょう。
青赤では最適といえる統率者がまだ見つかっていませんが呪文メインで戦ってルーティング呪文なども入れる必然性があるデッキにおいて入れれますね。そのような特徴を持つデッキになる統率者は多く、実験的にいろいろなデッキに今後搭載されておかしくないと思います。ミゼットを引いちゃうと実は困るんですがブレインストームで戻したり、そもそも6マナ払って普通に出してもデッキにかみ合うことが多いのは良いですね。ソーサリーのサーチ手段もあるのでこのコンボに特化させたコンボコントロールデッキはあり得ると思います。
赤黒では『最後の別れ』1枚でミジックスの熟達が手札、ドラゴンの嵐が墓地という状況を整えることができます。青赤以上にどのデッキに入れていいと言えるかもしれません。特に『戦争の世継ぎ、ローアン』ではその能力によってコスト軽減を行い最後の別れ→ミジックスの熟達を3マナで行いながらドラゴン3体を呼べるためメインコンボといっていいでしょう。他にも低速でリアニメイトなども視野にある統率者などで使われると思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1734835259-8buf70shtBzQRwaYiy4LCcox.png)
残念ながら『赤黒青』の統率者では適したものがないですがデッキの枠4~5でいいのでどれに入れてもいいといえますね。死のディーラー、マルチェッサは墓地を増やせるので揃えやすかったり、妖艶な泥棒、コルメラはマナ加速でドラゴンの嵐を普通に打つ可能性も生まれるので適性があるといえますね。
12-2.見分け方
これも見分けることは難しいです。ただ、ローアンはほぼこれと思っていいですね。違っても対策流用できることが多そうですし。
そもそも赤黒青系は墓地から変なことしてくるコンボが他にもあるので『相手がルーティング呪文を撃ったら墓地を確認する』癖をつけておくといいと思います。ドラゴンの嵐を必ず捨てなくてはいけないのでそのタイミングでバレますね。
12-3.対策
まず墓地対策が効きます。ドラゴンの嵐を置いてミジックスの熟達を撃たなくてはいけないため必ず準備フェイズを挟むので追放もしやすいですね。
ドラゴンが1体ずつ出てきて、複数そろって初めて勝つので1体目の時点で除去を打つことでも大体対策できます。ただし赤黒で、且つストームの数が多い場合には帰ってきた刃の翼でリカバーされてしまうことがあるのでそういった場合では『次ドラゴン出されると峰の恐怖で死ぬ』『コラガンで殴ってくる』タイミングまで待ってよさそうです。
ストーム数が少ない場合は打消しも有効です。というかミジックスの熟達を消してください。また、ストームでコピーを生み出す部分はもみ消しができます。
また、純正無限コンボをすることは難しいため『テフェリーの防御』『一つの指輪』『堅忍の閃光』で身を護ることも有効になりやすいです。ただこれも相手のストーム数が多いと、死にこそしないものの手札を『真夜中の空、殉至』を出し入れするギミックでズタズタにされることがあるので完全ではないですね。
後は準備が必要なコンボなのでハンデスも間に合いやすいです。ドラゴンの嵐を捨てるの見てからハンデスなどですね。
ローアンが統率者、あるいは青赤の軽量統率者の場合もちゃんと軽量除去を残すことで対処しやすいです。特にローアンは相手にターンを返した時点でもう間に合わないことがあるので生かして返さないようにしましょう。
12-4.発展の余地、亜種
亜種は難しいですね。コンボが既に結構洗練されているので。ただ、『ミジックスの熟達で何かすごいものを打つ』『ドラゴンの嵐をズルして打つ』は共に他の相棒でもかなう可能性があり、そこに発展の余地はあります。
また、今後増えるドラゴン次第でどの色で無限コンボのハードルが下がる可能性がありますね。例を挙げれば変わり身の狂戦士のような『覇権&多相』持ちが出てくると『峰の恐怖』『帰ってきた刃の翼』『狂戦士』で無限ループになったりもします。
統率者面でも強いルーティング能力を持った赤青の統率者だったりインスタントソーサリー方面が強い赤黒の統率者が出てくると可能性がありますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1734834999-5cIzPmLy2iskTd7ZN6qSwjrY.png)
13.犯罪者候補『深海の恐怖、ジャイルーダ』『首席議長ヴァニファール』
概要
厳密にはまだ犯罪者にMTGAではなれてないのですが、いつなってもおかしくないのと、紹介数を13にするとカッコいいかなと思って13個目として紹介します。FF13好きだし。
![](https://assets.st-note.com/img/1734835681-mG0qHbKvYyuQWjtg2nBJUldL.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1734835705-iK1bo4vr8sVywMTLeXNBH5zp.png)
両方ともかなりコンボ向けの能力で、現に紙のMtGの方だと愛用しているEDHプレイヤーもいると聞きます。しかしMtGAでは両方ともいまいちパーツが足り切らず『人が死ぬほどのコンボ』はまだできない…と思います。
ジャイルーダは登場時にお互いのライブラリーを4枚切削し、その中からマナコストが偶数であるクリーチャーを蘇生します。相手も選べるのが面白いところですね。大体は『ジャイルーダをコピーできるマナコスト偶数のクリーチャー』を大量に投入しジャイルーダの能力を連鎖させて1ターンに何回も使うことを目指します。『伝説でないコピーにする』タイプのカードをめくれたら非伝説のジャイルーダを並べて圧殺できますしその過程で自分や相手から非常に強力なクリーチャー(グリセルブランド等)をめくって定着させることもできます。
現在は使えるコピークリーチャーが10体未満であり、非伝説にするものも1体しかいないためまだパーツが足りない感じですね。
しかし今後増える可能性はもちろんあります。また、相棒なので例えば『血の暴君、シディシ』の相棒として採用しそちらとプチコンボさせる手もありますね。ゾンビトークンがいっぱい出ます。発展の可能性はありますね。
ヴァニファールはタップするだけで自分のクリーチャーを1コスト上に進化させます。この能力で『登場時にヴァニファールをアンタップできる』クリーチャーを持ってきて更にヴァニファールを起動を繰り返しクリーチャーのマナコストを育てて強力なものを持ってくる/無限コンボを完成させることが目的となります。
しかし現在は『アンタップできる5マナのクリーチャー』が足りておらずチェインが途切れてしまいます。また、それをごまかすための『ヴァニファールをアンタップできるそれ以外のカード』もいまいち足りていないですね。そのためコンボとしては完成していない状態だと思います。
とはいえこれもいつパーツが揃ってもおかしくないです。ほぼ任意のクリーチャーを持ってこれるという特性から、『MTGA限定のデジタルカード』を持ってこれることも注目ですね。強いカードが多いので。
まだ研究が完了していないだけで、いつコンボが揃うことになってもおかしくないかなと思います。
以上で、本記事『ブロール特殊犯罪対策本部』を終わろうと思います。
今年最後の記事としてかなり詳しく書かせていただいたつもりです。
取り上げたコンボ/デッキはどれも知らないと抵抗する余地なくコンボが決まったり、その特殊な構造から混乱してしまうことも多いものを選んで取り上げさせてもらいました。
この記事で触れたことで『知ってるから余裕を持って戦える』ということになったという報告が合ったら嬉しいですし、また『自分で使うことを想定』しての発展の余地などの項目も書かせていただきました。自分で使うその際にも知識として役立ったり、またデッキ構成を考えたり、新しくこのようなコンボデッキを組む発想のきっかけになる要素が書けたかなと思います。是非『こんなデッキを作りました!発展させました!』という報告伺いたいですね。
筆者の方でも定期的にXやnote上で今後もMtGAやブロールに関連する情報を発信していきたいと思います。是非読んで頂いたり感想コメント、いいね、リポスト/引用リポストによる拡散宣伝していただけると大変うれしいです。来年も頑張るために是非よろしく!
今年はYoutube上での配信も始めました。
MTGAの活動は少なめですがSteam/Switchのゲーム中心にやってるのでよかったら是非見に来たり登録/コメントいただけると嬉しいです。
ぞんびGameZ - YouTube
更に、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。先日『まじ☆すと ~じゅうななかいめ~』及びクイズ企画『まじ☆すと クイズダービー』を開催させていただきました。是非以下のアカウントから情報アクセス頂き今後のイベントや大会企画ご視聴いただければと思います。
MtGAstreamer_tournament/まじすと(@mtgastreamer)さん / Twitter
また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。記事や大会のモチベや質にも大きくかかわりますねw!
是非よろしくお願いします!励みにもなります!
それでは、次の記事でお会いしましょう