腎疾患に対するフロセミド
こんばんは。今日はフロセミドについて調べました。
腎機能が低下した患者さんに対してフロセミドの投与量を増やす場合と投与を止める場合があると思います。
今回は腎不全とネフローゼの病態で比べてみます。
まず、腎不全患者において十分な利尿効果を得る為には腎機能が正常な人と比べ多くの投与量が必要になります。
腎不全の病態では尿細管分泌の低下、ネフロンの減少が起きています。尿細管分泌が低下するとフロセミドが作用を示す部位へ十分に到達できない事により効果の減弱が起きます。また、ネフロンが減少すると単純に利尿効果が減ります。
しかし、単一ネフロンあたりの機能は保たれている為フロセミドの投与量を増やせばある程度効果が期待できます。
これに対してネフローゼの病態はネフロンが障害されている為、単一ネフロンあたりの機能が低下しています。その為フロセミドの量を増やしても利尿効果に限界があり、効果が期待ができなくなります。
まとめると。
ネフロンが障害されている(単一ネフロンの機能低下)か、ネフロンの数が減少(単一ネフロンの機能が保たれている)かの違いがフロセミド使い方の違いとなります。
腎不全の患者さんにおいても脱水により腎機能が低下している場合は利尿薬の追加は腎機能悪化につながります。
病態と患者さんの状態、フロセミドの反応性を考慮して使用するのが現実かとは思います。
安易に腎機能が悪いからフロセミドを中止すると考えてはいけないし、その逆も言えます。
以上。