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『狂武蔵』

以前投稿した、坂口拓さんの作品の話。 公開は去年の夏。公開日に鑑賞したのだが、咀嚼するのに数ヶ月かかってしまった。

所謂、「アクション時代劇」のようなものを想像して鑑賞すると”違うじゃない!”となる。世間一般のストーリーがある作品と思って鑑賞しては楽しめない作品だ。あえて言うなら「ドキュメンタリー」だろうか。坂口拓さんその人の生き様をでっかいスクリーンで見せつけられた感覚。スクリーンの中で彼がどんどん覚醒していく様を目撃したという多幸感に包まれる作品だ。

坂口拓さんがここに辿り着くまでにどんな道を歩いてきたのか。どんな人たちとの出逢いがあったのか。彼と周りの人々との絆。アクションに注ぐ熱量。時折恐怖さえ感じる。「鬼気迫る」とはこのことかと体感する。

わたしは、この作品が公開に至るまでの経緯を予め頭に入れた上で鑑賞したため、初見の際はいろいろなおもいが交錯し涙が止まらなかった。

未見の方にお勧めしたいのが、その情報を一切入れずにまず鑑賞。どう感じるか。どう思うか。その後、公開に至るまでの奮闘に目を通してもう一度鑑賞。それぞれの環境、立場、それによってこの作品の受け取り方が異なってくると思う。

好みが大きく分かれる作品かもしれない。だって曲者(ほめてます)の侍共が集まって作り上げた壮大な叙事詩だから。控えめに言っても、度肝抜かれた。

そんな『狂武蔵』、1月6日にBlu-ray & DVDが発売される。ついでに各サブスクでも配信が始まるそうだ。

そして、この作品を彩るのに重要すぎる役割を担った劇伴。サウンドトラックとして発売されている。ええ、もちろん購入しましたよ。語彙力失うくらいにかっこいい!痺れる音ばかり。これには監督である下村勇二さんと劇伴を担当したカワイヒデヒロさんの対談が掲載されている。これがまた秀逸。この対談を進行・執筆したのはわたしが尊敬しているライターさん。彼もまた『狂武蔵』復活に携わった侍のひとりだ。ライナーノーツ担当は彼以外考えられないと思っていたので、納得の布陣。

ご興味のある方は是非。