天皇杯 1回戦 vs HondaFC 戦プレビュー
第4節 HondaFC 2-1 ヴィアティン三重 感想
開始早々からエンジン全開のHondaFC。三重の陣内へ押し込み、ショートパスを多用したお家芸ともいえる戦術で終始圧倒する。そんななか、HondaFCの後方からのビルドアップに対して、三重の前線から積極的なプレッシングをかけ設定通りの場所でボールを奪い取った場面が2〜3回あった。35分に阻止で退場になってなければ、おそらくは、それ以降もこの積極的なプレスをかけ、ショートカウンターでHondaFC相手でも数多くチャンスを演出していただろう。それだけにあのプレーは残念だった。とはいえ、先制点の三重のリスタートでの得点は見事だった。一旦バックパスをして右SBからスルーパスを起点にして奪ったゴールはHondaFCを翻弄していた。それから、HondaFCの1点目も素晴らしかった。三重の最終ラインに、HondaFCの選手のフリーランでスペースを作り出し、そこへ割って入って運んでゴール。まさに理想的なゴールといえよう。
第5節 高知ユナイテッドSC 0-2 HondaFC 感想
最初に結果だけを見てHondaFCが2得点上げていたので、おそらく圧倒して勝ったんだなと勝手に試合前予想したのだが、実際に試合を見てみるとそれはかなり違っていた。この試合をコントロールしていたのはむしろ高知で、HondaFCのお家芸であるエンジン全開フルスロットルの押し込んだ攻撃は、全くブーストが上がってこないままほとんど影を潜め、ゴールを奪った2得点もどちらかといば幸運によるものが大きかったように思える。それを証拠に、ゴールシーンでの監督は全く喜んだ素振りも見せずにただ頭をかかえていたからだ。そのため、HondaFCらしい崩しが見えたのは30分のチャンスぐらいだった。それでは高知のプレッシングが90分間終始効いていたのかというと、後半から得点が入る78分までは確かに積極的な姿勢が高知に見られていたのだが、それ以外はそこまで迫力あるプレッシングをかけられていなかった。しかし、中盤から最終ラインにかけて巧みに連動して守り、HondaFCの攻撃から未然に防いでいるように感じた。それだけに、高知としては68分の相手陣内でのポジトラから、左WBの16番が左サイドの高い位置まで走り、そこからのクロスに右SHが飛び込んだが決定機を決めきれす敗戦したのは見ていてとても残念だった。
第8節 鈴鹿ポイントゲッターズ 1-4 HondaFC
第6節 FC大阪戦では71分に先制するも82分にCK、90分に間接FKでまさかのホームで敗戦。第7節 しまね戦では61分から1人多い状況からゴールを奪えずにドロー。第5節 高知戦でも本調子とはほど遠い内容からこの鈴鹿戦も苦戦が予想された。しかし、これまでの苦戦は何だったのかと疑うような凄まじい内容で鈴鹿を終始圧倒した。10分にHondaFCのCBのミスにより失点を許してしまうが、そこからはエンジン全開フルスロットルで、ポジションチェンジを多様し鈴鹿のマークを外し小刻みにショートパスを繋いで狭い局面を打開するお家芸ともいえる見事な連携を見せる。終わってみれば4ゴールを奪って見事にHondaFCらしいサッカーで鈴鹿に勝ちきった。一方で、鈴鹿は後半立ち上がりにハイラインからセカンドボールを取れるようになり、鈴鹿ペースで相手陣内で試合を有利に進行した場面もあった。しかし、裏をねらうHondaFCの逆サイドを巧みに使ったカウンターを立て続けに受け、そのせいか最終ラインもズルズルと下がる場面が多くなってしまった。試合終盤惜しいショートもあったが結局鈴鹿は2,641人という観客数が入ったが追加点を上げることはできず、今期ホームで初めての黒星となってしまった。
vs HondaFCプレビュー
奈良クラブとしては、HondaFCとの対戦は3/19に開催された第2節のロートフィールド奈良で戦った以来となる。およそ2ヶ月ぶりの対戦となるがHondaFCの基本フォーメーションやシステムはあれから大きく変わっていない。奈良クラブ戦から、攻撃時では最終ラインの2CBの間にボランチが入って3バックとなり、ボランチとSBと合わせてプレス回避してビルドアップしてくることが多くなった。そこからサイドを中心にして狭い局面で数的優位を保ち、ショートパスを多様して局面の打開を続けていくと、気をみて逆サイドへ大きくオーバーロードしてアイソレーションでマッチアップさせ決定機を作り出す。または、相手がハイラインであれば、最終ラインからロングボールを惜しみなく放り込んで速攻で裏を狙ってくることもよく見かける。一度相手陣内へ押し込むと,HondaFCの最終ラインは2CBとなり、センターラインの内側まで入ってくるので、セカンドボールをほとんど回収され、連続攻撃を受け続けることが多くなる。守備面では、相手の最終ラインに対して前線がアグレッシブにプレッシングをかけて積極的にボールを奪いにくる。そこでボールを奪えなければ即時帰陣して、組織的で強固なブロックを作ってくる。そして、ボールホルダーに対してしっかりと圧力をかけて詰め寄り、連動してパスコースへ入ってインターセプトを狙ってゴールをがっちりと固めてくる。
そんなHondaFCの要注意選手はボランチの7番。プレス回避や相手陣内での押し込む展開など、HondaFCの攻撃は基本的には彼から起点となることが多い。とはいってもポジションチェンジを繰り返すHondaFCでは、彼以外の選手が攻撃の起点となることがよく見かけるので、彼だけをチェックしていればよいという訳ではない。そこもHondaFCの強さのポイントだろう。また、守備面でも組織的に統率されているのは、彼の落ち着きによるものが多大に影響しているのではないだろうか。
その他の要注意選手は、攻撃時に左右のシャドーの役割を担う5番と10番と、昨年のJFLの得点王でもあるCFの13番だろう。ボランチの7番と彼らが絡む攻撃は、もはやJFLレベルを遥かに超えているのは今さら言うまでもない。さらに付け加えるならば、スピード溢れる突破力と技術力がJトップレベルの左SBの4番か。
こんなHondaFCとはいえ、先述した通り前節の鈴鹿戦までは本調子とはほど遠い内容であった。それが鈴鹿戦では目を疑うような内容へと変化していた。それがどうしてなのかは、監督に聞いて見ないことには詳しくは分からないが、おそらく毎年の天皇杯にかけている強い気持ちが、HondaFCは尋常ではないものを持っているのではないかと想像する。その高いモチベーションが、鈴鹿戦で再度エンジンをかけ直すことに成功したのだろう。
そんなHondaFCに対して、まずは奈良クラブの攻撃面としては、前節の高知戦で効果的に前進していたプレス回避を、HondaFCの強力なプレッシング相手でも上手く突破できるかがポイントになるだろう。高知戦ではボランチの森田選手と可児選手が、まさに阿吽の呼吸でよいバランスと距離感を保ってプレーできていた。前回のHondaFCとの対戦では、CHは森田選手1人だけだったのでそこを狙われ、プレス回避できずに自陣でボールを数多く失っていた。そのため、おそらくダブルボランチに慣れ親しんでいる今の奈良クラブの選手達にしてみれば、ダブルボランチの方がしっくりくるから高知戦では上手くプレス回避できていたのだろう。そして、同じく高知戦でもよく見せた、同サイドからGKを経由して逆サイドへ展開して、空けたスペースをつくプレス回避を、HondaFC戦では何度見せることができるかが重要となる。そして、そこから両SBを起点にして、速攻でCFへ質の高いクロスを上げることができれば、ゴールも必ず生まれるだろう。
守備面としては、前回のHondaFC戦では前線で上手く誘導しておいて、中盤で連動してボールを奪ってそこからショートカウンターへ何度も繋げていた。またロングボール対応も両SBがしっかりと詰め寄りサイドへ切っていた。今回も奈良クラブがしっかりと失点0で抑えることができるかも勝利のポイントにだろう。とはいっても、HondaFC相手に例えゴールを奪われたとしても、選手やファンサポーターは過度に落ち込むことがないようにして切り替えて貰いたい。同点にさえ持ちこたえていれば延長戦やPK戦もある。このHondaFC戦では派手さはいらない。粘り強く戦うクレバーさが重要だ。
そんな天皇杯1回戦HondaFC戦の得点予想は…
2-2でPK戦にもつれ込み、5-4で奈良クラブの勝ち!
HondaFCに前回の借りを返してまってろ仙台!!
バモバモ奈良クラブ!!!!!!