和歌山旅行記 1日目 前編(船橋~和歌山)

1. 前日譚

あれは忘れもしない、9月8日の22時…
俺は船橋にいた。

 船橋には、居酒屋に呼び込む店員、ガラの悪い兄ちゃん共、ケバイ女、とにかくこの世の«ガラの悪さ»が揃っていた。まさにこの世の果て。恐怖感を覚えながら陰キャの俺は深夜バスの集合場所に歩みを進める。
 南口のドンキの前、喧騒の中に数人の『猛者』がいた。眼鏡をかけたオタク、挙動不審の若造、地雷系の女。皆目的は同じだ。大阪に行きたいのだ。30分ほど時間が余ったのでドンキで歯ブラシを購入。50円ととにかく安い。宿泊予定のゲストハウスには歯ブラシがついているようだが、そういう備え付けのやつはブラシが硬くてあまり好きじゃない。戻って少し待つと、猛者がわらわらと集まっている。少し待つと、街灯の光からヘッドライトを灯した、輝かしいアウルライナーの深夜バスが到着した。

https://www.bushikaku.net/bus/1393532/?fromPref=tokyo&toPref=osaka

 アウルライナーの深夜バスは、3列シートで船橋発、池袋、京都を経由して大阪梅田に至る。船橋-池袋で5,000円。3列シートのバスではかなり安い。
運転手に名前を申告し、アルコールで消毒して車内に入る。窓際の自分の席に座り感じたのは、シートの広さ、余裕があるということだ。4列シートではこうはいかない。昔4列のバスで狭くて寝れず地獄を見た。安かろう悪かろうを売りにする深夜バスといえど、ある程度の快適性は欲しいものだ。
 バスは首都高を進み池袋に至る。俺は睡眠薬を飲み万全の態勢で睡眠に入ろうとしたが・・・眠れない。旅行の高揚感で眠れないのだ。結局海老名SAでトイレに行ったのち、別の睡眠薬も飲んで強制的に脳をシャットダウンさせた・・・

2. 大阪

 起きたらバスは、大阪に到着する寸前だった。まもなくしてバスから強制的に降ろされる。睡眠薬の効果で朦朧としていた俺に強烈な朝の光が舞い込む。徐々に意識が戻っていく感覚を覚えた。少し歩くと大阪駅だ。せっかくなのでかすうどんを食べたいと思い店を探すが、近くにはないようだ。乗りたい電車の時間が迫り焦ったので、適当にエキナカのうどんを食す。

 なんか、うどんをすすった時に柔らかな出汁の味がして、「あっ、関西に来たんだな」と思った。まあかすうどんはなかったけど。どこにも置いてあるわけじゃないのね。
 うどんを食して18きっぷで大阪駅に入る。通勤の時間で人がいっぱいだ。なれない場所で迷子になりそうになったが、案内をたどりに1番線に向かう。

これが大阪環状線だ!

 なんかとにかく行き先がいっぱいなんですよね。ビビる。

大阪環状線のイメージ

 東京の民は、「環状線といえば山手線で、ずっとぐるぐるしているもの」と考えるが、大阪環状線はさにあらず。電車の行き先を確認しないと奈良やら関空やら和歌山たら、変な方向に連れていかれてしまう。やっぱ怖いスね大阪は。
 そういうわけで8時3分発の関西空港・和歌山行きの電車に乗る。この電車は日根野駅で行き先が分かれ、車両によって関西空港に行くか和歌山に行くか変わってくる。最初乗った電車が関空行きだったので、途中の駅で慌てて列車を移動。阪和線を進んでいくと、車窓風景に田んぼがぼちぼち増えるようになる。そして山中渓駅を過ぎると、丘から見下ろすように和歌山の町が見えてくる。

3. 和歌山

 さて、9時44分に和歌山駅に着く。県庁所在地の駅なので、さすがにある程度は大きい駅である。当初行く予定だった友々島は日程的にきついのでキャンセル。取り急ぎバスにて和歌山城へ向かう。

和歌山城の別名「虎伏山」にちなむものらしいが、予備知識がないと謎のトラさんの像
本丸御殿跡から眺める天守閣

 思ったよりも楽しめた説はあるが、次の電車があるのと和歌山ラーメンを食べなければいけない(義務)ので、なくなくこの場を立ち去る。和歌山市動植物園とかちょっと行きたかったのですが。

 じゃけんラーメン食べましょうね~

 思わずネギだくにしたが美味かった。天一に近いこってり感だが醤油の味が強く出てていいと思う。卓上の醤油を取ってラーメンに掛けると味が濃くなり、より楽しめる。醤油はみりんにちかい味でカエシを出しているのかと思ったが、湯浅の醤油かもしれない。店員はマイルドヤンキー感のある若い女性一人だった。ワンオペ出来てすごいンゴねえ。

 10時55分に和歌山を出発して、俺は次の目的地「湯浅」を目指す。

 

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