女にされたセカンドレイプ

今から15年以上前、16歳のとき、私は痴漢にあった。

朝の中央線上り、武蔵小金井駅から二駅ぐらいの痴漢だった。

今まで子どもであった自分に、年上の大人が男を、欲求を、性を、一方的にぶつけてくる感じに非常に違和感を覚えた。

生理がこようが、ピアスをあけようが、髪の毛を染めようが、私は精神的に幼い方だったのかもしれない。中学から女子校なのも関係あるのかな。

まだ女性としてのアイデンティティが育ちきっていなかった。

こちらが名前も知らない人に女として見られていることに気付いたのはこの時が初めてで、大変戸惑った。

このあとから25歳くらいになるまで怒涛の性被害に遭い、勝ち気な私はそれらの加害者と喧嘩しまくるのだけど、それはまた今度にしたいと思う。


私は非常に不快な気持ちで学校に着いた。

自分の席でため息をつくと友達?が話しかけてきた。

友達のあとにはてなマークがつくのは、私が友達だと思ったことがないからかもしれない。

正直言って気が合わない。

男が大好きで、誰にでも恋をして、授業中はずっとセンター問い合わせをしていて、人のプリクラを穴が開くほど見て、人のことを自分より上か自分より下かで判断し、上だと思った人には媚びへつらって下だと思った人には何をしてもいいと思っている。

今となっては嫌いなところを列挙すればキリがないが、仲がいい子の友達の友達で中3から所謂同じグループの子であった。

その子がめざとく「何かあったの?」と聞いてくる。

あまり人に言う話じゃないけれど、この子も前に痴漢に遭ったと言っていたし気持ちを分かってくれるかもしれないと痴漢にあって今も吐き気がすることを打ち明けた。

この後の一言が所謂セカンドレイプであることをひょんなことから知り、文章にしてみることにしたのだ。

彼女はヘッと笑った後にこう言った。


「女に見られて良かったじゃん」


この時の自分の顔見て見たいな。相当な顔してたと思う。その表情は呆れた顔っていうのに分類されると思うんだけど、ちょっと呆れたから呆れた顔をしてみようウシシ、なんていう脳の動きはひとつもなく、純粋に心から出た呆れ顔だもの。

呆れ顔 by 100%made in KOKORO



このあと私はある男子高校生に恋をする。

その男子は私に呆れ顔をくれた彼女の過去の想いビトで、彼女は盛大にフラれていた。


こともあろうに私は彼の連絡先を彼女からGETする。

あまり覚えていないのが残念だが、言葉巧みに彼女を誘導した。

彼に、私に連絡先を教えてもいいかちゃんと許可をとるようにも言った。念には念がいっている。

教えていいって!とメールがきたときは嬉しかったっけ。


それが夏休み。

クリスマスにはその彼と新宿でお揃いの指輪探してたっけ。

THE鬼の所業。


彼女、付き合ったって伝えた時に走って教室から飛び出してしまったな。

あれさ、今なら分かるけど、彼に対しての感情じゃなくて、下に見てた私に出し抜かれたのが嫌だったんだろうな。


保身じゃないと前置きしたいけど、正直にいうと保身なのですが、他の友達なら正直に好きになったことを打ち明けて事前に相談したと思う。



それから彼女とは高校2年生も同じクラスになったから、他の子とグルになって一瞬攻撃してきたけど、すぐおさまったな。


今は関わりがないけど、面白い話は耳に入ってくる。

結局のところ、私も彼女のことを下に見てた。

そんな彼女から血も涙もない発言をされて、彼女が私のことを下に見ているのが明確になった。

だから私は更にマウントを取り返した。


う〜怖い。

女の敵はいつも女だと、私は思っている。



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