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アメリカでの不妊治療 - 体外受精(IVF)を経て出産した話
渡米の少し後から妊活を始め、数年かかったけれど、今年に入ってから第一子を出産することができた。恐らく日本とは違う部分もあると思うので、誰かの参考になればと思い記録しておく。ちなみにこの記事では出産まで辿り着かなかったので、出産編はまたどこかで
ちなみに、友人とやっているPodcastでも妊活と出産の話をしたので、良ければこちらも聞いて欲しい
妊活・不妊治療の進め方
不妊治療の際、医師に説明されたり調べたりして理解した妊活のステップは以下の通り。ちなみに聞くところによると日本でもこの進め方については大きな差は無いようである。
Step1 タイミング法
月経や排卵の周期を把握して、排卵日前後にタイミングを取る(これは妊活用語で性交渉をする、の意)方法
生理周期と排卵や授精の関係性についての説明は割愛。基礎体温を測る以外にも排卵日を調べる方法として排卵検査薬を使っていた。妊娠検査薬に似たスティック状のもので、尿をかけると排卵日が近いのかどうかが判定できる。デジタル表示のものがわかりやすくて良かった
Step1 で半年〜1年程度妊娠に至らない場合、次に進む。私の入っている保険の場合、1年間(35歳以上の場合は半年間)妊娠しなければStep2が保険適用になるルールだった
Step2 人工授精 (IUI)
ここからがいわゆる不妊治療。エコーで卵巣の様子を定期的に確認し、排卵の時期に合わせて採取した精子を洗浄・濃縮しスポイトで子宮に入れる方法
うまく受精して着床すれば晴れて妊娠となる。1回あたりの成功率は10%程度と聞いていた。恐らく年齢が上がったり疾患がある場合にはさらに低くなると思う
私の保険の場合は、IUIの保険適用は6回まで。以降は別の保険に入るか自費でStep3に進むことができると言われていた
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Step3 体外受精 (IVF)
高度不妊治療と言われるもの。エコーで卵巣の様子を定期的に確認し、排卵直前のタイミングで膣から針を刺して卵巣から卵子を取り出し、その卵子と精子を体外で受精させ、その受精卵を妊娠しやすい時期に子宮に戻す方法
本人の希望と病院の方針にもよるらしいが、投薬によって通常より多くの卵胞を育ててより多くの卵子を採取することができる。数十個の卵胞を一度に育てるため卵巣は腫れ、卵管から捻れると激痛だから体を曲げる運動を避けるように言われた(怖)
卵子を取り出す部分は全身麻酔で行う。受精させた卵子は数日培養した上で一度凍結した方が成功確率が上がるらしい。複数の受精卵が育った場合には凍結しておいて第二子のために使うこともできる。
日本では基本的に認められていないが、アメリカでは受精卵を子宮に戻す前に遺伝子検査を行うことも可能。それぞれの受精卵について遺伝的な疾患の有無や性別を知ることができる。性別は知らせないようにしてもらう選択肢もあった
![](https://assets.st-note.com/img/1718858690867-bOdAt3b14I.jpg?width=1200)
病院の決め方
Step2まではそれまで入っていた保険でKaiserPermanente にかかっていたが、Step3 に移行するために別の病院を探す必要があった。
私たちの選定条件
保険の適用範囲であること
これは必須。最初はKaiser Permanente の保険の適用範囲でStep2までの治療をしていたが、以降はサポートされないとのことでStep3までカバーされる保険を追加した(たまたま保険更新のタイミングだった)
治療の成績が良いこと
各病院で公開されているデータや、こちらの比較データを参考にした
https://web.archive.org/web/20220926135719/http://sanfrancisco.fertilitysuccessrates.com/report/san_francisco/women-under-35/data.html
*見られなくなっていたので Internet Archive のリンクを貼っておきます。データは数年前のもののようです
レスポンスが早く必要な説明がされること
生理周期に合わせて即日対応が必要な検査なども多いため、連絡が早く適切に返ってくる病院を選びたかった
通える範囲の場所であること
結構な頻度で検査などをする必要があることがわかっていたので、週に何回か通うのに無理がない範囲であることも条件になった。結局選んだのはSan Ramonに本院がある病院だったが、採卵と受精卵を戻す処置以外の、検査などはSan Mateo と Los Gatos にある分院で行うことができた
![](https://assets.st-note.com/img/1718858838290-hL8pNcMhmE.jpg?width=1200)
候補の病院3つ
最初の2つの条件で選んで候補になったのが以下3つの病院。どれも通える範囲だと思ったので、それぞれ問い合わせをした。結局一番レスポンスが早かったRSCで治療を受けることにした
医師の指定も特にしなかったので、連絡から最初の診察予定日まではちょうど1か月ぐらいだったと思う。もし女医さんが良い、みたいな希望があればもう少し待つ期間が長くなっていたのかもしれない
https://www.sutterhealth.org/pamf/services/fertility
参考にさせていただいたブログ
治療の経過
1年目
Step1 の方法を半年ほど試みたが妊娠に至らないため婦人科の主治医に相談したところ、同じ Kaiser Permanente という病院グループの不妊治療専門医へ紹介してもらえることになった。ただし待ち行列が長く、紹介から最初の専門医の診察まで半年ほどかかった
2年目
専門医の診察を受け、ここから不妊治療を開始。最初は検査や予防接種をしてここでさらに4ヶ月ほどかかった。日本で数年前に既にワクチン接種していたが、血液検査の結果風疹の抗体が無いことがわかり再度夫婦で受け直したりした
毎月生理が来たら病院に連絡をし、指定された日に診察を受けに行く。エコーで卵巣を確認し、また数日後に卵胞の育ち具合を確認する。次の予約は毎回その場で決まるため、仕事の調整をつけるのが大変だった。この時期はほぼ出社なしのリモートワークだったので本当に助かった
排卵の直前になったら早朝に精子を採取して病院に持ち込み、昼過ぎに訪れて子宮に入れ、2週間後に妊娠検査薬で陽性になるかどうか確認する。どのプロセスもショートカットができず、何もできずにただ待つ2週間はストレスがすごかった
以降は想像以上に個人的な話になり、インターネットの海に放流するにはちょっと気が引けてしまったので、すみませんがここから有料です。ちょっと辛い話があるので、読むのが難しい人は3年目まで飛んでください
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