結局わたしは手捏ねがしたいのか問題
去年、シュトレンを焼いた時に強力粉を2.5kgも買った。元々製菓製パンの趣味はさほどなく、当然だけれどかなり残った。
少しずつ減らしていったが進捗よくなく、いまになってあわてている。
シナモンロールを焼いて、ベーグルを焼く。
甘い菓子パンをあまり好まないので、シナモンロールは一度で終わった。
ベーグルを焼くのは好きだ。
バタもオイルも牛乳もスキムミルクも、油分らしきものをなにも使わない。粉と砂糖と塩とイーストだけ。
このシンプルさのよいところは、あとの洗い物がべたべたしないことだ。これはものぐさにとってはとても、とても重要なことだ。とても重要なことなのです。
先日、古い餅つき機を処分した。
年末しか使わないし、餅つき専用機で、しかも大きい。
パンも焼けてお餅もつける、サイズももっと小さいものにいずれ買い替えたらいいんじゃない?などと話して、思い切って捨てた。
せっせと強力粉を捏ねながら、そういえば年末も来るし餅つき機(ホームベーカリー的な)どうしよう?と思い出した。
買うならいまかも。もう11月だし。
で、調べたのだけど。
ホームベーカリーって、もん…っのすごい色んなことができる。
パンは焼けるわ、餅はつけるわ、芋も焼ければ、ヨーグルトも生成し、果てはキャラメルまで作れる。
眩暈がした。
なんだか怯んだ。
わたし家電が苦手だ。
あれこれたくさんの機能がついているものを、これまでほとんど使いこなせた試しがない。
炊飯器も湯沸かし器も持っていないし、家に備え付けの食洗機だって引っ越してから一年以上使わなかった。
使いこなせない理由はなんとなくわかっている。
暗記が苦手なので、使い方というか、ボタンを押す順番など基本的なことがとにかく覚えられない。というか覚えたくない。
あらかじめ決められた手順にそのとおり素直に乗っかることが多分苦手だ。
なので、逆に専用機というものは好きですね。
このあいだ、ほんとに使うんか?と思いつつ、生クリームを少量ホイップするだけに特化したちいさめのかわいい子を衝動買いしてしまった。
専用機なんてもったいないという論もわかりますが、わたしのようなちぐはぐな者もいるのです。
手のなかではさっきからベーグルのかたい生地が少しずつなめらかにまとまって、ぽってりとあたたかくなっていく。
何年も前、ベーグルが日本でメジャーになり始めた頃、ベーグルという食べ物はもっとみっちりと中身が詰まっていて、謎の歯応えがあるやや食いにくさすらある存在だったはず。
それが次第に、やわらかく甘いパンが基本の日本人の舌にあわせてサイズは大きめに、そして食感がふんわりしてきたような気がする。
そうだ。自分でベーグルを焼くのが楽しくなったのは、あの密度の高さが自分で調節できるからだ。
自分の手で自分の好きなものが作り出せるのは楽しい。
ん?
ホームベーカリー。
いるんか??
え、でもお正月のお餅が……おもち……
あー……
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