チェコの新進気鋭な映画製作者をご紹介!
投稿の間隔が空いてしまいましたが時は既に秋、2024年も後半になりました!早すぎる。10月に迫ったチェコフェスの準備も始まりまして年内わずかのブログ更新になりそうです。
今回はとても手前味噌なのですが友人の映画製作者ルカーシュ(Lukáš Bulava)をご紹介させてください!
以前にもご紹介したカルヴィナーという街出身の彼は地元愛が強くカルヴィナーエリアやオストラヴァ近郊の廃墟、廃工場などで映画やプロモを撮影しています。
チェコの映画産業に焦点を当てたドキュメンタリー作成やメディアへのインタビューにも登場しています。
ストリートカルチャーとホラー、映像制作をこよなく愛する彼を紹介していきます!
チェコのホラー映画
さて、まずはホラー映画ですが・・・チェコにももちろんあります!
私自身ホラー映画は子供時代からの大好物。
特に白黒映画、特に『吸血鬼ノスフェラトゥ』が大好きです。1922年製作のドイツ表現主義・サイレント映画ですがなんとチェコにも吸血鬼映画がUpír z Feratu / Ferat Vampireとしてあるんですね。
他にも少し古いですがSpalovač mrtvol / The Crematorなどホラー好きにオススメの映画がたくさんあります。
社会主義体制が崩壊後のチェコ映画産業
カセットテープやビデオテープを使っていた時代。
日本ではZ世代にとって石器時代並みのアナログな時代ですね💦
不便だったけど色々楽しかった時代です。
その時代チェコってどんな感じだったかといえばまだチェコスロバキアで西側の娯楽や映画がまだまだ規制されていた時代でした。
勿論チェコ国内にも良い映画はあるんです。しかし禁止されているものに限って見たくなるもの。秘密裏にダビングも横行していた時代です。
オストラヴァ含むチェコの各都市には闇市場があり西側の色々なビデオテープや物を手に入れることができたそうです。さすがの政府も全てを監視することはできなかったそうですが、オストラヴァ中心部でも大々的に行われていました。警察も見てみぬふりどころか警察も買っていました。
その当時札束さえ見せれば何でも手に入る時代だったんです。(この時代のエピソードはいつか別記事にしたい!)。
そして社会主義体制が崩壊した途端色々な娯楽や映画や音楽が公式としてドーンと西側からチェコに流れ込んできます。
「ハリウッド映画キターーーーーーーーー!!!」
という感じで、外国映画にアフレコや字幕を付けていく人々がいました。
勿論その前にも海賊版を手がけていた人たちです。
しかし現代のようなクオリティではありません・・・。字幕はまだしも、アフレコは全く役になりきってない抑揚のない口調なので場面によっては笑いを誘います🤣
品質は二の次でとりあえず伝わればいいやという感覚。
「ベストキッド」、「トップガン」、「エイリアン」など日本では普通に観られた映画もチェコではこんな努力の元公開されていたんですね。
実はLukasはその当時の翻訳者に焦点を当てたドキュメンタリー「Králové videa / ビデオの王様」も作りました。
日本人としてはなかなか興味深い話ですが、当時のチェコ人には文明の道がいきなり開かれた歴史的瞬間でした。
チェコ語が分からなくてもハリウッド映画に「取り急ぎ」な感じでアフレコつけてるのが分かると思います。こちらがドキュメンタリーの一部です。
Králové videa HD Trailer CZ
このビデオの王様については2020年にチェコのインターネットニュースサイト「Novinky.cz」にてインタビューが掲載されているのでチェコ語わかるかた(Google先生に翻訳してもらうのも👌)是非ご覧ください。
▷ Filmař Lukáš Bulava: V rychlodabingu byla svoboda
もうひとつインタビュー記事ではOstrava / オストラヴァについて語っています。90年代初頭日本と同じくチェコにもストリートカルチャーが入ってきました。
そこから派生したスケートボード、インラインスケート、HIP-HOPなどのストリート文化が根づきました。ルカーシュも夫もその文化にどっぷり浸かって今に至ります。
オストラヴァでも火がついたストリートカルチャーですが、今は下火に↓
前回オストラヴァに行った時は街で唯一(かも?)のスケートショップに行ってきました!
かくいう私も高校時代はスケートボードをやっておりストリートカルチャーの一時の衰退を目の当たりにしていました。しかし今はオリンピックの影響もあり徐々に回復の傾向・・・かな?
今でもチェコに行くと会う友人はほとんど元スケーターです(笑)。
そういえばチェコのバンドWohnoutも元スケーターでした。
初の自主制作映画「Karbon」
こちらが2013年に撮影された「Karbon」。
ちょいグロありますが・・・炭鉱での採掘活動でその地域にどのような影響が出たのかを独自な手法で表現するサイコホラー映画です。
私個人的にはやはりホラー映画は白黒に限る!と思っています。
見ていると70's と 80'sのイタリア映画に影響を受けた表現もあり。
初期の段階から私の夫もグラフィックなどでお手伝いしていて公開に漕ぎ着けた映画でもあります。
夫とルカーシュはパブで知り合い、インラインスケートや登山、ストリート系の集まりで更に意気投合し今に至ります。
プロモではアメリカのクロスオーヴァー・ミクスチャー・ハードコア・バンドDOG EAT DOGを私の夫がモーショングラフィックで参加してチェコでのツアーを盛り上げました!
今見るとモーショングラフィックのエフェクトが当時の流行りそのままで懐かしく感じます。
日本での公演ある際はもちろんプロモに参加します!
そのプロモがこちら、ルカーシュの映像と私たちのモーショングラフィックのコラボ。序盤少し閲覧注意かも。オエー💦なところあります(笑)。
OKRというラップトリオでも活動中
実は映像のみではなく歌もやっております。
OKRとはOstravsko karvinske dolyといい一般的にオストラヴァ、カルヴィナー地方の炭鉱地帯を指します。炭鉱が集約された特区という感じですね。
そのOKRをなんとグループ名として使いヒップホップ黎明期さながらのスタイルで最近レコーディングしたのがこちら。
Politické RádioとはOKRが参加しているストリート系プロジェクトです。
▷▷ Youtube: Horrorwatch
Horrorwatchでは今までの映像作品を見ることができます。
多方面で活躍しているLukášとはほぼ毎日チャットでやり取りをするぐらい親密な夫ですが、近い将来チェコか日本でコラボできればいいな〜と思っています。
それでは今日はこの辺で。
Zduř!