福岡のクリエイティブ『BOAT』vol.1 森山
福岡のクリエイティブ「BOAT」って何?
一クルーである私も最近解りかけて来たのでクルーの事や思い出をしばらく随筆していこうと思う。
第一弾はもりやまたかひろ編
made in heppburnのボーカリスト
宮崎のフェスに向かう道中で、つい先日失恋をしたらしいご傷心の森山の話を聞いた。
こんな歳にもなれば正直他人の別れ話なんて聞き飽きているのであまり深くは掘り下げ無かったが、もがく姿は脱皮寸前の幼虫を見てるような気分で
『ああ、こいつライブで何かやるだろうな』と五感で予感するに至った。
本人が自覚しているかは分からんがこの男は、頭悩ませても行き着く先はクリエイティブ、という回路が備わっている。
BOATという共同体では、別のバンドと肩を並べて互いの曲をやったり普通にバンドやっててもあまり感じる事の無いような得難い刺激を間近で垣間見れる。
ライブスタイルも柔軟で、ある日にはラッパーがいたり、管楽器がいたり、主役も決まっていない。
その日の魚で料理を決める小料理屋の如く、
毎回鮮度の高いライブをしている。
話は戻り宮崎ライブ、宴もたけなわ。
あとアウトロで全9曲のライブ終了。すでに良いライブが出来たと一安心していた。
だがしかし、森山はライブパフォーマンスを続け、エンディングを無闇に引き延ばし、演奏をなかなか終わらせてくれない。観客に、僕らに、自らに語り掛けるように続ける。
そんな彼の横顔が愛おしく思えた。
皆がそれに追随した。
そして最後の一音の気持ち良さが忘れらない。
静かに熱を帯び、ピーク(ライブ本番)で上手に火花を散らした彼は
今頃一人泥のように寝ているのだろう。
夜深く、帰郷した福岡のビジネスホテルで
(次回は誰にしようかな。またね〜)