沖永良部島 コーヒー加工 果肉と豆分離


こんにちは、前回コーヒーチェリーを収穫して
テンションが上がりっぱなしのZKです。 口に含んだコーヒーの果実は
少し青くそして甘い。幸せな気持ちに満たされ、自然と笑みがこぼれます。

さて、農園で収穫したコーヒーの実。
当然このままでは抽出できませんから実の中から豆を取り出す作業が
必要です。ということで、続いては豆と果肉の分離作業です。
農園では行えないので、沖永良部島珈琲研究所(農園オーナーの
自宅)に場所を移して作業を行いました。

お米でいうところの籾を籾殻と穀粒とに分離する作業行程です。
コーヒーの果肉と豆をどのように分離するのか?
そこで登場するのがこちらのマシーンです。

こちらのマシーンは、ノアコーヒーさまと地元の機械製造メーカーさまとが協力して開発した、ウルトラでスーパーなコーヒー豆の分離機。
日本で唯一 なので世界で唯一の分離機です。 WOWWOWWOWWOW。

作業の流れは以下の通りです。
機械左上のホッパー部分にさっと水洗いしたコーヒーチェリーを投入
電源をON!
中央上部のラセン状の機構により、ホッパー部のコーヒーチェリーを
果肉と豆とに分離する本機械の心臓部へ一定量ずつ搬送
機械右上部のマル秘部を通過したコーヒーチェリーが機械下部に落下

あら不思議。豆と果肉がきれいに分離されて出てきます。
どうやって分離されるのか?? この部分は企業秘密だそうです。
分離された果肉と豆は網の上で選別されて径の小さな豆は真下のトレイへ、
径の大きい果肉は機械の右外のトレイへ

大きな果肉部は機外へ 網の目より小さな豆は直下のトレイへ落下

午前中にツアー参加者が収穫した、バケツいっぱいのコーヒーチェリーが
わずか数分で選別完了。
処理能力高さにも驚きましたが、選別精度にもビックリ
ほぼすべて果肉部と豆とがが分離されています。

ノアコーヒーのオーナー曰く、
「分離する作業の問題点をすべて解決したのがこの機械」だそうです。
自慢するだけのことはあります。

海外のコーヒー農園でも、この分離作業は非常に大変。
人力もしくは、潤沢に水のある地域では、大量の水で果肉部を
そぎ落としているとか。
しかし、果肉をそぎ落とすには相当量の水が必要で、
水利問題が発生しているそうです。

目の前のスーパーでウルトラな機械でも水を使ってはいますが、
水道の蛇口を軽くひねって出る程度の水量。
海外で問題になる、大量の水使用とは程遠いものでした。
この機械の機構はおそらく世界中のコーヒー業界から注目されるのでは??と思いました。

コーヒー果肉と豆との分離は、コーヒーの香り、味にも大きく影響する行程
現在は、コーヒー豆の発酵に関して研究が進み、嫌気性発酵、
好気性発酵などによりコーヒー豆に付加価値をつける潮流があります。
コーヒー豆の発酵については、非常に興味深くぜひとも取り上げたい話題
なので、別の機会にまとめたいと思います。

果肉から分離されたコーヒー豆に触れると少しヌメリを感じます。
ミューシレージに初めて触れました。
この後、ノアコーヒー様では、温度管理可能な低温熟成乾燥機で
乾燥させるそうです。

ここで豆交代。
あらかじめ収穫し、水洗後果肉のついたまま乾燥機にかけた豆が登場。

収穫時よりも水分が抜けているので、径が小さくなり、色も鮮やかな赤から
赤褐色になっています。

乾燥後の果肉付き国産コーヒーのコーヒーチェリー 体積がだいぶん小さくなっています

これを、ブラジル製の脱穀機(破砕??)にかけます。

上から豆を投入 破砕して軽い部分が機械左側のビニール袋の中へ 風選方式ですね


すると、機械の中から ガリ ガリ と音がして、豆と
乾いた果肉がいっしょくたに落ちてきます。
皮などの軽い部分は風によって、機械左側のビニール袋の中へ。
このビニール袋を左の風抜け部にかけておかないと、研究所の中が
殻だらけになるそうです。ビニール袋のかけ方もいろいろと苦心されたとか

下側に落下した豆と風選で除去しきれなかった大き目の殻などが混在した
ものを机に広げて選別作業開始。いわゆるハンドピックってやつで、
これが結構大変です。 モクモクコツコツ好きなZKには楽しい作業でしたが
ハンドピックは難しいです。どこまでを欠損豆として取り除くのかのライン
をどこにするのか? 厳しくしすぎると豆が残らないし、甘くすると、
豆の品質の低下にもつながります。
お店のスタッフの方は手際よく選別され、ツアー参加者が一度はじいた
欠損豆の中からも敗者復活豆をピックアップされていました。
根気とある程度の経験が必要な作業です。

一番右がコーヒー豆 真ん中は殻 左側は欠損豆。

これで、コーヒーチェリーから豆を取り出す作業までが終了しました。
ここで初めて知ったこと
収穫したコーヒーチェリーのうち、コーヒーとして活用されているのは
約3割程度。そのほかは廃棄されてていることが多いそうです。
なんとも贅沢な話ですし、有効活用方法が広まるといいな。
現在では、生の状態の果肉部を「カスカラ」と呼びこの部分の活用した
商品の開発も進んでいるそうです。
カスカラは、「カス殻」ではなく、cáscaraです。スペイン語で「籾」を
意味するそう。

今回、日本に1台(世界に1台)の機械を見学し、その作業能率と、
開発にかける想いをしりました。

次回は、焙煎作業体験について書きたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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