娘が歌う「恋」のうた
3歳の娘が日々歌う「うた」について。
うた
1日に何度も耳に流れてくる娘のうた。大きな声でにこにこ楽しそうに歌う時もあれば、覚えたてでたどたどしく、つぶやきほどの小さな音を紡ぎ出すこともある。
保育園でみんなと歌ったうた、
テレビで流れるキャッチーなCMのうた、
好きな番組のオープニングで流れるうた、
そして、私や夫の好きなうた。
「恋」のうた
私の夫は仕事柄運転が長い。高速道路の情報を得る目的もあわせ、ラジオを流していることが多い。そして、なんとなく耳に残った曲を、家に帰って私や娘に聴かせてくれたりする。
その日も、アレクサにお願いして歌を聴いていた。私たちは、これ若い子に人気あるんだってね、声きれいだね、と話をした。伸びの良い女性の歌声が心地よい。
娘は、本棚の前で、寝る前に読む絵本を吟味したあと、はたと顔を上げ、流れる歌に合わせて口ずさむ夫の顔をじっと見つめて言った。
「ねぇ、″まりーごーるど″って、なに?」
あいみょん
そこからは、もう、早かった。
自粛期間、約2ヶ月保育園をお休みした間、BGMはずっと、あいみょんの″マリーゴールド″。
″むーじわーらのぉー ぼおしのちーみが ゆれるまりーごーるどに にーてるー あれはっ そぉらが まだあおいなつのこーと なつかしいと わーらえた あのひのこーい″
3歳の娘が、まだ知らない「恋」のうたを歌う。この″ちぐはぐさ″は、あと何年感じることができるのだろうか。これからどんなことに、どんなひとに恋をするのだろうか。なんだか胸がそわそわする。
拙くも奏でるメロディ、たまにこんがらがる歌詞、そして、すこし背伸びした横顔。
子どもから大人へと成長するその隙間を見ているようで、こそばゆい。
もっとずっと、このうたを聴かせてほしい。
——-蛇足
去年、蒸れるのを嫌がってあまり被らなかった麦わら帽子。日差しが強いのに、とすごく困っていたのが懐かしい。この夏、「あいみょんの、む〜じわらの〜ぼうしのちーみが〜ゆれるまりーごーるどににーてるー、の、むじわらぼうし被っていくの!」と自ら準備をする娘。
あいみょんさん、ありがとうございます。マリーゴールドは素晴らしいうた。