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2021年1月の記事一覧
寒い冬の朝食に、ぬるいコーンスープを飲む話
「まだねてたいよ〜」
こぢんまりと膨らんだ羽毛ぶとんから、くぐもった声が聞こえる。
きなり色のふとんからは、ちいさな頭が覗いていた。
音を立ててカーテンを開くと、山がごそりと動く。
窓から薄く差し込む1月の日差しは、3歳の娘の髪の毛をきつね色に輝かせた。
リビングは暖房入れてるから暖かいよ。
そういうと、「こっちのほうがあったかいの〜」と、山はちいさく動きながら返してくる。
わかる。私も3
頭にこびりついていた、新生児の泣き声の話
バスの隣に座った女性が、大切そうに小さな赤ちゃんを抱えていた。
赤く、ほにゃ、とした顔は新生児を思わせる。
ふと、赤ちゃんが弱々しくも強い声をあげて、泣き出した。
その声を聞いて、忘れていた記憶が濁流のように流れ込んできた。
約3年半前、娘が新生児のころ、私の頭は常に娘の泣き声でいっぱいだった。
娘が泣いているときも、泣いていないときも。
◇
娘を寝かしつけるのに、1時間立ちっぱなしだった。
年に一度、家族のアルバムをつくって思い出話をする。
ここ数年、年末の休暇に、その年撮影した家族写真を整理している。
今回で4度目となり、すっかり夫と私の恒例行事となった。
整理した写真は、写真屋さんで紙に印刷をして、アルバムにする。
データ化した写真はとっても扱いやすい。
スペースを取らず、たくさんの写真を残すことができる。
ディスプレイで拡大してみることができて、動画だって残すことができる。
メールやSNSで、簡単に送り合ったりもできる。
け
子育ては忍耐の連続だと知る。
トイレトレーニングのお話が少しだけ出てきます。
「できないから、やりたくないの!」
口をへの字に曲げてそっぽを向く娘に、なんて声をかけたら良いか考える日々。
◇
できることを見つけて、慣れない手つきでお手伝いをしてくれる娘。
3歳半になる最近は、より勢いを増した。
私の家事、身の回りのお世話など、手厚く面倒をみてくれる。
「おみそしるのワカメ、娘ちゃんが入れるから、その時になったら呼んで
3歳の娘と、公園で見かけた女の子の話
表情は固く、あまり感情のこもっていない声だった。
「もしイヤって言われたら、悲しくなっちゃうから、どうしよう、って思ったんだよね〜」
娘は唇を突き出して、眉を寄せた。
なんだかこの言葉が妙に胸に残って、揺れるバスの中でひとり思い返していた。
◇
3歳半を過ぎ、娘はお昼寝のタイミングが難しくなってきた。
平日の保育園ではお昼寝をしているけれど、お休みの日はそのまま夜まで過ごすことも多い。