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こぎんnote

こぎん刺しとは

こぎん刺しは青森県津軽地方の伝統工芸で、青森県南部の南部菱刺し、山形県庄内の庄内刺し子に並んで日本三大刺し子のひとつです.

江戸時代、藩政によって木綿の着用を禁じられていた農民が防寒と補強のために麻布の目を塞ぐように刺し子をほどこしたことがこぎん刺しのはじまりと言われています.
寒さの厳しい津軽では綿が育たず、木綿の織物は大変貴重なものでした.
農民が着ていた巾の小さく短い野良着のことを【小巾(こぎん)】と言ったのがこぎん刺しの名前の由来と言われています.

明治に入り鉄道が敷かれると津軽でも木綿の織物が手に入るようになり、こぎん刺しは廃れていきます.
そんなこぎん刺しですが昭和に入り柳宗悦が民藝雑誌にこぎん刺しを紹介したことにより再び普及していきます.

今ではぬくもりのある手仕事として多くの手芸愛好家によって楽しまれています.
わたしもこぎん刺しに魅了されたひとりです.

わたしとこぎん刺し


わたしがはじめてこぎん刺しに出会ったのはハンドメイドのイベントでした.
小さなブローチに刺されていたかわいい模様.
調べてみるとそれはこぎん刺しというようで、それから自分でもやってみたいと思い独学でこぎん刺しをはじめました.
現在はkogin.netの山端家昌先生のもとでデザインとしてのこぎん刺しを学んでいます.

こぎん刺しをはじめてもうすぐ4年が経とうとしています.
教室に通ったり、手芸屋さんを訪ねたりするとこぎん刺しは有名な伝統工芸でみんながこぎん刺しを知っているような気がします.
でもそれはわたしが積極的にこぎん刺しのあるコミュニティに身をおいているからであって、実は多くの人がこぎん刺しを知りません.
それはこぎん刺しが農民の野良着にほどこされていたものであり、お殿さまに献上されていた織物や焼き物とは少しちがったからかもしれません.
当時の生活の中に当たり前にあって、特別なものではなかった.
こんなに美しいものが知られていないなんてもったいない.
わたしがこぎん刺しに魅了されたように
多くの人にこぎん刺しを知ってほしい
そんな想いで日々こぎん刺しと向き合っています.

想いだけでは後世の人に残せない

日々熱意をもってこぎん刺しに取り組んでいるわけですが、思っているだけ、気持ちだけではこぎん刺しを多くの人に伝えることはできません.

先日、キットをご購入くださったお客さまから
『こぎん刺し初心者だけどやってみたくて購入した.
こぎん刺しを学ぶのにおすすめの本はありますか.』
というお問合せをいただきました.
そのときはわたしがよく読んでいる本をお教えしたのですが、これでよかったのか...

こぎん刺しについて書かれた本はたくさんあります.
けれど自分なりの言葉や写真で伝えてみたい.
これまでも作家として活動しているなら何か文章を残しておきたいと思いながらも自分の文章力や知識に自信が持てず、なかなか重い腰があがりませんでした.
それでも独学ではじめたからこそ伝えられる何かがあるかもしれない.
そう思いnoteを書くことに決めました.
きっかけをくださったお客さまに感謝です.

大袈裟かもしれませんが未来にこぎん刺しを伝えていくために、目に見える形で記録を残していくことが現代でこぎん刺しをするわたしたちの使命のような気がしています.

noteにはこぎん刺しをしていて悩んだことや考え、研究してみたこと、作家として今取り組んでいることなど、こぎん刺しに関わるあらゆることをざっくばらんに書いていきたいと思います.

少し堅苦しい文章になってしまいましたが、次回以降はライトで読みやすいものになるようにしたいです.
これからこぎん刺しをはじめたい人
長く刺されている人にも楽しめるよみものになればうれしいです.
三日坊主にならないようにまずは最低でも5つの記事を書くことを目標にします.
この歳になって【継続は力なり】という言葉の大切さを見に染みて感じています.

それではまたお会いしましょう!


♢本日の1枚♢
わたしがはじめて作ったこぎん刺しの作品.
フェリシモさんのキットです.
今思えばいきなりハードルが高かった...!

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