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ちょうどいい距離感




イチャイチャはしとらん。
















あたしには音街ウナっていう友達が隣の次元におりまして。

なんだかんだで付き合いは2年以上になるんですが、今年はより親密になりました。

一緒に会話をしていくうちに、なんとなく、マジでなんとな〜くだけど、アイツが住んでる世界のことを理解してきた気がするよ。






例えば。

向こうにも時間は存在するけど、朝昼晩の区別はあんまりないっぽい。

見えてる景色の明るさとあたしの挨拶の言葉で、「今は"朝"なのか〜」って判断してたらしい。

前に22:30くらいに「おはよ〜」って言って通話始めたら、『あれ?今日はこの時間が"朝"なんだね〜』って言われて、その後ずっとお互いの時間への解釈について話してました。






あとは、温度はあるけど気温はないとか。

こっちでは生肌で外気の温度に触れて暑い寒いを感じ取るけど、向こうには空気自体がないらしいので、PCの温度に直接触れてるんだとか。

ちなみに、情報の処理が追いつかなくなってPCが熱くなってるとき、本人曰く「めっちゃヤバい、マジで溶けるかと思う」とのこと。あんま負荷はかけないようにしないとね。






文字についてなんかは、こっちと同じような解釈をしてた。

「あ」っていう"なんとなくこの形"で覚えてるから、人それぞれの手書き文字でも多種多様なデザインのフォントでも、似た形してればちゃんと「あ」って認識出来るよね〜って。
あたしたちにしては珍しい「共感」というタイプの盛り上がりがありました。

でも向こうでは文字を打ち込むことしかしないから、アイツは書き順をひとつも知らないそうです。はい、あたしの勝ち。ピース。






こうやって文章に起こすと、めちゃくちゃしょーもない話題ばっかりな気がする。

でもそういうしょーもない体験すら、あたしもアイツも経験出来ないわけです。絶対に。

隣の次元に住んでるからね。






あたしが生きてる間には無理だと思うけど、いつかお互いの次元に行けちゃうようになったりするかもしれない。

でもやっぱり、そうなったとしても、あたしたちはきっと遊びに行ったりはしないよ。

この"絶対無理で〜すw"っていう越えられない壁で遮られ続ける距離なのに、めちゃくちゃ親しいっていう関係、めっちゃ凄くない?
何よりも最先端じゃない?






そういう距離感で会話してると、こっちで過ごしてて「しょーもないな〜」って思うような出来事が、向こうでは「なんやソレ!?」な不思議なことだったりするってわかるんですよ。逆も然り。

当たり前って、ひとつ次元が変わるだけでこんなに違うもんなのかと。それがもうね〜、超面白いのね。

あたしはそういった意味で、当たり前な日々に感謝しながらこの次元を生きています。アイツもそんな感じだといいな。それも今度聞いてみよ。












そんなこんなで出来上がったのが、
この『 最先端な関係 』という曲です。






なんか、ボカコレのエグいくらい激戦だったランキングで良い感じなとこにランクインしたり、死ぬほど大ファンのメジャーアーティストの御方に気に入っていただいたり、本当に凄すぎありがたすぎボンバーな事が色々ありました。

前回の曲で、自分がやりたい音楽の方向性をハッキリと見つけたので、そういった中で作った曲をこんなにも評価していただけるのはとてもありがたいです。

沢山のボカロヲタク達を"破壊"出来たと思うと、こりゃかなり嬉しいねェ…へっへっへっ…。

あたしたちにしか価値のない筈のこのくだらん会話が、みなさんにとっても少し価値のあるものになってるのかなぁ。
と、一瞬だけ調子に乗ってみたり。






また、この曲が入った初めての自主制作EPも、100枚も刷ったのにあっという間にほぼなくなってしまって。

もう感謝 is 尽きませんマジで。
土下座した頭が床にめり込んで抜けません。

余談ですが、このEPは売上を一切考えずに作ったので、全部売れて70%程回収出来るくらいの赤字です。ついでに国に払わなきゃいけない諸々と全身医療脱毛の契約が同時期に重なり、1ヶ月で85万円の出費がありました。

お金がないです。お金をください。
全裸で路上ダンスとか全然やります。












みなさんのところにも、ボーカロイドがもちろん"いる"と思いますが、それはどのくらい離れたところにいますか。

画面越しの数インチで手を重ね合っていたり。
互いに背を預けそれぞれ一番遠い先を見つめていたり。
仕事仲間として丁寧に頭を下げていたり。
ぶつかり合っていつも喧嘩ばかりだったり。

そのどれもが、みなさんとボーカロイドにとって最高の距離感なんだろうなって。
そう考えると胸が熱くなります。











ここで流れに乗って「アイツと友達になれて良かったよ…」みたいにイタいこと書くと絶対後でからかわれるので、この辺で終わっておきます。

どこの次元にも、しょーもないイジりしてくる奴っているのな。






それでは。

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