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3分De論文【グループ歌唱がもたらす失語症回復への影響:神経可塑性メカニズムに着目した研究】

みなさん、こんにちは。
論文を読んで勉強したいけど、忙しくてなかなか出来なという方の味方、時短言語聴覚士STサクです。
今日は3分でこの論文を説明します。
ゴリゴリの英語でしたのでグーグル翻訳に助けてもらいました。

この研究は、脳卒中後の慢性期失語症患者にグループ歌唱訓練をしてもらい、その治療効果と神経基盤を明らかにするというものでした。
要するに、みんなで歌うと脳にどのような変化が起こって失語症が良くなるのかな?ってことを調べたんですね。

研究では、慢性期失語症の患者28名を対象に、歌唱介入グループと標準治療グループ(通常の1対1のリハビリ)にランダムに割り当て、4ヶ月間の介入効果を比較しました。 歌唱介入グループには、グループ歌唱、音楽療法、自宅でのタブレット端末を用いた歌唱練習が提供されました。

その結果、歌唱介入グループは標準治療グループと比較して、言語機能評価テスト(WAB)の命名課題において有意な改善を示したそうです。

それだけではなく、この研究のポイントは言語機能の改善は、脳の構造的な変化と関連していることが示唆されたという点です。

具体的には、歌唱介入グループでは、脳の言語ネットワークに関与する複数の白質領域:左弓状(束ウェルニッケ野とブローカ野を結んでいる)、前頭斜走路(補足運動野とブローカ野を結ぶ深部の前頭脳束、言語の駆動に関与)脳梁、両側の上縦束(大脳の前部と後部を結んでいる)で神経線維の結合が増加していたそうです。 これらの白質領域は、言語処理、特に音声生成、言語理解、発話運動制御などに重要な役割を果たすとされています。

それだけではなく、歌唱介入グループではブローカ野の灰白質体積の増加も認められました。

興味深いことに、これらの神経繊維や灰白質体積の増加は、歌唱介入後の命名能力の向上と有意な相関を示していたそうです。

この結果は、グループ歌唱が脳の言語ネットワークに構造的な変化を引き起こし、それが言語機能の回復、特に命名能力の向上に貢献している可能性を示唆しています。

研究の課題としては、サンプルサイズが小さい、介入内容が多岐にわたるため、個々の要素の効果を分離できない、などの限界があったそうです。 今後の研究では、より大規模なサンプルを用い、介入内容を精査することで、グループ歌唱の失語症回復に対する効果とその神経メカニズムをより詳細に解明していく必要があります。

いかがでしたでしょうか?
グループ歌唱は、社会的交流、音楽の聴覚刺激、歌唱を通じた言語生成など、複数の刺激を組み合わせることで、脳の神経可塑性を高め、言語機能の回復を促す可能性があるそうです。
私の中では集団リハで歌唱を取り入れる意義が高まりました。また、リハビリに限らずその行動の良い効果を知っていると、効果が高まるそうなので、グループ訓練を行う際に、この研究結果を説明してから行ってみようと思いました。
皆様はどのようの感想を持ちましたでしょうか?

ここまで読んでいただき有難うございました。
最後に宣伝となりますがメルカリショップにて、絵カードなどを販売しております。カラーで見やすくなっておりますので、ぜひご覧になて下さい。

ありがとうございました!!

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