【ミリシタ】「ようこそミスティック・セレモニー」が楽しかった話【イベント終了】
「SEASON-@IR SHADE OF SPADE」が終わって、トランプのスートごとのグループに分かれた公演巡業(あれは巡業でいいと思う)シリーズも終わりを迎えたかと思われた。
詳細は11月11日の生配信で紹介されるらしいが、どうやら空白地域を埋める最終段階もあるらしい。これは10月9日の配信イベントで公表されたことだが、まあ勘の鋭い先輩諸兄諸姉は予想済みだったようで。
それまでの間、またちょいちょいイベントが挟まることになるわけだが、そのうちの(執筆時点で)昨日までのイベント「プラチナスタートラストスペシャル ようこそミスティック・セレモニー」が大変楽しめたので、今回はその点を記述しておく。
「魔法学校モノ」といったら”アレ”なんだけど
今次の「ようこそ~」は、以前もネタになっていたらしい「ミリオンマグス魔法学園」を舞台にしたドラマを、765プロライブ劇場のアイドル52人が総出演するという大掛かりな仕立てでの新作で撮影するというお話。
筆者はなにぶん新参者なので、以前どのようなことがあったのかについてうまく調べを付けられないままでいるのだが、まあ世界観的にはあの超人気作の雰囲気をなぞる感じのものになっている。U・S・J! U・S・J!
ただし寮は3つ。グループは4つに分かれているが、4つ目は監督生と教師陣である。
ここで面白いと思ったのが、計8人の教師陣の配役。なんと小学生組3人がみんな「先生」をやっている。あと5人も中学生、でいいんだよな……(学園長の「3月1日生まれ・15歳」の学齢の割り出し方がいまひとつ不明瞭。単純に満年齢を当てはめればいいのかも知れないが)。監督生にしても、上から20・18・16・15という、およそ不揃いな年齢のアイドルを割り当てている。ただし監督生は各寮の監督に加えて総監督的な役割があり、そこに20歳が収まっているのはある意味順当ではある(なおキャラクター性は措いて考えるものとする。琴葉や美奈子が外れてる時点でお察しではある)。
各寮にはランクがあるようで、成績または素行が「魔瞳の大鷲>水晶蹄の馬>夢想の鯨」の順に良いとされる模様。またこの世界の魔法使いは必ず二人一組の「パートナー」がいなければならず、おそらくパートナーが不在だと魔法使いと看做してもらえないという、ちょっと独特の制度が導入されている。なお、異なる寮生でもパートナーの関係となることには問題がなく、教師陣ももれなくパートナーを持つことになっている。また身分や立場、出自等はパートナー関係に影響しないらしい。また何らかの事情によりパートナーを解消することもある様子。
学校自体は「王の魔法使い」やそれに並ぶ、国を代表するような魔法使いを育成する目的があるようで、代々「王の魔法使い」を互選的に輩出している「御三家」の子女もここに通っており、当代ではその3者が同時期に在籍している稀有な状況にある、とのこと。
ちぐはぐなパートナーたち
その御三家の一角である矢吹加奈(役名はアイドル名そのまま)はパートナーがおらず、そこへなんと100年ぶりの人間界からの転入生・伊吹翼がやってきて加奈のパートナーに割り当てられた。東北道と名神高速ですね
「なんでこの優秀な私が、ニンゲンなんかをパートナーにしなきゃいけないのよ!?」というのが加奈のスタンスで、魔法界のことなど右も左もわからない翼は、底抜けの朗らかさで加奈を翻弄する。パートナー制度は絶対なのだ。
また御三家の残り二角、天海春香と萩原雪歩は幼い頃からお互いパートナーであるのだが、非常に仲が悪い。まるでお互い純血なのに水と油のマ○フォイ家とウィ○ズリー家の同期生みたいに。
一方、双子の双海亜美と双海真美は従来よりパートナーだが、亜美は魔瞳の大鷲寮生、真美は先生と立場が分かれてしまっている。ストーリーの断片を読み進めると分かるのだが、真美の魔力がある日突然増大し、魔力的にも教師の立場に引き上げざるを得なくなってしまったようだ。亜美はこれに大きく落胆し、しかし「真美と同等の魔力を得ることができれば、かつてのように2人で仲良くイタズラや新しい魔法の発見に勤しむ日々を送ることができるはず」と、研究室に引き籠るようになっていた……。
ここに「魔法界を揺るがす大事件」が起きることになる。
と、メインのストーリーの導入がこんな具合である。
昔から3拍子とファンタジーは大好物でした
といっても、そのストーリーが連続的に展開されるわけではなく、あくまで「多数の断片を組み合わせることで、一時点に発生した”事件”の多角的な描写を読み取ることができる」という、そのピースを手に入れていく劇中劇とゲーム内ゲームの組み合わせが今回のイベントのキモとなっている。
その断片が情報として脳内で組み合わさっていく過程がとても爽快だったのだが、まあ自分自身としてそれに自然に導入されていったのにはやはり今回のイベント曲『ミスティックセレモニーへの招待状』が大きく作用したと言える。これは夜想令嬢の『昏き星、遠い月』でも痛感したし、昔から好んで聴いている音楽群にもそういう要素を多々認める所であるのだが、やはり何といっても「ファンタジーと3拍子は抜群の相性を発揮する」ということだ。
このイベント予告自体は前述の配信イベント時に知ることとなったが、その時から「おっとこれは」と”沼の予感”を思わされていた。このイベント曲は椿山日南子さんという方が作編曲されたものなのだが、オーケストレーションも効果音の使い方も秀逸で聴き応えがある。こういうの大好き。もっと持ってきて。
でまあ、イベントも捗りまして。およそ1週間のイベント期間だったが、3日で双六の断片トークは回収し終え、4Mオンリーでのプレイスタイルで8000位台に入り(シルバーランカーですって)、おまけに双六のトーク効果「親愛度+10」で全員を親愛度1000以上に引き上げることができた。
蛇足だが、6ラウンドあった双六では、1度全ラウンドをクリアしたらあとはほとんど6Rで昴くんをPUSH(トーク固定出現)アイドルにして回っていた。マナ集めは各スートの13人楽曲を巡回して、そこでも親愛度と覚醒ポイントを上げていた。
今日から『ミスティックセレモニーへの招待状』が自由選択曲になったので、しばらくは限定歌い分け(曲中の大サビ前のセリフ)回収で楽しめることと思う。
興味深い裏設定
さて、52人もクセのある登場人物がいたので、劇中劇における設定もさまざまである。その中で気になったものを数点ピックアップしたい。
「海美と茜」
このパートナー、どうやら”人間ですらない”らしい。
茜は天涯孤独のワーウルフ(人狼)、海美は「海の中で暮らしている」とほのめかされている。人魚?竜宮城?
パートナーは組んでいるが、お互いが出自に大きな秘密を抱えているために普段から接触もしないでいた模様。最後のコメンタリーでも海美は気になって仕方がなく、2人のスピンオフストーリー制作を希望している。
「美奈子と琴葉」
美奈子はお菓子作りが上手なキャラクターとして出てくるのだが、ちょっと無邪気なマッドサイエンティスト気質も兼ね備えていて、禁じられた古代魔法の研究も行っている模様。「本当の願い」を「代償」により何でも叶える力を持っているが、その「代償」として願う者の体の一部を差し出さなければならないらしい。
琴葉は「禁止の魔法」を操る。あくまで良心に従って「あってはならないこと」を禁止するに留めないと恐ろしく強大な力になりかねないのだが、そこは琴葉、「控え室で野球は禁止」レベルの公序良俗を維持することに衷心している。
そして美奈子と琴葉の力は相反する側面を持っている。この2人がパートナーとなっているというのが、実に危ういバランス。
「真と貴音」
このパートナーはとってもファンタジー。素敵すぎ。
真は魔道具の開発・製作が得意で、注文は半年先まで埋まっているらしい。学園長もたびたび道具を発注したり、アーティファクトの鑑定もできるので大変忙しい。マジカルスチームパンクの趣がある。
貴音はそれに対して、「月の光を集める」魔法を使う。集めた光を真の製作したランプに閉じ込めると、ソーラー充電ならぬルナー充電により半永久的に使えるとか。何それ欲しい。
「あずささんと千早」
いやあもうこれだけで美しい。
あっ失礼しました、ちゃんと書きます。
千早が使うのは転化魔法。魔法の素であるマナを物質に変化することができる。それを応用して鋼鉄の壁を作り出し、防御に徹する。攻撃にも使えるが、それは絶対やらないと決めているらしい。
対してあずささんはとってもふんわり。星や月の光に含まれる未来の欠片を力に変えて、対象に加護を与えるというもの。
しかしてこの2人が能力を合わせると、およそ無敵の鉄壁防御が出来上がるので大変安心というすぐれもの。美しい。(敬称略せませんでした)
「エミリーとひなた」
エミリーは魔法を無効化する能力を持つ。厳密には魔法とはいいがたいものらしいが、そのために魔法で溢れ返る魔法界での生活は相当気を使うものらしい。そのため常日頃からかなりピリピリしたキャラクターになっている。
対してひなたは研究肌で、色々な能力や魔法を調べているが、菜園も作っており、そこでは「エミリーの能力が効果を持たない」ことも突き止めている。おかげでエミリーはひなたの菜園では落ち着いて過ごせるらしい。
「静香と志保」
普段から水と油な2人がここでもパートナー。
静香は通信魔法を専門とする。どんなに離れた所でも定めた相手と通信ができるらしいのだが、志保には何故か繋がらないことが多い。
志保は移動魔法を使う。空を飛ぶのにホウキは必要ないらしい。自身も他者も、瞬間ではないが移動させる能力。
普段の練習時には息が合わないが、いざという時にはうまいこと行くらしい。なんだ、いつもの2人じゃん
「亜利沙と紬」
亜利沙は発光体質で、興奮すると七色の光を放つ。棒状ではない 紬は影使いで、光から対象を覆う能力らしい。
噛み合ってるような噛み合ってないようなコンビだが、「事件」においてはうまいことお互いの力を使って人助けになったみたい。
「千鶴と星梨花」
この2人は同時期のハロウィンガシャでもセットになっていた。
2人とも魔獣使いで、千鶴はケルベロス、星梨花はジュニオール。は? ボーダーコリーが? 星梨花は能力が高いが、反面若気の至りで古代魔法の強力さに魅入られている。千鶴は能力を使うことには代償が必要となることを知覚しており、星梨花を”暴走”させないように注意を払っている。
でもジャーマンポテトはどうかと思うんだ。ベーコン美味しいんだろうけど
「未来と杏奈」
この2人は教師同士のパートナー。
未来はとにかくホウキで飛ぶ能力がずば抜けていて、飛行術を教えている。競争のみならず、瞬間最高速度や到達高度など、飛行に関して保持している記録が多くあるらしい。ただし、早く飛ぶことが日常のためそれによる弊害も多いらしい。
杏奈は分身術が専門。分身したアバターはそれぞれ独立して動くことが可能で、色々な作業を分担している。めちゃくちゃ便利そうではあるが、その分の消費も激しいとのこと。未来に対しては「もっとゆっくり回り道してもよさそうなのに」と思っている様子。スピード行動に迷惑もかけられているが、日常茶飯事で考えても仕方ないレベルになっているっぽい。
「伊織と響」
伊織は転移魔法を使う。志保とは異なり、瞬間移動の方らしい。将来はその能力で転送サービスのビジネスを考えている。それなんてまじょたk 響は魔獣使い。魔獣が多い。名前が出てきただけでもハムゾーラ、イヌミール、ヘビーカ。なあんだいつもの我那覇家か ただし、暴走させてしまうことも多いようで、その現場を押さえられると伊織が魔獣を実家に転送してしまうことも。
この程度にしておきますか。
面白いっていうことだったらどのパートナーもそれぞれのアイドルのキャラクター性を踏まえていて、やっぱバンダイナムコすげえやってことになっている。
こうした断片を双六で1人当たり5エピソード、加えて撮影後のコメンタリーの合計6エピソードを集めて、パズルのように繋ぎ合わせると全体のストーリーが浮かび上がる仕組みになっている、という。
これにて〆とします
おそらく以前からこうした仕立てのイベントはあったのだろうと推察するが、これだけ楽しめるポイントがわんさか出てくるのは初めて出くわしたので、それがとても良かったという小並感を書き綴った次第。
コミュで動く主要キャラクターとしては加奈、翼、朋花、麗花、真美の5名だけだったが、双六の補足があることで、もどかしさもありながら、きちんと全体像を把握できるようになっている構成になっているのが非常にポイントが高かった。あと相関図助かる。
エピローグで「To be continued…?」となってしまったので、これはまた別のおはなしが展開されることも期待できる。