【セレスティアル航空】エア・ポートにエア・ライン【続報】

 本日(R4.5.10)の北國新聞朝刊でも取り上げられていたらしいが、なにぶん北國さんの有料会員でも購読者でもないので記事を探し当てられなかった。まあだいたい同様のことを報じている福井放送の記事があったのでこれを貼ります。
 なんというか、想定通りの流れですね。
 手続き的な部分や登録関係が全くの白紙状態。そりゃあ飛ばせる訳がない。紙飛行機くらいですか、白紙だけに。
 さて、これから後の流れがどのように進むのか。あまりにもエキサイティングである。

4月27日の試験飛行やデモンストレーションとは

 記事中にある「県立恐竜博物館までの試験飛行」「デモンストレーション」。この詳細が気になる所。
 先導したのはまず間違いなくセレスティアル航空の濱津社長なのだろうが、立ち会ったのがどこのどなたで、どのように行われたのかというのがポイントとなってくる。
 聞くところによると恐竜博物館にはヘリポ-ト設備が準備されていないということのようで、おそらくだが、これは空港から博物館上空へと至ってただ引き返してきただけというものかと考えられる。所要時間や飛行ルートのおおまかな想定、計画内容を語るには十分だろう。或いは駐車場の区画を占有して降りることくらいは可能かもしれない。「駐車場の一区画をヘリポートとして転用すれば云々」みたいな説明をすれば説得力も増そうというもの……だが、それだけの需要がこの施設にあるのかというのも疑問点ではある。この辺は後段に分けて述べたい。
 もうひとつ、デモンストレーションというのがどのようなものだったのか。使用された機材は他事業者から借り入れたものであるような話も見られたので、まずそこは疑いようがないものと思う。それで、福井空港から離陸して、どこかしらを飛び回ってまた元の空港に戻ったということなのではないかと推測はできるのだが……。
 要は、よそ様の機材で「うちはこんなことをやりますよ」という風呂敷を見せつけて、その実そのための必要な手続きは何一つ(使用機材ですら)実態がない状態ということが、改めて報道ベースで明らかになったということになるだろう。

千葉急行バスになぞらえていうと

 我らが雄たる(?)千葉急行バスの進捗で例えてみよう。あくまで筆者としては「千葉急行バスも運行の事実が確認されていない状態にあるだけ」というスタンスは崩さないので。
 千葉急行バスの場合、国土交通省や千葉県への申請ということをしていないのは同様である。その上で各「バス停」に標識を掲示し、運行の予定を周知した。この辺はセレスティアル航空でいう所の「福井空港小型航空機活用推進大会」での構想発表がこれにあたる。
 現状はその構想が実質進捗ゼロということが判明した、ということで、千葉急行バスの話としては「なんだこりゃ、こんなバス知らねえぞ」と本設のバス停に括り付けられた「アレ」を一般利用者が発見した、という状況にあるものと思われる。あるいはバス運行事業者や八街市に「何か変なモンがぶら下がってんだけどよォ」とタレこまれた段階と見てもいい。
 そうなると、今後の展開が同じようなことになるのなら、、、ということでこの後は思考実験的な予測となる。

その前に「勝山市までヘリ」ってどうなの

 勝山市の交通の便については、国道158号中部縦貫自動車道、416号、県道17号、168号、255号等の道路で十分利便性が確保できているように見られる。もちろんえちぜん鉄道勝山永平寺線も通っている。福井市の中心部からであれば車でおおよそ1時間前後鉄道でも1時間半ほどで勝山、なかんずく恐竜博物館には到達できるものと考えられる。
 福井空港からのヘリ便に乗れば、これが20分とかそういう構想なのだと思うんだが、まあお待ちなさいよと。
 空港までは、どうやって行くんだい?
 なにしろアクセスが壊滅的エア・ポートであることは前々エントリでご説明申し上げた。
 お車でのご利用なら丸岡インターからどうぞ……って、丸岡から空港までの時間、そのまま福井北JCTから中部縦貫道に乗って勝山まで行けちゃうんじゃないですかね?????
 どうしても空から恐竜博物館に行きたい人なら、それこそチャーターでもなんでもすればいいけど、一般的な利用者目線で考えたらちょっとどころじゃなく非効率なアクセス方法になってしまうことこの上ないように見える。
 脇道トークではあるが、一例として福井空港が今度できる北陸新幹線の越前たけふ駅みたいなエリアにできるのであれば、フライトで福井空港に着陸してそこから県立博物館たる勝山の恐竜博物館へひとっとび! というようなプランニングもまあ頷けなくはない。需要の面で疑問だが
 そもそもが、勝山という立地自体が福井からそこそこアクセスが良くなっていて(以前はそうでなかったにしても)、わざわざヘリなんぞで飛んでいく、そのため一旦距離の離れる空港まで行くという所作を挟まなければならないことが疑問タラタラなのである。
 まあ、県立県営施設同士ということで、「相互を繋ぐことで双方の利用促進になるじゃあないですか!!」みたいなマタニティハイが発生したとかあるのかもしれないけど。それこそ落ち着いてほしい
 福井空港開業時に小松便があったことを思い出せ。どうやって10年維持したんだあんな近距離航路。もうはるか昔だけど。福井県だよ福井県。西南諸島じゃないんですよ。

千葉急行バスは警察の注意を受けただけに留まったが

 さて本筋に戻そう。あったのかどうかも定かではないが。
 セレスティアル航空は、今後福井県からどのような扱いを受けるのか
 また、国土交通省は「航空」と名の付く企業に対してどのような指導をしていくのか。いやあなにしろ名前だけ管轄下に入ってないってのは狡っこいよなあとも思うけれど。
 または景品表示法(優良誤認)か。公正取引委員会、経済産業省の所轄になってくる。この場合、不当に安価な商品をあるように見せかけて集客する行為あたりが引っかかりそうだ。
 一番観客が湧く展開は「詐欺で立件」の検察庁案件だが、現時点ではあまり有力な材料が見いだせない。
 もしもの話。あくまでもしも。あまりにも救いのない私見的展開を申し上げると、「会員制」を謳って利用希望者を募り、その個人情報を流用する(例えば、利用する電力会社がいつの間にか切り替わっていたり、とか? べらぼうなお値段の請求がきて発覚、など)みたいなことがあるとするなら、まあそこから司直が尻尾を掴むようなこともできよう。
 まあ、その前にどうにかしてドロンとか、別件であっさりお縄とか、そんなこともあり得なくはないんですけども。

福井県の対応……それでいいのかな

 一番心配なのは、福井県のコメントが「準備期間だと認識している」ってところなんだよねえ。まあ、県も大風呂敷一緒に広げてる側だからそうそう非は認めたくないだろうし、「完全な悪者」がいてくれないと被害者しぐさも取りにくい。これが立場というやつで。
 セ航空側から福井県には明日(5月11日)にはサイト上で現状を説明するということを言われているらしいが……。
 いずれにせよ、早いところ蓋が開いて臭いモノなら臭いモノ分かった方がスッキリします。個人的にも。

 あ、千葉急行バスはどなたか観測されてませんでしょうか?(蒸し返し)

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