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2024年TDLのトレードについて その2

 オールスターも終わり、いよいよ後半戦がスタートします。TDL(トレードデッドライン)でのトレードに関しては前の投稿で止めにするつもりでしたが、状況の変化などいろいろありXで投稿すると多くなるので、noteにまとめる事にしました

TDLを巡る状況

 前半戦が終わりましたが、現行のポストシーズン(PS)のフォーマットになった2022年以降の毎シーズンと同じく、混戦状態となっております。

ア・リーグでも完全にタンキング状態と言えるのはLAA以下3チーム、ナ・リーグに至っては頭一つ抜きん出ているATL除けば8チームが4ゲーム差でワイルドカード2枠を争う現状です。その結果完全に供給不足・売り手優位なトレード市場となっています。

やはりプレーオフ枠を拡大した結果、TDLのトレード含め盛り上がりに欠けると思うのは自分だけでしょうか。昨年のCLEがまさにそうでしたが、7月時点ではPS進出の希望があるのに売り手に回るか、買い手に回るかの決断を強いられる。2018年までの様に8月にウェーバートレード(ウェーバー枠を使ったトレード)があればまだ方針転換も可能でしたが、そうできない結果昨季のCLEの様に売り手に回ればファンやチームの反発を招きかねず、かと言ってLAAの様にPS絶望になって選手をウェーバー経由でリリースすればファンは離れる。昨季は例年になく大物選手のウェーバー経由の放出が多かったですが、移籍した選手は概してやはりモチベーション維持が大変そうでした。個人的には数多くのドラマを生んだ、ウェーバートレードが復活して欲しいです。

 そんなこんなで売り手優位な中、怪我人続出のBALやLAD中心に特に先発投手の需要が異常に高くなっています。同様に怪我や不調で先発の補強が必須のCLEとしては頭の痛い事です。

注目チーム

 そんな中個人的に状況を左右しそうなチームを3つ挙げたいと思います。

①テキサス・レンジャーズ


 昨季の覇者ですが、今季は開幕から怪我人続出の中、なかなか調子があがらぬまま今を迎えています。編成トップのクリス・ヤングGMは先日のインタビューで勝ち手に回りたいと語っていましたが、残り2週間どうなるでしょうか。

選手層を見てみますと先発のM. シャーザーやM. ロレンツェン、A. ヒーニー始めK. イェーツやJ. ルクラークと言った所が今季限りの契約となっています。

前の記事でも述べたN. イオバルディもさる事ながら、注目は先日のHRダービーにも出場したA. ガルシアでしょうか。彼やN. ロウ、L. タベラスは契約が残り2年半となりますので、もし売り手に回ればトレードされるかもしれません。

J. ヤンやW. ラングフォード、E. カーターといったプロスペクトが成長する中、売り手優位な状況を活かして来年に備える可能性は十分にありそうです。

②アリゾナ・ダイヤモンドバックス

 そのレンジャーズと昨季のワールドチャンピオンを争ったNLチャンピオンのダイヤモンドバックスですが、こちらもなかなか調子を上げる事ができていません。その原因は昨季の新人王のC. キャロルなどの野手陣の不調もありますが、やはり先発陣の怪我による離脱でしょう。チームリーダーのM. ケリーのみならず、今季獲得したE. ロドリゲスは一球も投げておらず、更にはWS優勝の為に獲得したJ. モンゴメリーも不調の末に怪我で離脱してしまいました。そんな中、編成トップのM. ヘイゼンGMは先日のインタビューでコンテンドし続けたい意向を述べています。

現在ワイルドカードから1ゲーム差に位置していますが、今後2週間がカギになりそうです。もし苦しい結果になった場合、資金力に限りあるチームとしては売り圧力に晒される事でしょう。チーム一筋の主砲C. ウォーカーや絶好調のクローザー、P. セワルドは今季限りですので既に噂になっていますが、怪我がちながら誰もが認めるエース、Z. ギャレンも契約が残り1年半ですので、売り手に回れば噂になると思います。

③ニューヨーク・メッツ

 5月終了時点では売り手間違いなしと思われていたメッツ。 J. ロペスの退団騒動が起きましたが、それ以降あれよあれよと勝ちまくり、6月以降27勝13敗という成績でワイルドカードの3枠目に位置しています。コンテンドする話になるのは当然ですし、S. コーエン オーナーの下、補強資金には事欠きませんが、問題は中長期的に見て今季勝負に出る事が果たしてどうなのか?という事でしょう。

 メッツは昨季のTDLで売り手に回り、オフに元MILのD. スターンズを編成トップに招聘しましたが、2025年以降に優勝を目指すコンセプトでチーム作りをしてきたと言われています。今季はあわよくば、という事で、実際FA補強は1年か、+オプションの短期契約が殆どでした。

そのあわよくば、な状況になった訳ですが、かと言って現状ワールドチャンピオンを狙えるのか?と聞かれれば、正直難しいのではないでしょうか。

 ですので仮に補強すると言ってもセオリー通りの、プロスペクトと引き換えの補強はしたくないのが本音でしょうから、先日のP. メイトンの獲得の様に先方のサラリーダンプ目的のトレードができれば良いですが、それでニーズが全て埋まる程簡単ではないでしょう。

 むしろ自チームに需要の高いレンタル選手がいるのに、それを放出せずにキープしたままコンテンドして、優勝できずにシーズン終了という事態をあのスターンズがするのか、甚だ疑問です。

 スターンズはMIL時代に単純なセルーバイではない、巧みなトレードを仕掛けて、資金力の限られたチームにあって長期間に渡って競争力を維持するという離れ業を演じています。そんな彼がこの様な状況にあって単純なセルor バイだけして、何も仕掛けないというのは、自分には少し考えられないです。メッツに関してはいろいろ読みきれないのが正直な所ではありますが、一つ言えるのはP. アロンソはほぼトレードされると思います😅

 この3チームに限らずどのチームにも言えますが、売り手に回れば大きな見返りが期待できる訳で、PSの可能性が高くないチームは売り手になる誘惑に駆られる2週間になりそうです。

CLEはどうすべきか

 そんな中で我らがCLEがどうすべきか?

マイナーをスカスカにしてでもオールイン

すべきだと思います。

 理由はいろいろありますが、要約すると、

またいつ優勝を狙えるのか分からないのだから、せっかく良い位置にいるのに全力で行かないなんて意味不明

という事でしょうか。その根拠がこれです。

この表から分かる様に、今の主力で投手層はまだかなり残り契約年数ありますが、野手陣はJ. ネイラーが来季まで、S. クワンも2027年までしかありません。クワンは契約延長に応じていませんし、ネイラーには延長オファー出しそうにないので、今季除いてクワンの最終年までどれだけチャンスがあるか、という事だと思います。もしクワンが2026年にトレードに出されでもすれば、今季含めチャンスは2回しかありません。

 何度も述べている様に現状野手の育成に難があるCLEにとって、来年も同じ勢いでプレーできるかは疑問が残ります。だからこそ好調な今季何としても勝ちに行って欲しいし、その為にTDLでオールインして欲しい。

注目選手

 前回の記事でN. イオバルディ(TEX)、L. セベリーノ、JD. マルティネス(NYM)を挙げましたが、需要過多などでかなり難しいかもしれません。他に個人的に注目している選手を挙げたいと思います。

①A. ヒーニー(TEX)

 かつてLAAで大谷翔平の同僚としてプレーして日本でも名の知られたヒーニーですが、LAAでは怪我などもあり、十分な働きができていませんでした。NYYを経て移籍したLADで安定した活躍をした後にTEXと2年2500万ドルで契約、昨年のWS制覇にも貢献しました。

支配的な投球ではありませんが堅実なパフォーマンスと、あと特筆すべきは耐久性でしょう。LAAではしょっちゅう怪我でIL入りしてましたが、TEXに移籍後は一回もIL入りしてません😳

CLEにとって怪我での離脱は致命的なので、それは魅力的です。

②タイラー・アンダーソン(LAA)

 こちらも大谷翔平の元同僚で有名なアンダーソンです。万年ローテ下位投手として各チームを転々としていた彼ですが、2022年にLADで突如ブレイク。オフにQOを蹴ってLAAに3年契約で入団します。しかし絶不調で期待を裏切り、8月にLAAがサラリーダンプの為に大量なの選手をウェーバー経由で放出した際に含まれたものの、引き取り先がなく残留しました。

 しかし今季低迷するチームの中で活躍、2022年以来2度目のASに選出されました。売り手確定のLAAにあってTDLでのトレードが確実視されています。

 彼もヒーニー同様堅実なパフォーマンスと耐久性に優れています。彼の場合キャリア通じてあまり怪我がないのは本当に素晴らしいです。無事是名馬。

契約が来年まで残っていますので昨季を考えると少し不安になりますが、1300万ドルですので、オフに再トレードも可能かもしれません🫣

③C. ウォーカー(ARI)

 野手ではARIの主砲、C. ウォーカー。BALでMLBデビュー後DFAされて流れ着いたARIで MLB定着した苦労人ですが、今や押しも押されもせぬ存在。今季は大谷の影に隠れていますが現時点でキャリアハイペースのHR22本。ASに選出されなかった事が物議を醸しました。

2022年からコンスタントに30本のHRを打つなど安定感も抜群。昨季のPSでの活躍も記憶に新しい所です。

1塁のアップグレードが課題のNYYやHOUなどライバルは多いですが、JDマルティネスが難しいならぜひ獲得して欲しい選手です。


番外:R. ヤーブロー(LAD)

 予想外でしたが、LAD界隈から漏れてきた情報で彼が放出される話が聞こえてきました。LADで打ち込まれている印象が強かったのですが、チェックすると面白い存在だと思います。

LADの戦力外というと某雷神様を思い出して頭が痛くはなりますが、DFA経由か、対価が高くなければアリかもしれません。

追記: ④ J. モンゴメリー(ARI)

 書き忘れておりました😓昨季のTDLでSTLから TEXにトレードされて大活躍、チームのWS優勝に多大な貢献をした後自信満々にFA市場に臨んだモンゴメリー。S. ボラスの顧客で昨オフFAだった"ビッグ4"の内一番最初に決まるかと思ったら、蓋を開けてみたら結局最後になってしまいました。

調整不足もあったのか開幕後絶不調。6月には膝の怪我で離脱して前半戦を終了しました。

 既にシミュゲームで投球開始しているので間も無く復帰してきそうですが、問題は復帰後の成績でしょう。

ARIとして頭が痛いのは来年のベスティングオプションの発動条件がクリアされている事でしょう。来季の年俸は2000万ドルですが、今季の成績では流石に不良債権と言わざるを得ません。

 そんな彼を今トレードするのはサラリーダンプ目的以外ないとは言え、先述のように今オフのFA補強が失敗しているARIとしては可能なら放出したいのが本音ではないでしょうか。獲得するチームにとってはリスクは低くはありませんが、やはり昨季の活躍は期待を抱かせるものがあります。夢よもう一度😅

 CLEとしては来季のサラリーは安くはありませんが、S. ビーバーや負の遺産であるJ. セグラ(J. ベル)のサラリーがなくなるので、やり繰りは可能だと思います。また彼の場合、LADが競合にはならない(同地区の為)可能性が高いのもポイントが高いです。

 ARIはやはり買い手に回りたいとの事ですが、その場合でもモンゴメリーのトレードはあるかもしれません。

最後に

 このZ. マイセル記者の記事にあるように、自分もこの記事を書きながら2016年のA. ミラーのトレードを思い出しました。

あの時同様にオーバーペイになっても、フロントは何が何でも新戦力を獲得して勝つ意思を示して欲しい。そうしてくれないとわざわざ予定外の記事を書いた甲斐がない。頼みます🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️


ヘッダー写真:@CleGuardians より

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