なぜクラファン「も」やるのか
こんにちは、自走型ロープウェイZipparを開発しています、Zip Infrastructureの須知です。
今日から福島試験線に乗れる、寄付型クラファンを始めました。
既に数十人の方からご協力いただいております。ありがとうございます。
https://www.tetuhiro.com/view/item/000000001271
でも、皆さん思いませんか?
「なぜ、数億調達している企業が今更クラファンなんてやるの?」
本当は、この話を書くと生々しすぎて、皆様に引かれてしまうかもしれません。ただ、正直に話して、いいやつであろうというのは我々のポリシーです。
なので、ここで書いていこうと思います。
クラファンで作るもの
Zip Infrastructure株式会社は2018年に創業し、
我々は2023年、秦野試験線で12人乗りモデルの走行に成功しました。
https://www.youtube.com/watch?v=w5BetZvOdzw
ただ、秦野試験線の用地はもともと期間限定で借りていたこともあり、時が来たら壊さないといけないことは確定していたため、各種土木構造物についても、山留材と呼ばれる仮設用のものを多用して、解体できるように作っていました。(動画をよく見てみるとわかるかも)
公共交通として認められるための安全性認証の取得には、本番同様の環境で様々な試験が必要です。なので、現在、実際の基準に則った、福島試験線を建設しています。
秦野試験線での試験もあり、福島試験線では支柱高さも10mになりました。(落下しないということを確認するためもあり、秦野では地面すれすれでした。)道路の横にあるため、風景も都市と同じようなものになります。
建設費の高騰
雑談になりますが、よくスタートアップの社長って儲かっているんでしょ?と聞かれますが、少なくてもハードウェア界隈は全くそんなことないと思います。他の人からはやりすぎだとすら言われますが、私個人がたまに行う講演についても、すべて会社に入れています。
とはいえ、これは私が望んでやっていること。
正直、今回の建設資材のインフレも私がもうちょっとちゃんと計画を立てていれば、こんなことにはならなかったかもという点について、不甲斐ないです。
ただ、建設費がめちゃくちゃ高騰しています。もちろん、我々もバッファを取って、事業計画を作っていたのですが、見積もりが1か月ごとに上がっていくような状況です。
その中で、なるべく節約に節約を重ね、当初はまるごと更新しようとしていた車両も、駆動部(ロープの上側)の更新に留めたりと、様々な対策をしておりますが、限界が近づいております。
やれることはすべてやろう
我々もいろんな方法で、開発費を集めております。出資、借り入れ、補助金…
正直、出資だけや、それすらもなく、自己資本でやっている会社の方がスマートかもしれません。私も、最初はそう思い、それを目指していました。
ただ、我々がやりたいのはスマートな会社運営ではないということに気づかされました。スマートな会社運営で倒産するのと、地べたを張ってでもやり切るのと、我々は当然後者を選びます。
これまで応援していただいた方のためにも、すべてをやり切る。
何が何でもZipparを実現し、社会実装する。そのためにはかっこよくなくても、クラファンは今更やるべきではないという批判があっても、ありとあらゆることをやります。
銀座線だってそうだった
先日、東京メトロが上場しました。
1日740万人を運んでいる、交通インフラを運営する会社の元の名は帝都高速度交通営団といい、東京地下鉄道株式会社と東京高速鉄道株式会社が合流して生まれた組織です。
その東京地下鉄道株式会社の設立者は早川徳次と言います。
詳細については、地中の星という本がおすすめなのですが、その中に、かけ払いの締め切りである、12月31日ぎりぎりまで、金策をしたもののつながらず、ついには実家を担保に入れて借金して、倒産数時間前にギリギリ逃れた話があります。
早川徳次の何でもやるという姿勢によって、銀座線ができ、地下鉄網ができ、我々は便利な都市生活を今送れているわけです。
応援してください
我々も、未来の交通のために、徹底的にやることを決意しました。
多少の批判があろうと、今後、ありとあらゆることをやります。
これは宣言です。
そして、皆様にお願いです。
クラファンにご協力お願いします。
是非、未来の交通を我々に作らさせてください。
最後に、早川徳次の言葉を借ります。
「いつかきっと、東京中がクモの巣のように地下鉄で張り巡らされる日が来るだろう」
我々は東京中上空を本当の蜘蛛の巣のように、Zipparで張り巡らせます。