【KTH交換留学チュートリアル】準備編 : 留学決定~学生ビザ申請まで
こんにちは。今回は留学決定から学生ビザ申請までにやったことを共有したいと思います。結構盛り沢山ですが、よろしくです。
サムネは、ストックホルム市立図書館です。
取り掛かる順番
見出し通りに取り組むのが良いと思います。というのも、
学生ビザの申請のためには、保険の申請 (付帯海学) が必要となり、その申請には具体的な滞在日程が決まっている必要がある
滞在期間を決める=航空券を買うためには、入学許可が降りないと動きづらい
というのが大きな理由です。
実を言うと滞在期間自体は後で変更できるので、そこまで慎重に考える必要がないのですが、どのみちこの順番で取り掛かるのがスムーズです。
留学先大学の入学申請
大学側から留学の推薦が得られたら、留学先の大学に入学手続きをしましょう。留学先から入学許可証が発行されてようやく留学が可能になります。
情報が少ない上、一応審査という名目なので理論上は入学許可が降りないことも考えられるので、早め早めに取り組みましょう。
また、留学先の大学だけでなく、日本の大学の留学機関 (東大なら本部国際推進課) とのやり取りも必要で、そっちのほうが締め切りが厳しかったりするので、注意しましょう。
入学申請の流れ : KTHの場合
前回記事と同様に、自分の場合の実際の日程を()内で記載しておりますが、あくまで目安程度に考えてください。ただ見てみると、あまり時間に余裕が無いことが伝わるかなと思います。
KTHの申請サイトがオープン (9/19, 20あたり)
申請フォームに提出 (10/3)
東大国際推進課のNomination Form対応期日 (10/9)
KTHの申請締切 (10/16)
フォーム提出を確認できた旨のメールが届く (10/20)
結果通知 (10/25)
大体1ヶ月以内に結果が通知される
(本筋からずれますが) 奨学金審査結果通達 (10/31)
申請中に困惑した項目
申請は、mobility onlineというサイトで行います。大抵の項目は、直感で分かるか指示があるので問題ないと思いますが、それでも困惑したところがいくつかあるので、それを共有します。
Current Course List
その段階で、大学で履修している授業のリストをアップロードするというものです。申請時点では、秋学期の履修登録も始まって無かったのでどうしようか結構迷いました。
東大生向けに話すと、UTASで履修予定の授業をお気に入り登録した後、UTAS全体を英語版に変更し、お気に入り登録一覧のサイトをそのままpdfにして送信しました。
Edit Learning Agreement
KTHで受講予定の授業を登録するというものですが、これだけはめちゃくちゃ操作性が悪くて、どう授業を登録すればよいか結構詰まった気がします。
サイトに表示される表は、現時点で登録している授業を表示するだけなので、これのフィルターを使って検索をしても永遠に No data available in tableと出ると思います。
おそらく真ん中下にenter further courseというボタンが有ると思うので、そこから、自分の取りたい授業を検索して登録すれば大丈夫です。
小数点の記載方法
申請をしている際に、詰まったことの一つに小数点の扱いというのがあります。スウェーデンでは、小数点は"."ではなく、","で表現するそうです。7.5ではなく、7,5という感じです。ややこしい。
履修予定単位について
いくつかのサイトで履修予定の単位数について調べると、30単位キッチリに調整する必要があると書かれています。理由としては、full timeの学生ビザ申請のために履修予定単位は30必要であり、1学期で登録できる単位の上限は30というのがその理由です。
ただ、これは完全に正しい情報ではないようです。実際自分は28.5単位で申請しましたが、総じて問題無かったです。一応、下にある移民局のサイトで学生ビザについて見てみると、30単位で無ければいけないという記述はありませんでした。
自分はKTHの留学コーディネーターの人に連絡を取って、問題ないことを確認した上で提出しました。大学によるのかもしれませんが、きっちり30単位である必要はないと思われます。
ただ見た所どのみち30単位に近い単位数は必要そうではあるので、そこは注意してください。
履修予定の授業は、そのタイミングだとまだ時間割が全く出ていないと思いますが、実は入学後のタイミングでどうとでも変更が効くので、とりあえず気になる授業を上限まで登録するのが良いと思います。
補足: 受講対象者について
KTHの場合、授業のシラバスを覗くと、以下の画像のようにどの授業にも事前にこの授業無いようの習得が前提です、みたいなことが書かれてたりしますが、交換留学生の場合余程のことが無い限りはここはあまり気にする必要はないです。興味があって、自分のレベルに合っていると思われる授業を色々と候補にいれるのが良いです。
航空券の購入
入学許可が降りたら、滞在期間の決定と出国便、できれば帰国便の航空券の購入を進めましょう。
購入時期
航空券は直前になるほど値段が上がりやすいので、入学許可証が出次第、航空券を探し始めるのが良いと思います。
調べてみると、出発の20週間前 (つまり5か月前) が一番安くなりやすいそうで、それ以降は高騰する一方だと思うので、基本なる早で買うのが良いと思います。
東大の場合は、出国前に予め出国日と帰国日を自分の所属学科・専攻に伝えておく必要があり、加えて後ほど本部国際推進課に航空券の領収書のアップロードもフォームで求められます (後から変更可能) 。
見通しを予めつけてしまうという意味でも、少なくとも出国便は早い所買ってしまいましょう。
出国日について
実際の出国日は、arrival dateを基準に考えことになります。arrival dateは、大学・寮の手続きなどが行われる日なので、基本的にこの日より前に、留学先の国に到着している必要があります (KTHの場合、一応テストとかでその日までに来れない場合は、連絡すれば対応してくれるようでした)。
しかしながら、このarraival dateは入学許可が出た時点で情報開示されるわけではないというのが、厄介な点です。少なくともKTHの場合はそうでした。KTHの場合幸い授業開始日だけは分かっていて、秋学期のarrival dateは、授業開始日の1週間前だったので、春学期もそうなるだろうと踏んで、授業開始の1週間前に到着することを目処に行きの航空券を予約しました。
結局arrival dateは、授業開始日の1日前だったため、1週間早かったことになってしまいましたが、arrival dateの日にちが判明したのが、授業開始2か月前とかで、このタイミングだと航空券も値上がりしてそうだし早く来るに越したことはないので、まあこれが最適解の一つだったのかなと。arrival date以降でないと、寮にも入れなかったので、最初の一週間は友達とairbnbしていました。
探し方
航空券を探すサイトで有名なものとして、skyscannerがあると思います。ただこのサイトは、ヨーロッパ内での旅行のときには有用なのですが、正直日本からヨーロッパ行くにあたってはあまり役に立たなかった気がします。
あまり選択肢がなく、結局どれもベースの料金はそこまで変わらないのと、下に紹介する学割が検索結果に含まれないからです。
それよりは、学割を提供している航空会社の公式サイトから探すのがいいと思います。
学割を使おう
航空会社によって色々と学割があるので、それをフルに使えるように買うのが良いです。知っている限りで学割のある航空会社は以下の通りです。添付のリンクに詳細があるので、それも見てみてください。
エミレーツ航空 : 最大1割引&飛行機の日にちの変更無料
カタール航空 :利用回数に応じて割引が適用、最大20%引き
トルコ航空 : 最大2割の割引価格で航空券を購入可能
在学証明書 (英語) とパスポートの写真をカスタマーサポート経由で送ることで、学生認証が完了
スカンディナビア航空 : 半額近い (!) 割引額で航空券を購入可能
全ての航空券が対象ではなく、このサイトで表示される予定のみ対象
東京↔ストックホルムが必ずしも対象とは限らないので注意
ちなみに東京↔ストックホルムに直行便はない
ただ欧州の中での移動では、割引の対象になっている場合もあるので、留学中に旅行などに行く際はまず選択肢の一つとしてサイトを覗くのが良いと思います
筆者の場合
私は入学許可が降りてから、1週間以内に航空券を取りました。
出国便はトルコ航空で取りました。23kg以下の荷物を2つまで預けることができて、10万8千円ほどでした。
トルコ航空を使う別の利点は、航空券によってはTouristanbulというサービスが使える場合があることです。これはトランジットの時間が8時間以上ある場合使えるサービスで、その時間帯におけるトルコ航空主催のツアーに無料で参加できるというものです。
私もこのサービスが付いている航空券を買ったんですが、残念ながら飛行機が遅れてしまい、ツアー開始時刻に間に合わなかったため参加することができませんでした、、(泣)(結局一人Touristanbulしました) 。
また、帰国便も出国便を買ったタイミングで、飛行日時の融通が利きやすいエミレーツ航空で、授業終了日の3日後でとりました。かかった金額は10万5千円ほどです。
留学の場合、帰国日を予め決めておくのは結構難しいと思うので、変更可能なチケットはかなりありがたいです (実際この後日時の変更を行ったので、これにしておいて良かったと思ってます)。
留学中の保険加入
これについては、おそらく日本の大学の方からアナウンスが有ると思います。基本的には学研災付帯 海学留学保険、通称付帯海学を使うことになると思います
保険適用期間について
基本的には、滞在予定期間以上の保険適用期間を選択し、それに応じた保険料を支払うことになります。
半期の人は、基本的に授業の期間は半年未満となりますが、それ以上に長く滞在することも踏まえて最初から半年で申し込むのが良いと思います。
自分は申込み当時予想していた時期よりは長く滞在する予定なので、最初から半年で申し込んで良かったと思ってます。
また、日本語版保険証明書を受け取ったタイミングで留学担当機関 (本部国際教育推進課) に、英文証明書を送ってもらうようお願いしましょう。何も問題なければ即日返信来ると思います (友達はちょっと時間かかってたので、まちまちかも)。
学生ビザの申請
保険加入が無事にできたら、留学生向けのビザである学生ビザの申請に取り掛かりましょう。スウェーデンでは、90日以内での滞在は観光ビザで可能ですが、それより長く滞在する場合は、特別なビザが必要になります。
学生ビザであっても、バイト・インターンを行うことは可能です (実際に仕事を得られるかは別問題)。
申請完了までの流れ
自分のケースでの日程を()内で記載しています。
スウェーデン移民局のサイトからアカウントを作成・申請開始 (11月上旬)
必要項目をフォームにすべて埋めて提出 (11/13)
在日スウェーデン大使館からパスポート確認のためのメールが届く(11/21)
人によってはこのメールが届くのに結構時間かかってました
在日スウェーデン大使館でパスポート提示 (11/30)
スウェーデン移民局からパスポート確認のメールが届く、日本でのビザ申請完了 (12/1)
(スウェーデン到着後) Stockholmにある移民局で指紋と写真を撮りに行く (1/17)
入国後3ヶ月以内 (要は観光ビザが切れるまで) に行く必要あり
移民局の訪問に予約が必要で、しかも結構埋まっているので、出国日前後から訪問予約サイトに目を張っておくのが良いと思います
事前に準備すべきもの
基本的にこのサイトに記載されていますが、その中でも厄介なものを下に記載します。
保険証明書 : 英語版で提出
上述の通り、保険証明書が来たタイミングで英文証明書の発行もお願いするのが良い
残高証明書:ドル建て英字版
残高証明書について
自分はドル建て英字のもので出しましたが、おそらく一番好ましいのは、スウェーデン・クローナ (SEK) 建ての英字証明書です。ただ、SEK表示に対応している銀行は限られていると思うので、選択肢になければドル建て表示で問題ないと思います。住所表記は有りにしました。
また、残高証明書は出国日前3ヶ月以内に発行されたものでないと有効でないので注意しましょう。
滞在日数に応じて必要な金額が変わります。2024年1月以降は、1ヶ月あたり10,314 sek (=大体15万) の資金が必要らしいです、高いですね。
補足 : ソニー銀行での残高証明書発行について
ネット銀行で、多くの手続きがオンラインで即日対応してくれるのがウリのソニー銀行ですが、残高証明書に関しては残念ながら郵送での申請が必要になります。このため、意外と証明書取得に時間がかかる点に注意です、最低でも1週間ほどかかります。(自分の場合は、一人暮らしに伴う住所の変更を反映していなかったことで一回再提出したため、合計2週間かかりました、、)
ちなみに、ソニー銀行自体は留学におすすめです。現在進行系で使ってますが、外貨口座の開設が簡単なのと、外貨両替のレートが良いというのがその理由です。
補足: ビザの期間について
一応、スウェーデンには学生ビザで申請した滞在最終日から+90日間は滞在することが可能だそうです。これは、居住許可が切れた場合は、自動的に観光ビザとして90日内なら滞在して良い権利が使えるためです。
基本情報申請
申請にあたっては、以下のサイトを大変参考にさせていただきましたので、これを参考にして進めるのが一番スムーズだと思います。
ただ、上記サイトを踏まえても申請項目で詰まったところがあるので、自分がどう対応したかを下に記します。
2: Applicant
滞在期間 : 授業開始2週間前から授業終了2週間後で取るのが推奨?
このサイトを参考
自分は開始は入国日に (授業開始1週間前)、終わりは授業最終日の2週間後に設定
9: Reason for studies
Paid tuition fee: Yes
交換留学であれば、日本の大学の学費を納めるだけで良いはずなので、この選択肢で良いはずです
12: Studies
どうして留学をするのかを聞かれます。自分は、大学に出した留学志望理由を元にChatGPTに要約・英訳して手直ししたものを出しました。
13: Current occupation
現時点でどんな勉強・研究をしているかを聞かれます。就活サイトとかに登録していた当時の研究内容を、上と同じようにChatGPTに要約・英訳して手直ししたものを出しました。
17: Scholarship
Scholarship : Other scholarship
Other scholarship : Japan Student Services Organization
自分は奨学金の拠出がJASSOだったので、正式名称で入力しました
大使館訪問
フォーム提出後、六本木にある在日スウェーデン大使館からパスポート確認のために大使館に来いという旨のメールが届きます。予約などは必要なく、自動で訪問のために必要な番号などが発行されるのですが、受付時間が毎週木曜日の10:00~11:00のみなので、結構厳しい仕様です。
そのため、それなりに毎週人がいると思われます。自分が行ったときは、なんだかんだ40分ぐらい待ってようやく自分の番が来た、という感じでした。
訪問後、residence permit承認完了のメールが届いたら、日本での手続きは完了です。お疲れ様でした。
まとめ
今回は学生ビザの申請までを書きました。
ここの手続きは煩雑な上、不安要素が多いというのもあって結構脳のリソース食われます。
この記事が手続きを進めるうえで、参考になれば幸いです。質問などあればコメント頂ければです。
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