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『Utopia』とトラビス・スコットが好きすぎてしょうがないって話

 今日みたいに、日がな家に籠っていると外の物に触れないので、何か書こうと思っても自分の中にある話しか書けない。新しい物を得るためには、まずは外の世界に出る。時間だけはあるので、夜行バスで地方に行って小旅行するのも良いかも知れない。京都と大阪は好きだ。最近知り合いのツテで大阪の友達が出来たので、食い倒れの旅でもしてみたい。
 備忘録として書くが、この夏のうちに行きたいのは、映画だとエドワード・ヤンの上映にJazz Film Festival、タランティーノのドキュメンタリー。展示はマティス展とソール・ライター展、テート美術館展に行こうと思う。結構あるな。忙しくなりそうだ。

 トラビス・スコットの新譜、『Utopia』が出た。何年待ったことか。アストロワールドフェスの事や離婚もあって、何ならもう出さないんじゃないかとすら思っていた。まずは彼と関係者各位に感謝と労いの意を表明したい。それだけでは無い。彼は音楽性を進化、深化させて戻って来た。これまでに築いてきた偉大な足跡の焼き直しでは無く、更にエクスペリメンタルな音楽をポップスの大舞台でブチカマしてくれた。堪んねえよ。トラニキには一生付いて行くよ。
 『Utopia』の功績の一つにブーンバップに対するトラップ的な解釈を見出した事が挙げられる。このアルバムはビートはブーンバップっぽく、でありながらラップのフロウはトラップという曲が多い。前作の『Astroworld』の最後の「Coffee Bean」の路線を押し進めたような音楽性だ。
 勿論がっつりトラップの曲もクオリティは折り紙付きだ。ヤング・サグや21サヴェージ等の客演も光る。新しい試みもあって、プレイボーイ・カーティとの「Fe!n」はトラビス初のレイジビートだ。
 ハウス的なビートも取り入れていて、昨年ハウスのアルバムを出したビヨンセをフィーチャーした「Delresto」、キッド・カディとの「Looove」みたいな曲もある。
 73分の大ボリュームの内容だが、5年待った甲斐があった。『Utopia』は繰り返し聴いていきたいアルバムになった。トラビスがシーンにいる限りヒップホップは安泰だ。

 トラビス・スコットを初めて意識したのは2016年頃だったと思う。最近やたらとフィーチャリングで良い仕事をしているな、という印象を受けたのが最初だ。この頃は2ndアルバムの『Birds in the Trap Sing McKnight』を出した頃で、俺はこのアルバムが一番好きだ。浮遊感のある静かなトラップで、騒がしいパーティミュージックに傾倒しがちなラップシーンでは異彩を放っていた。

 トラビスはファッションもかっこ良くて、古い物を新しく魅せるのが上手い。ストリートもハイブラも彼の手に掛かればトラビススタイルになる。昔インスタに彼が着た服を載せているアカウントがあって、サイズ感や色合わせをよく参考にしていた。スニーカーも大人気だが、正直なところトラビスのジョーダンを履いてる人はダサい。何とかならんものか…。

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