
『阿修羅のごとく』を観て思う姉妹の関係性
是枝監督によって令和の時代に蘇った昭和ドラマ。こういう傑作はいくらでもあるのかもしれない。元の作品を観たわけではないので改変云々は分からないがとても面白かった。
いつの時代も「男ってこう」「女ってこう」ってボヤきたくなる日がある。それを画面を通して面白おかしく笑えるように仕立て上げた上で、でもその全てが、(紛れもなく例外ぬきで)状況次第で誰にでも当てはまるじゃない?ねぇ、あなたもそうでしょう?と問いかけてくる作品。
その瞬間、笑った顔が引き攣るというより「あぁ、そうそう、そうなんだよ」と画面の向こうを見つめてしまうような作品。
作品を通して女性目線で描かれるので、当初男性を非難しているのかと思いきやそういうわけではない。女性のみっともないところ、弱いところをさらけ出してそれをサバサバと笑う。
姉妹というある種「絶対的な味方」であり「鬱陶しい存在」。幼少期から知っている家族として幸せであって欲しいと願いつつ、その距離の近さ故に、比べて卑屈になったり、時に同性への厳しい目線を口にしてしまう。
この四姉妹の様に美しい訳では無いけど、私には可愛い妹がいる。両親のいざこざや家庭内での事件で分かり合えたりするところなんかは本当にあるあるだなと。未だに「あの時お母さんさ、」なんて話何回したことか。
そうか、私達もこうやってライフステージごとに答え合わせをしていくのかもしれない。
向田邦子さんの作品は「思い出トランプ」を小学生の時に読んだのが初めてだった。小学生の私にも分かる父親への目線に共感を覚えてすごく好きになった。また改めて読み直してみたいと思う。