見習い時代のミッキー「ファンタジア魔法使いの弟子」

　魔法使いの弟子になったミッキーは、大変な水汲みの仕事を箒に魔法をかけて自分の変わりに働かせます。
　師匠の魔法の帽子を被ったミッキーは呪文を使って箒に手を生やし、水を入れるバケツをもたせて、生き生きと動く箒に水を運ぶ仕事を教えました。
ミッキーは夢の世界に飛び立ち、星を光らせ、惑星を飛ばし、宇宙を動かす魔法使いになったミッキーにできないことなんて無いように見えます。
　ところが魔法にかかった箒は水を運び続けて、ミッキーが夢の世界にいる間に魔法使いの部屋を水浸しにしてしまいます。
　慌てたミッキーは箒を壊して止めようとしますが、命を吹き込まれた箒は叩き割られても生き続けて、一本の箒は破片から大量の箒になって部屋を水で一杯にしてしまいます。
　騒ぎに気付いた魔法使いの師匠は箒が運んだ水に溺れかけていた弟子を見咎め、ミッキーの被っていた魔法の帽子を取り上げて、忘れていたことを思いださせるように水汲みの仕事を続けさせます。
　もしかしたら魔法使いになりたいミッキーの修行は、魔法使いになりたい心を絶対に忘れないための訓練で、魔法の帽子でなんでも出来るようになっていたミッキーは、なにかを叶えたい気持ちを忘れて箒を操る方法も忘れてしまい、完璧に魔法を使うことが出来なかったのかもしれません。
　翻った赤いマントと青い帽子のミッキーが楽しそうに魔法を使う映像と音楽の素晴らしさに魔法の存在を信じられる唯一無二の芸術作品ではないでしょうか。

「見習い時代のミッキー「ファンタジア魔法使いの弟子」」完

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