【白いぼうし】
国語の『白いぼうし』の学習では、子どもたちならではの視点や発見があり、私自身もとてもわくわくさせられました。
この単元の目標は大きく3つ設定してあります。1つ目がスラスラ、ハキハキ、正確に音読ができること。ハキハキと自信をもって正確に読めることで、物語の内容についての読みも深くなります。2つ目は、叙述をもとに人物の心情を捉えること。物語文の読みには、正解はありません。また同時に、なんでもありではありません。文章中の言葉や表現を根拠として、自分なりの読みを楽しむことが目標の2つ目。3つ目は、多様な解釈を楽しむこと。それぞれがそれぞれの根拠をもって、感じ取った読みを「あ〜それもあるね!」「なるほどね!確かに!」「おもしろい!」と楽むこと。
1文であらすじを書いたり、登場人物・場所・時を確認したりした後に、「疑問だな。」「これみんなで考えたいな。」という問いを一人一人考えました。それを持ち寄ってグループで話し合い、グループで一つの問いをきました。
①女の子は何者?
②女の子はなぜ1人?
③女の子はちょう?
④なぜ菜の花横丁?
⑤なぜ白い帽子を回した?
⑥「白」がなぜ多い?
似てる問いを一つにするなど分類し、学級全体で問いについて話し合いました。
まずは、「女の子の正体は?」という問い。
女の子の正体は、モンシロチョウである。と答える子どもたちが多くいました。
その中でも理由やもとにする叙述が異なるところがおもしろい。
モンシロチョウがいっぱいの場所が出てきて、そこで消えたから仲間のもとに戻ったのではないか。
窓は少しだけ開いていたという言葉があって、窓からひらひらと逃げたことが考えられそう。
「よかったね。」「よかったよ。」の声は、仲間のモンシロチョウのもとに戻ってこれて、よかったね、おかえりと会話しているのではないか。
「白い服の女の子」というところから、「白」つながりで、モンシロチョウだと想像できる。
「菜の花横丁」が行先で、菜の花の周りにはよくモンシロチョウが飛んでいるから、やっぱりそこに帰りたかったのかも。
モンシロチョウの気持ちになると、虫取りあみをもった男の子が近づいてきたら「逃げたい!」って思うから、急いでタクシーを出してほしいとお願いしているのだと思う。
様々に考えを出し合いながら、文章中の言葉をもとに話し合いました。
ちょうの立場になったり、女の子の立場になったり、多様な視点から物語を見る姿も。
誰の考えに対しても「いいね!」と認め、違いをおもしろがる雰囲気が広がっていました。
話し合いを終えた後の子どもたちの感想です。
国語には正かいがないから楽しいなと思った。そして一番のぎもんは「よかったね。」「よかったよ。」はだれの声なのか気になった。これもみんなで話し合ってみたい。
ふしぎなぎもんとか、意味がわからないところとかがあっておもしろい話だと思いました。正体が、不明なのでもしかしたら正体は、小さな小さな小人で車のすきまなどから出れて、菜の花畑で見えないようにかくれいるかもしれないし。おもしろい話。
白いぼうしの最後の「よかったね。」「よかったよ。」という言葉で、だれが言っているのかについて、『三年とうげ』の最後の「いっぺん転べば3年で、じゅっぺん転べば30年、、、。と歌ったのはだれだったのでしょう。」とつながっているかもしれない。