【短編小説】勝手に守友戦線 蜂起編
今回は、三部構成になっています。
お楽しみに!
※この物語はフィクションです。
これは、私がフォトグラファーを目指すきっかけとなった出来事です。
あれは、高校2年の時のコト。
写真部の私が、ファミレスに呼び出しを食らいました。
「はい。」
「来たわね。」
「呼んだのそっちっしょ。バレたらマズくない?」
「何が?」
「陰キャと1軍がつるんでるなんつったら。覇権争いにも影響するんじゃないの?」
「覇権ねぇ。アイツらか。取り戻せばいいだけだから。」
「お前、負けん気だけは強いよな。」
私と話しているのは、1軍女子の千紗。
ギャルの割に、クラスでは成績上位に入る女子です。
まぁ、私の幼なじみなのですが。
クラスの女子では、千紗派と聖子派という2大派閥が5人ずついて。
どっちにも入らないことが一番クラスでやっていけると言われていますが。
それは、置いといて。
「呼び出したのは、お願いがある。」
「お願い?なんか物騒な気がするなぁ。」
「物騒じゃないわよ。彩未のこと。」
「彩未?」
彩未とは、私と千紗と同様幼なじみです。
ただ、メガネを着けていて自信が少ない性格です。
「彩未を救いたい。」
「はぁ?」
「彩未が狙われてるのよ。聖子たちに。」
「狙われてる?」
「彩未を恥かかせるつもりね。体育祭・文化祭で。」
「学校行事でか?」
「うん。明後日の体育祭の出場競技決めあるでしょ。」
「ああ、明後日か。」
「クラス対抗リレーよ。アンカーにさせようと画策してるらしいわ。」
「アンカー?十分じゃない?」
「通例としては周りは男子。いくらあの彩未でもよ。」
「そうか。高校の運動部はガチが多いしな。」
「そう。ただおそらく根回しはかなりされてるっぽい。」
「根回しか。ヤダねぇ~。」
「あいつらしいわ。男子と仲がいいんだもん。」
「妬いてるんだ。」
「殴るわよ?(怒)」
一拍おいて話をもどしました。
「彩未が、本当はだいぶ足が速いってのはクラスでも一部しか知らないわ。」
「自分らだけじゃなくか?」
「うん。中学時代同じ部活で大会に出てた人もいる。」
「ほぉ。ならいいじゃん。」
「だけど、聖子派を無視すれば自分が何をされるか分からない。男子に投票できるのかは流れ次第だけどね。厳しいんじゃない?」
「要するに、クラスでの立場が危ういわけか。」
「そう。自分の立場を守るために可決されるかもね。」
「なるほどな。」
「無理して否決させたら狙われる。流れに乗って。」
「オーケー。」
「体育祭に関しては、私は動ける。そこまではいいの。」
「じゃあいいじゃん。」
「問題は、文化祭よ。」
私を真っ直ぐ見て、言ってきました。
「文化祭は、まだ噂程度だけど毎年恒例のミスコンあるでしょ。」
「まさか・・・。」
「そのまさかよ。ミスコンに出そうとしてるのよ。彩未を。」
「個人的な恨みっぽいな。」
「まさによ。だいたい察しはつくと思うけど。」
「あれか。」
「そう。それは置いとくわ。これが本題よ。」
「何を?」
「あんたに、彩未をかわいく撮影してほしい。」
「何?」
「あんたが一番わかってるでしょ。彩未は、本当はめっちゃ可愛いってこと。」
「ま、まぁ・・・。」
「でしょ!私だってわかってるわよ。」
「お、おう・・・。」
目つきが変わったのは目に見えました。
「彩未を陥れようとする奴らはマジで許さないから。あんたもそうでしょ。」
「まぁな。」
「決まりね。この2つの戦い。共闘してくれるわね。」
「おう。」
秋の2つの闘いが始まろうとしていました。