キズナアイの分裂、ゲーム部のCTuber化に共通している事

 もう旬が過ぎた話題ではあるんですが、最近のVTuber界隈の動きにも当てはまる部分があるので少しだけ書きます。

 皆さんはVTuberのどういうところが好きでしょうか。その答えはほぼほぼVTuber本人(中の人)の魅力にあると思います。現在一番人気のある箱のにじさんじはそれこそがVTuber事業をやる上での本質である事にいち早く気づき、運営はあくまで本人の活動をサポートするのみでやる事の制限もほぼしていません。ガワや3Dモデルにもそれほどお金(コスト)をかけないのは結局のところ中の人の魅力が一番でありガワはさほど重要ではないという判断なのだと思われます。

 キズナアイやゲーム部も中の人の人気に支えられてきました。活動の仕方はにじさんじと違い、運営が主導して脚本・企画を作成し、演者がそれに沿って動き、運営が動画を作成します。そこに中の人自らが主導して行う言動はそれほど多くありません。

 しかしそのようなスタイルでやっているにしても、結局のところ、応援している人はVTuber本人や中の人に魅力を感じて見ているわけです。その事には運営もVTuber自身も理解しているところでしょう。Twitterやコメントを少し眺めるだけですぐわかる事ですし応援している人も同じように考えているはずです。

 しかしそれではVTuber事業は長く持つビジョンが見えません。もしVTuber本人が会社に反抗したらどうなるか?やりたくないイベントに参加させられようとしたらどうなるか?本人と運営の意向にズレが生じそれが大きくなっていつか爆発してしまったら?

 運営から一人スタッフが欠けたところでどうにでもなるのが会社の正しい姿なのですが、中の人が欠ければそれで事業は丸つぶれです。しかもそれは外部スタッフで雇われであるため、中の人もそれで職を失い働き口を新たに探す事がない場合もあります。そうなると小さな出来事でも会社に反旗を翻し対立構造を簡単に生めてしまいます。

 会社が主導して行うVTuber事業の場合、中の人に頼らない運営が理想となります。つまり、仮に中の人が辞めても問題が無い設計です。キズナアイが分裂したのも、ゲーム部がCTuber化したのも、中の人に頼らない運営が長期的に考えたときにリスクが少なくノウハウを社内で共有できるというメリットがあるわけです。

 ただこれはあくまで運営が長く続くためのものであり、現状のファンというのは切り捨てられたも同然です。VTuber本人を応援していたのにそれを軽視するようになるわけですしそう思うのは当然であり、運営もそうなるのは必然だと考えるでしょう。なので反発がどんなに起きてもケロっとして平然と活動を続けているのはそういうリスクがある事は知っているからです。

 中の人を増やす、CTuber化する、それぞれに色々な理由があるため一概には言えないのですが、activ8もunlimitedも「VTuber(CTuber)事業は長く続けられる(または長く続けたい」意思があると考えられるため、形はいびつであれ運営としては苦渋の決断だったんじゃないかと思います。できる事なら中の人も変えず分裂もせず中の人とも円満に長く続くのが理想ですから。

 みなさんが応援しているVTuberというのは儚い一瞬の夢のようなものです。何年も十年以上もVTuberで在り続けるのは非常に難しいですし、そのつもりで活動している人たちもそう多くはないでしょう。運営に夢を潰され辛い思いをしているのは僕も同じですが、一人のVTuberの寿命はとても短いものだと理解して応援していくのが良いのかなと思います。

 そういった儚い一瞬の夢を少しでも長くしたい、寿命を限りなく伸ばしたい、命尽きてもなお生かし続けたいとする運営との対立はこれからもたくさんあるでしょう。例に挙げたキズナアイとゲーム部の次にそのような流れが現れるのは.LIVEだと思います。その他の会社主導で運営しているVTuberを応援している方もそれらを理解した上で応援していくといいかもしれません。

 以上です。特に読み直しも書き直しもしておらず装飾もないので読みづらいかと思いますが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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