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はじめてのドリップコーヒー。ファーストウェーブからサードウェーブまで。

私達が普段、何気なく飲んでいるコーヒー。
それは何百年も前から世界中で愛され、人種、階級を問わず親しまれてきた。

サードウェーブの影響もあり、今では、様々なコーヒーショップでスペシャリティコーヒーが楽しめる。昔と比べて、本当にいい時代に生まれたなと感じている。

しかし、選択肢が増えたことで自分好みの一杯を見つけるのが難しくなっているのも事実。

そこで今回は、ベストコーヒーに出会うために知っておくべき基礎知識を8回に分けて更新していこうと思う。

これを読めば、これまでと違ったコーヒーの楽しみ方が出来るはずだ。

01_ファーストウェーブ


19世紀後半~1960年代まで続いたファーストウェーブといわれるコーヒーブームは、世界中にコーヒーを届けるという大手メーカーによる大量生産大量消費の時代だった。

安定的な供給の為、味の均質化によるブレンドが重要視され、クオリティーは二の次。豆の管理方法も確立されていなかったせいか、栽培されている場所に近いローカルエリアで愉しまれていた。

そこから数十年が経ち、20世紀に入ると、Hills Bros Coffeeがコーヒー豆を真空パックで管理する方法を立案する。

それ以降、サンフランシスコやニューヨークなど、アーバンエリアでも気軽に飲めるポピュラーなドリンクとして楽しまれるようになり、加速度的に浸透していくきっかけになった。

セールスのために生み出された"コーヒーブレイク"という言葉とともにコーヒーが一大産業として産声をあげ、アメリカでは1日の平均摂取量が3杯を超えるなど、日常になくてはならない存在になったのである。

02_セカンドウェーブ

こうして一般家庭でも愉しまれるようになったコーヒーは、1960年代のセカンドウェーブを境に様々な角度から大きく変化していく。

安価で低品質なコーヒーがスタンダードだったファーストウェーブのカウンターから、セカンドウェーブでは、高品質な豆が注目されるようになった。

さらに、豆だけではなく、これまで注目されてこなかった深煎りがトレンドになるなど、焙煎方法にこだわる人も増え、サードウェーブに繋がる良質なコーヒーを愉しむ文化が誕生した。

セカンドウェーブの火付け役となった、シアトル系コーヒーに代表されるスターバックスやタリーズなど、イタリアンスタイルの深めの焙煎にミルクを合わせるスタイルが流行したことで、シンプルなコーヒーだけではなく、カフェオレなどのアレンジコーヒーが登場しはじめたのもこの時代だ。

今では当たり前の光景となったが、人気コーヒーショップのカップを持って歩く事がファッションアイコンとなり、これまでのコーヒーイメージが刷新されるきっかけになったのは間違いないだろう。

03_サードウェーブ

"高品質な豆を深煎りで飲む"というセカンドウェーブがマンネリ化してきた1990年代、遂にサードウェーブというムーブメントが到来する。

より美味しいコーヒーを追求する人が増えたことで、豆や淹れ方だけでなく、これまで注目されてこなかった産地に目が向くようになり、仲介業者を挟むことなく、生産者とダイレクトに取引するコーヒーショップが増えてきた。

今では定番となったスペシャリティコーヒーも、この時代に生まれた言葉だ。

かつて、様々な農園の豆をブレンドして出荷していたものを、農園単位(畑単位)で管理するようになり、品種から精製方法に至るまで、焙煎する前の生豆こそ最重要視すべきだという考え方が定着するようになる。

それに付随するかのように、焙煎方法のトレンドも"深煎り→浅煎り"に変化していった。

これまでのトレンドだった豆の長所と短所を消してしまう深煎りに対し、豆の特徴をダイレクトに感じやすい浅煎りは、シングルオリジンの酸味を楽しむ焙煎度合いとしてベストと評価されたのだ。

ムーブメントの移り変わりによってトレンドは変化するものの、常にベストなコーヒーを追い求めたカルチャーは着実に前進しており、テクノロジーによる発展だけでなく、度々アナログな原点回帰をしつつ、独自の文化を形成しているのは興味深い。

こうしてシングルオリジンを中心としたサードウェーブが浸透した今日、あえてブレンドコーヒーにこだわるお店も増えてきた。

そんな次回は、シングルオリジンとブレンドコーヒーについて解説していこうと思う。

それでは。



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