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Vincent Willem van Gogh
原田マハさんの「たゆたえども沈まず」をAudibleで聞いた。Audibleの評価で4.8を獲得していたから相当期待していたのだが、期待を裏切らない大作であった。
舞台は19世紀後半のパリ。実在の人物である日本人画商・林忠正と、オランダ人画家・フィンセント・ファン・ゴッホ、その弟で画商のテオドルス(テオ)・ファン・ゴッホ、そして架空の人物である林の助手・加納重吉の4人を中心に物語が展開される。
古典ラジオのゴッホ回を少し前に聞いており、ゴッホの弟のテオやゴッホへの知識は多少持っていたのが、登場人物として物語に落とし込まれることで、彼らの生きた時代を少しばかり体験できたような気分になった。
とはいえ、この物語に欠かせないのはやはり、林忠正の存在である。この人物の存在は知らなかったが、岩倉使節団がちょうどヨーロッパを訪れたのと同じ時期に、パリで活躍した画商がいたとは、驚きである。