洋上風力はエネルギー問題を解決できるのか
欧州では、洋上風力発電の大手事業者が相次いで撤退や計画縮小に追い込まれている。ノルウェーのエクイノールやデンマークのオーステッドなど、世界を牽引してきた企業の動きは、洋上風力発電の将来に大きな影を落としている。日本の洋上風力計画にも、この動きは大きな影を落とす。
従来、欧州は遠浅の海と安定的な気候、そして高い環境意識を背景に、洋上風力発電に適した地域とされてきた。日本も欧州に倣い、洋上風力発電の導入を進めてきたが、日本の複雑な自然環境や多様な産業との共存が、技術的な課題を複雑化させている。天候の急変や漁業との共存など、克服すべき課題は多い。
さらに、米国のトランプ政権下での政策転換が、米国の洋上風力開発に不確実性をもたらしている。世界最大の市場である米国の動向は、世界の洋上風力産業全体に大きな影響を与える可能性がある。
再生可能エネルギーの重要性はますます高まっているが、コストや安定供給といった課題は依然として残る。日本の洋上風力発電は、欧州の動向を注視しながら、これらの課題を克服し、持続可能なエネルギー源として確立できるのか、真価が問われる。