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AIについて勉強したことをまとめてみた

Ⅰ身の回りのAI

現代AIは様々なことを可能にしている。YouTubeやTikTok、Siriなどの我々が日常的に使うツールにもAIが用いられている。他にも、農業や芸術分野、政治分野でもAIの活用がみられる。こうした様々な分野でAIが用いられているが、すべてのAIが高い精度を誇るわけではない。一方で、高い精度が必要とされるAI分野もある。一部の空港のゲートなどでは顔認証にAIが用いられているが、出入国という国家権力の行使にAIが活用されているため、精度の高さが重要になる。不良品の見逃しが許されないAIによる外観検査では、不良品を学習するのではなく、良品を学び良品ではないものを省くという逆転の発想により、高い精度を実現している。また、自動運転においても高い精度が求められている。Semantic segmentationなどの様々な技術を駆使して自動運転技術は発達してきたが、自動運転に必要な情報だけを見分けることは非常に難しい。そのため、必要な範囲のみを識別するROI(Region Of Interest)などが重要になる。しかし、AIの精度を100%にすることは困難であり、AIが分からないときにのみ人間が介入するという「human in the loop」の概念も大切だ。

ⅡAIの歴史と仕組み

Artificial Intelligenceという言葉は1950年代にダートマス会議にて、ジョン・マッカ―シによって初めて使われたが、そんなAIの最初のブームが起こったのは、1950年代後半から1960年代にかけてである。冷戦下でのロシア語の翻訳の役割などが期待されたが、実際にはトイプロブレムと呼ばれる簡単な問題しか解けなかった。


第一次AIブームでは探索と推論が可能になった。例えば、迷路の分岐点に名前を付け、ツリー上に展開していくといった手法である。しかし、計算が膨大で処理できないといった組み合わせ爆発などの問題も残った。その後、第二次AIブームでは知識表現が可能となった。if・elseの羅列によるエキスパートシステムは医療診断などで用いられるようになり、現在でも使われている。しかし、形式知や暗黙知といった論理的に書けないものも多く、再び冬の時代を迎えた。そして、第三次AIブームでは機械学習や深層学習により、構造化されていないものを判断できるようになった。
第三次AIブームのきっかけはILSVRCという画像認識コンペだった。このコンペにおいて2012年に初めてディープラーニングの手法が用いられ、正答率が大幅に上昇した。その後、AlphaGoという囲碁のAIが韓国のイ・セドル九段を倒したことでその存在が一般にも広く知られることとなる。
 第三次AIブームでは人間の脳のシナプス結合を模倣したディープラーニングの手法によって、第一次、第二次AIブームでは不可能だった特徴の識別が可能となった。人間がアルゴリズムを考えていた従来の手法とは異なり、データがプログラムをつくるようになったともいえる。こうした第三次AIブームはinternetの発達、計算機の発達、深層学習技術の発達によるところが大きい。ディープラーニングの技術はエンジンやインターネットと並ぶ、数十年に一度の汎用目的技術である
第三次AIブームの中心となった機械学習には主に3つの方法がある。一つ目は教師あり学習だ。データと正解ラベルをセットにして学習していく手法で、回帰や分類といったことに用いられる。二つ目は教師なし学習だ。正解データはなしで、AIが入力データの構造を学習しクラスタリングをしていく。三つめは強化学習だ。この手法ではAIの状態に応じて報酬を与えることで学習していく。このようにして、AIの精度が上がっていくわけだが、AIは正答率だけが大切なわけではない。間違いの少なさである適合率や、見逃しの少なさである再現率が重視される場面もある。

ⅢAIの課題と未来

 AIには課題が多い。代表的なのはフレーム問題だ。これは、「今、しようとしていることに関係のあることだけを選び出すこと」が難しいという問題であり、解決できていない。また、AIができたかどうかを判断するチューリングテストに対しては、中国語の部屋といった反例が挙げられている。
さらに、AIは過去のデータに基づくため、差別や不公平が固定化される危険性を多分にはらんでいる。「AIは社会の鏡」という言葉には、AIが社会の差別や偏見を再生産するという意味も含まれている。Google photoのラベル付けやAmazon社での採用など、公平性や倫理が問題となった例はすでにたくさんある。一方で、倫理問題に関して日本政府は2019年に「人間中心のAI社会原則」を策定した。これに倣い、大企業も次々とAIポリシーを制定しており、AIを用いる際の倫理や公平性への関心は高まっている。また、AIのブラックボックス性への不安を除くべく、判断の根拠を示すXAIなども開発されている。
AIの軍事利用も課題の一つだ。戦争には科学を発展させるという側面があり、実際に冷戦下にはインターネットが生まれた。現在、自立型AIドローンを用いた戦争はすでに行われており、AIが人間を殺すということが現実となっている。こうしたAIの軍事利用を抑止する国際法が存在しないことは問題である。
AIは今後様々な人間の職を奪っていくことが懸念されている。特に日本は古めかしい職種が多く、AIに代替されていく職は多いという指摘がある。一方でAIエンジニアのどの新たな職もまた生みだされている。我々はAIを作り出す、あるいは活用する人材になるために努力する必要がある。


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