見出し画像

「直観」を大切にする

私たちが意思決定をするのは、将来の予測が難しいからだ。言い換えれば、将来の不確実性が意思決定というプロセスを生んでいるのだ。

意思決定には様々なバイアスが存在する。

認知バイアスの詳細と具体例

現状維持のバイアス(プロスペクト理論)

プロスペクト理論は、人は損失を回避しようとする傾向が、得をすることよりも強いという理論だ。つまり、同じ金額の損失と利益があった場合、損失の方がより大きな影響を与え、心理的な痛みとして感じられる。

投資: 1000円勝ちよりも、1000円負けの方がショックが大きい。

サンク・コスト・バイアス

サンク・コスト・バイアスは、一度費やした時間やお金などのコストを「無駄にしたくない」という感情から、その後の判断を誤ってしまう心理状態だ。

映画: 面白くない映画でも、すでにチケット代を払っているので最後まで見てしまう。
プロジェクト: 失敗が確実でも、すでに多くの時間と費用をかけているため、プロジェクトを続行してしまう。

アンカリング・バイアス

アンカリング・バイアスは、最初に提示された情報(アンカー)に強く影響され、その後の判断が歪んでしまうことだ。

交渉: 相手が最初に提示した価格に引きずられ、妥協してしまう。

「直観」の大切さ


認知バイアスを解消するのが、論理的な思考だ。一般に、時間をかけ、情報を集めた上での意思決定は、認知バイアスの影響を受けにくくなる。なぜなら、情報収集によって新たな変数を獲得することで、認知バイアスの比重が下がるからだ。

ではなぜ、直観が大事になるのか?

意思決定が必要なのは、不確実性が高いからである。そして論理的思考が認知バイアスを抑制し、予測の精度を高めてくれることは先に述べたとおりだ。では、予測が難しいほどに不確実性が高まるとどうだろうか。

時間をかけ、情報を集めたとしても、その変数が有効ではなく、返って予測の精度を損なってしまうかもしれない。

この制度の悪さを示すのがヴァライアンスだ。不確実性が高い世界では、ヴァリアンスが高くなる。その結果、ヴァライアンスの影響を受けにくい、「直観」での意思決定が有効になることがある。


世界兵十の経営理論をもとに作成

漫画「キングダム」では、本能型と知略型の武将が対比して描かれている。春秋戦国時代、そして戦場という不確実性が高い世界では、時に「論理的思考」を「直観」が上回るのだ。

とはいえ、論理的思考を上回る「直観」を手に入れることは難しい。
大将軍になるほどの努力が必要なことは間違いない。



いいなと思ったら応援しよう!