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Vincent Willem van Gogh

原田マハさんの「たゆたえども沈まず」をAudibleで聞いた。Audibleの評価で4.8を獲得していたから相当期待していたのだが、期待を裏切らない大作であった。 舞台は19世紀後半のパリ。実在の人物である日本人画商・林忠正と、オランダ人画家・フィンセント・ファン・ゴッホ、その弟で画商のテオドルス(テオ)・ファン・ゴッホ、そして架空の人物である林の助手・加納重吉の4人を中心に物語が展開される。 古典ラジオのゴッホ回を少し前に聞いており、ゴッホの弟のテオやゴッホへの知識は多

人生初の年間読書100冊を達成した

2024年に読んだ本の数が110冊を達成した。 年間200、300と読む人もいるとは思うけど、2022年の4冊、2023年の12冊から考えると大きな進歩だ。 年初に立てた目標の一つに「本100冊読破」というものがあったのだが、それが達成できた一番の理由は、本との出会いを増やしたから、だと考えている。 「買ったけど読まないのもOK」この心意気で本を買うようになった。 Notionで読みたい本リストを作り、Twitterで見つけた面白そうな本や好きなYouTuberがお勧め

量子コンピュータで日本は勝てるか

ATカーニーの「業界別経営アジェンダ2025」を読んだ。印象的だったのは量子コンピュータがテーマの第7章だ。 そこで整理できた量子コンピュータへの理解は以下の通りだ。 ①量子コンピュータは従来のコンピュータで天文学的な時間を要した計算を極めて短時間で実行できるが、その用途もまた限定的である。 ②相性が良く、研究が先行しているのは化学・素材/エネルギー領域である。 ③実用化には数十年を要するとも言われているが、実現すれば極めて短期間でゲームチェンジが起こる可能性が高く、

「直観」を大切にする

私たちが意思決定をするのは、将来の予測が難しいからだ。言い換えれば、将来の不確実性が意思決定というプロセスを生んでいるのだ。 意思決定には様々なバイアスが存在する。 認知バイアスの詳細と具体例現状維持のバイアス(プロスペクト理論) プロスペクト理論は、人は損失を回避しようとする傾向が、得をすることよりも強いという理論だ。つまり、同じ金額の損失と利益があった場合、損失の方がより大きな影響を与え、心理的な痛みとして感じられる。 サンク・コスト・バイアス サンク・コスト・

正常化バイアスから抜け出すために、いつもと違うことをする

日本から見ると、アメリカはなんかやばそうだし、中国経済もなんかやばそうに思えてくる。でも、実際にその国、その地域で生活する人の多くは、危機感を抱かずにいつも通り暮らしている。日本も同じだ。 こうしたバイアスは『非正常化バイアス』だという。 そもそも正常化バイアスとは、「危機的状況において、心理を安定させるため危機を自分事として捉えなくする心の働き」のことを指す。 例として挙げられるのはコロナだ。コロナという危機を迎えても、「まあ特には変わらないだろう」と考えていた人も多

成功している人がどんどん成長していくのはなぜか…鍵は「自己効力感」だった

経営学では、「人を特定の行動に向かわせ、そこに熱意を持たせ、持続させる」のがモチベーションである。 そして、モチベーションは、「自己効力感」と「他社視点の動機」を掛け合わせたものとして表せる。 自己効力感 自己効力感とは、「自分ならできる」と自分を信じる力のことだ。 自己効力感を高めるのは、 ①過去の自分の成功体験 ②周りの人の成功体験(あいつができるなら俺もできる、俺もやりたい) ③周囲からの期待(お前ならできる) ④心身の健康(調子がいい) の4要素でだという。

感情は認知によってマネジメントできる

感情はコントロールできる22章 感情の理論 この章で感情をコントロールする方法として紹介されているのが、「Deep Acting」と呼ばれる手法だ。 たとえば、CAがとあるカスハラに直面し恐怖を感じたとしよう。この時、「実は飛行機に乗るのが初めての方なのではないか」などと考えや視点をずらすと、「恐怖」から「同情」へと感情が変化し、心理的負担が小さくなる。 この例は、「認知によって感情は変えられる」ことを表している。思わぬ出来事に直面したとき、想像力を働かせて別の視点から

最近毎日読んでいる本

最近毎日読むことを日課にしている本がある。 入山章栄先生の『世界標準の経営理論』だ。 1日1章づつ読み進めているため、まだ5章までしか読んでないのだが、現時点で既に、すべてのビジネスパーソンに読んで欲しいと心から思っている。 そこでこの本を読むべき理由を3点挙げてみる。 1.「思考の軸」を鍛えることができる 不確実性に富む昨今、「正解のない世界」で最善の選択肢を選ぶことが経営陣だけでなく、ほとんどのビジネスパーソンに求められている。そんな時に羅針盤的な役割を果たして

【2024年上半期】audibleベスト5!

2023年末からハマっている、Audible。約1年で60近い作品を聴いてきました。オープンイヤーのイヤホンをつけて、毎日の通学や家事の時間に聴いているのですが、ちょっと気になるのが使い勝手の悪さです。 ジャンル別、期間別のランキングなどはあるものの「なかなか新しい作品と出会えない」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。 そこで今日は、ぜひ聴いて欲しいAudible作品を紹介します。 5位『六人の嘘つきな大学生』舞台は就活の最終面接。選ばれた6人の中から1人だ