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観光旅行は絶好のお仕事日和 〜中山道編 後編〜

週末に小旅行をされた方も多いと思われる紅葉の時期であるが、皆様はいかがお過ごしであろうか。

我が家では暖房フル稼働したあったかいお家でぬくぬくと過ごすねこ達に癒されながら、海外の物々しい世情から離れるように2人と2匹で過ごす毎日である。
それでは、皆様におかれましても暫しの間、心の逃避行となるような小旅行的長編ブログにお付き合いいただければと思う。(できれば前編からお読みいただけたら幸いである。)

時は前編から間を置かずして、中山道から宿場街を抜けそろそろ塩尻という所での話である。
「国道19号から次はどこ行くんだ?」
そうだねー、諏訪湖に行きたいなら右折して国道20号線だし、松本方面に行きたいなら左折して国道19号線道なりかな?
「わさび畑とかそういうのはないの?」
うーん、あるにはあるけど、行ったら松本城が閉まっちゃうよ?
「・・・・・・よし!松本城へ直行しよう!国宝だしなぁー」

きたきた、城マニア。
まぁ、こちらも松本城だけは仕事の撮影も出来そうで時間がかかると予想してるし、早く行くに越したことはない。
それじゃ、いざ参る!(塩尻のワインよさようならー!!泣)

幸い予約している宿は松本駅近くの宿だ。
早めにチェックインしておくのも手である。
が、しかし、少しでもいいから城の中を見たいというドライバーさんの要望通りに松本城巡りが先になったのであった。

これが国宝だ!と言わんばかりの構えである。

ナビで何とか辿り着く弥次喜多2人。
大勢の観光客に邪魔にならないようにシャッターを切るじーなであった。

入口も豪勢な造りである。

さて、入門と行きましょうか。
期待を胸にキョロキョロと見回しながら豪奢な入り口を潜る。
そして、城内を散策する。

風情に浸りながらの日陰が心地よい。

ぐるりとお帰り口の方へと回ると、そこには風情溢れる空間が広がっていた。
「涼しいからここで一服していこう。」
暑くて多少なりとも体力が落ちていたので、一も二もなく頷いた。
はー、人心地つくとはこの事だ。
爽やかな空気でリフレッシュした後にまたそぞろ歩く。

城内の庭園が見事である。

敷石なりに歩いて行くと、開けた景色はそれはそれは見事な庭園である。
逆光なので、フォトを収めるには厳しいが、味わっている雰囲気を少しでもとシャッターを切る手が止まらない。
正面からまともに入っていたのではこの景色は拝めない。
城内をまともに歩こうとしない夫の冒険好きが、この時ばかりは好影響を及ぼした。

さあ、お待たせしました。城内へ参りましょうか。

梁も柱も国宝の城に相応しい。
この御簾の中にはどのようなやんごと無き方がいらしゃったのであろう。
お帰り口は質素ながらも格調高い構えであった。

約2時間ほどであろうか、城内を急足で巡る。
風景写真はうーん、という釣果ではあったものの、存分に雰囲気に浸り満足だった。
さて、お腹も空いてきたから本日のお宿へGo!

お宿は松本駅前の一等地。
で、旅行雑誌やフロントでもらったパンフレットで真剣に郷土料理の食べられる晩御飯の店探しの会議をする。
何故なら・・・
「郷土料理と称して本日のオススメで虫料理が出てくるのは嫌ァー!!」

2人とも、トランプのババ抜きをしている気分でなすりつけ合いながら如何に自分に当たらないかで必死のバトルが繰り広げられるであろう。

そんな予想は簡単に出来る。
しかし、そんな事よりもまずは我が家の観光旅行のコンセプト、土地の美味い料理と旨い酒を存分に楽しむ!ということは譲れない。
かくして、数十分に渡る会議の末に、駅からほど近い郷土料理のお店に向かって行った。

目的地へ到着。そして入ると「今のところ満席です。予約リストにご記名ください。」という。
「どうする?腹減ってるし、別の店にするか?」
いや、私の勘ではこのお店は美味しいに違いないというオーラに満ちている。
そのまま待とう!
「エー」(そういう側からじーなは夫を店から引き摺り出すのであった。)

「絶対、虫料理出たらお前食べろよ」

店の目の前で待っていると、意外と早くお席にご案内された。
メニューを見る。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・店長のオススメがあるコース料理があった。

どうしよう。出るのかな。出ないのかな。
すかさずお酒の注文とともに、コース料理2名分を注文されてしまった。
じーなの意思を問わないジャイアン的やり方に
「これで虫料理出たら、責任は注文した方にあるんだからね。」と反論した。
案の定、押し付け合いの序章が始まってしまった・・・

そんな大人気ないやり取りをしてるものだから、待ち時間中、あーだこーだと長野の郷土料理について語る。
そしてお料理が出てきた。
普通のお料理で感謝した。心の底から感謝した。店長さん有難うございます。

そして、美味しく郷土料理と美酒を堪能した後にお宿へ帰って平和に寝るのであった。

明くる日の朝、無事に長野へ向けて出発、そして道中で既に夫に行き先が殆どバレてしまった。(まぁ、名所が限られてるしなー)

さてと参りましょうか。
さすが参拝者や観光客の方がたくさんいらっしゃった。

善光寺へ無事到着。
「善光寺に行った後、そば食べようぜ!」
昨日も蕎麦だったよな・・・とか思いつつも、名物である。味とか色々こだわりがあるに違いないと思い直して頷くのであった。

さて、お参りも済み、この門前町の街並みに沿って名物の蕎麦を食するために歩き出す。
狙いは一番の老舗と謳い文句がある蕎麦屋であった。
しかし、昼時であったがために歩道までずらりとお客が並んでいる。
「何もここでなくていいじゃないか。とにかく十割そばが食いたい。」
はいはい。じゃ、探しに参りますか。

そして情報紙やネット情報を頼りにしばらく国道まで歩くものの、彼にとってこれといって魅惑的に映るお店がなかったと見える。
やっとの思いで探し当てたつもりのお店はその日は休業中であった。
疲れたー、足痛ーい!(じーなは一応パーキンソン病の患者である)
「ここらで一旦休もう。仕方ないから、さっき見つけた十割そばの看板が出ていた店にしようか。」
ありがたい。助かったー!

かくして十割そばのお店に行ったら、そこは空いていた。
注文して時おかずして出てきた蕎麦をいただく。
・・・・・・。
「・・・・・・。」
そしてお会計をしてとっとと出るやいなや出てきたセリフは
「あれのどこが十割だよ!どー見てもただの更科じゃないか!」
御店主、ぼったくりと言わなれなくてヨカッタデスネ。
まぁー、まぁー。押さえて押さえて。函館のいくら丼もといいくらご飯(茶碗)と一緒だ。(あれこそぼったくりだとじーなは思ってる。量が少なすぎ。)

「それじゃさ、蕎麦の口直しいかねー?」
え゛、それってまさかの蕎麦のおかわりですか?

最初に混んでいて諦めた老舗の蕎麦屋に入る。(お昼時が過ぎていたのだ。)
夫と2人で注文の品が出てきて顔を見合わせた。
・・・やっぱり本物は違う。老舗の暖簾に偽りなかった。
「くそー!並んでもこっちにすればよかった!」
あーあ。1日に2回連続で蕎麦屋の蕎麦を食べたのは初めてだ。昼のデザートに蕎麦をいただいた気分だ。(ローカロリーとはいえ確実に肥える泣)

ささ、高速道路で新潟に行くまで時間があるから、ちょいとした名所を見つけたので行きましょうか。

ここがあの有名な武将の武家屋敷である。
内部はよくある質素な武家屋敷であるが、真田家の往時を偲ばせる建物であった。
庭園は見事に手入れされていた。

善光寺から距離にしてそれほどではなくインターからも近い、戦国武将として名高い真田家の松代城へと向かった。
残念ながら、城そのものは入場出来る時間を過ぎていたのだが、館の方は入場できた。
そして、あちこち2人揃って江戸の風情を愉しむ。

縁側に腰掛けてしばらく庭園を眺めながら時を超えた時間を楽しんでいたのだが、そこへ大音量の選挙カーが通り過ぎる。

「馬鹿者、いきなり現世に返すなー!!けしからん!!」

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・選挙カーのマイクが消された。(怒鳴り声はそんなに大音量だったのか)

あのー、閉館時間なので帰るよ?

という訳で、そそくさとその場を立ち去り、東海道から中山道への弥次喜多珍道中の観光旅行は無事に(?)終えて帰路に着いたのであった。



_________ 完。The end.





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