観光旅行は絶好のお仕事日和 〜京都編 後編〜
台風が猛威を振るう中、皆さんはいかがお過ごしだろうか。
多くの方々が無事である事を祈りつつ、被災された方へは謹んでお見舞い申し上げる。
この観光旅行シリーズの一つの旅行の締めくくり、長文でしかも画像が多いのをどうぞご容赦いただきたい。
という訳で、お時間のある時に御一読いただければ幸いである。
さて、この弥次喜多珍道中も最終日を迎え、感慨深げに地元の料理満載の朝食をいただく。
「そういや、今回、お前よく歩いたよなー」
「まあね、自分でも驚いてる。でもお付き合いありがとね。」
などと話しつつ食後のコーヒーをいただくと、荷物を預けて、さあ出発だ。
締めはサプライズにせずに目的地とルートを公表。
さて、清水寺までぶらぶら行きますか。
じーなは「五重塔」としか名前の記憶がなかったが、法観寺を目標にひたすら歩く。
無論シャッターは切りながら。
これがスマホのカメラの(もしくはコンデジの)いい所なのだ。
大きな一眼レフだとこうはいかない。体勢を整えるのに構えて邪魔になる。
当時はスマホしか持てなかったじーなであるが、そこは一眼レフがある以上、贅沢はいえなかった。
さてさて、次々行きますか。
歩きで来て良かったー!三年坂に着く前にこんな情緒に浸れるとは!
「なー!いい感じだな!」
うんうん、こうでなくっちゃ。
お、二年坂と合流だ。打って変わって、お土産さんなどが軒を連ねている。
カップル多し。いいねー
朝からはそんなに観光客はいないようで快適に写真を撮りながら歩ける。
振り返ると、結構登ってきていることに気付かされる。
京都は盆地になっているだけあって、中心部以外は坂が多いんだなー
・・・おや?フォトジェニックな和装の女性がいる。
ちょっと注目しながらシャッターを切っていこう。
(観光客が切れることがないので、いつものようには撮れないからだ。)
スルスルーっと先ほどの女性は人混みの中を抜けて行ってしまった。
残念だ。いい絵が出来そうだったのに。
「あちぃー!写真ばかり撮ってないでちょっとは会話しろよ。」
・・・うーん、ごめんよー 集中していてそれどころじゃなかったんだって。
まずは日陰で休もう!
「お前なー、これから寺なのに、その前に電池使い切るつもりかよ」
「あ、忘れてた。ありがとー!でもまだバッテリー残ってるから大丈夫。」
「ならいいけど。」
なんて結構夫も気遣ってはいたようだ。
すんません。
あれ?目の前に結構急な階段が続いてる。
なら一旦もういいやーと、スマホをしまう。
さて行きましょうか!
ずーっと続く階段やら坂やらでじーなはお土産屋さんという武器を得る。
(よしよし、これで品物を見る口実で涼めるぞ!足も休める。)
ねぇねぇ、これって安くない?職場向けとかに買ったら?
「お前、下心見え見え。行くぞ!」
「エーーー」
仕方なく、軒先で少し涼んだだけで歩きだしたのだった。
(足休めにもならないし冷房の恩恵も預からなかった)
やっとこさ、清水寺へ到着。
人が多く、受付窓口で行列も長かった。
さすが観光名所の中でも有名どころだなーと感心していると、はっとする物があった。
うん?うううん?
これはこれは大層ないい造りの日本建築ではないか。
ものは試しで撮ってみよう。
ふー。30分程経ってやっと入場できた。
夫はそれで、随分とげんなりしてしまい、モチベーションダウン。
あらら、、、せっかくの名所巡りのラストポイントなのに。
「人混みマジでやだ。」
まぁ、そう言わずに。さ、行こうかー
あ、これもなかなか面白い意匠を凝らしたものだ。
是非撮ろう!(ワクワク)
・・・人が沢山いると風景写真があまり良く撮れない。
せめてこういったarchitecture物の写真だけでもと思い撮っていた。
自分としては釣りで言うところの、ほぼ「ボウズ」の日を覚悟した時だった。
お?お堂の中は結構涼しくて軽く休むには良いかも。
歩きで熱った身体を少しの間、クールダウン。
「すげーなー。ここの柱にしてもどの位の年数経た木だよ。何尺あるかなー」
おっと、彼の建築好きの触手に触れるものがあったようだ。
よしよし、これは良いことだ。気分良く帰りたいし。
と少し日陰で涼んだあとに順路なりに進むと屋外へ出た。
おおーーー!!これは凄い!(修学旅行の記憶がないのが痛い。)
さぁー、撮りまくりましょーか!
夫も多少の興奮気味でスマホのカメラモードに徹している。
どんどん巡るうちに、これは秋に一度は来なければなーっと思った時だった。
「秋の紅葉シーズンに良い場所だよな。また来たいなー」
何と何と意見一致。珍しいこともあるもんだ。
それにしても、やっと自分が求めるところの風景写真が撮れた。「ボウズ」は回避できて感謝。
さてさて、さらに順路通り進むと清水寺の土台の部分の真正面に出くわした。
大人になってからの旅行は、修学旅行とは違い、本当にいいものを見せてもらえる。
歩きながら、ただキャーキャー言ってはしゃいだ年代ではまだその良さは分からないだろうな、と一歩一歩歴史の重みを踏み締める。
上ばかり見ていないで道に戻ろうか。
と思った時である。
順路の左手に更に崖があり、崖下にはまだ白い玉砂利らしき物を敷き詰めた歩道がある。
(玉砂利じゃないかも知れないが)
これは相当高い所に造られた城塞のようなお寺なんだなーと感心。
しかも、相当良い風景写真が撮れそうな所だった。
いいぞ、いいぞ、「清水の舞台」と併せて仕事用の写真が溜まる。
さ、順路なりに進んだら、もうお終い。
早いなー!清水寺。少なくとも建物の大きさで言えば一番大きいのに、巡る時間は一番最初の無鄰菴の1/3位しかかからなかったぞ。
どこでどう時間を過ごすことになるかってのは、現地に行ってみないと分からないもんだな。
三年坂を降りていくと、お腹が空いてきた。
しかも、軽い登山と暑さでバテていた。
ここら辺で食事していかない?
「良いねー!ついでに涼もう。」
雰囲気の良い和食レストランに入る。
名前は忘れてしまったが、当時はまだ新しく、綺麗な雰囲気の良いお店である。
ここで蕎麦や定食などをいただき、一服。
(じーなはここでも抹茶アイスを食す。で、その間の一枚が上の一枚だ。)
良いだけ休んだし、さあ行きますか。
三年坂から二年坂へ。
そしてここからがフォトジェニックポイント最終地点の石塀小路。
では、2人ともフォトの準備はいいかなー?
情緒溢れる小路をカメラ片手にそぞろ歩くと、これでもか!って程のインパクトのある絵になりそうな風景がそこかしこにあった。
「俺、いつも出かけるのと違って観光旅行はすごく良かった。」
「それは良かった。また行こうよ。」
「歴史とか文化に触れる旅ってのもいいな。気に入った。」
よしよし、呑兵衛さんに気に入られるような地酒と地元の料理が食べられるお店もピックアップしながら巡ると、更に良いんだろうな。
などと話しながら歩いていると、おもむろに景色が変わる。
ただでさえ狭い小路がどんどん狭くなっていく。
どこに繋がるのか??見当もつかない。
閉所恐怖症にはちと辛そうな空気の小路の出口。
ここから普通の京都市街に戻る。
数百年から数十年以上昔の空間から現在への異次元への転移装置のようだった。
そして2人は歩きで祇園まで戻り(宿からは遠くなる)、夫はお土産を買い込む。
(最後の最後まで引っ張るなよー 三年坂でも買えたじゃないか!)
「やっぱり老舗の漬物じゃ無いとな!」(調べてあったらしい)
・・・・・・
・・・・・・(くっそー!そういうところが抜け目ない)
とまあ、こんなドタバタ珍道中であった訳だが、なんだかんだ言いつつも(振り回されつつも?)さほど喧嘩にもならずにミステリーツアー的観光旅行は終焉を迎えたのだった。
長い観光旅行シリーズ、お付き合いいただき誠に感謝申し上げる。
また新たな観光旅行シリーズはそのうち綴りたいと思う。
_________ 完。The end.
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