世界の警察に今一度問う
かつて「世界の警察」と言われたアメリカ。
そのアメリカ軍についてその位置付けが先のウクライナ侵攻によって問われる向きが出てきているようだ。
アメリカ軍の存在感が高い日本において、いかなる意味を持つのか。
その意味を今一度問うべく日経新聞の記事を参照しながら、筆を進めていきたい。
6月29日のNATOの首脳会議により、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが初めて参加し、結束を強めたというが、その中で今後10年に渡る指針となる戦略概念によると中国を秩序の破壊者と定め友好国と対処していくことを決定したそうだ。
近頃は日米豪や英仏がインド・太平洋で共同演習を重ねるなどして連携が進んでいるという。
しかし、中国の台湾海峡通過および南太平洋諸島への訪問、そしてウクライナ侵攻というユーラシア大陸の東西における同時戦乱展開の不穏な空気が漂う中、世界の警察アメリカはどう対処するのか重要である。
欧州のNATO諸国は対ロシアあるいはイスラム圏に関して米国頼みにする向きもあり、アジアにおけるNATO諸国はアメリカ軍の第5艦隊およびインド・太平洋艦隊と第7艦隊果てはその統轄である太平洋艦隊との連携を深めている。
下記日経新聞の記事によると、そこで欧州と日本でアメリカ軍兵力の取り合いにならないかという懸念を示している。
また、その記事の中において報じられているところによると、アメリカにとって重要視しているのは対ロシアよりも対中国であるとの事、懸念されている取り合いにはならないのではないだろうか。
まあ、いわゆる楽観論に入ると思うが、アメリカ軍の考え方的にはおそらく欧州諸国のNATO加盟国における兵力と地中海から対イスラム圏やロシアへ展開する第6艦隊があるのでそれで事足りはしないかという事であろう。
私なりに頭を巡らせたのは、一番連鎖反応的に戦火が起こりかねない東アジアから東南アジアからインドにかけてのエリアを抑えておかねば、第5艦隊が北上して対応している中東地域へさらに飛び火しかねない。
そうなるとさらに北からロシアが出てくる可能性もあり、欧州のように比較的狭いエリアでの展開では済まなくなる。アジアはアジアに基地を持つ英国以外に欧州諸国の援軍はそこまで期待できないと見ている。
政治の上で中国が唱えている一帯一路の考え方によるところは表向きはシルクロードで成り立つ陸路であるが、秘めたる一帯一路は海のシルクロードと呼ばれる東南アジアからスリランカを経由してアフリカ方面へ抜けるルートである。
そこで意味を持つのがアジア方面への世界の警察アメリカを中心としたNATO軍の展開ではなかろうか。
世界の警察は今や対ロシアより対中国に頭を悩ませる日々だろうことは想像に難くない。
そこで今一度問う。
世界の警察アメリカよ、軍事および政治の展開をどこへ向けようとしているのか。
軍事力のウェイトとしてはおそらく第5艦隊から東にウェイトが高くなってくるのであろう。
どうか、軍事力のバランスを間違えないで使ってほしい。
データ等の詳細については、下記記事を是非ご一読されたい。