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仔ねこ物語 その5

明くる朝、仔ねこのくるみちゃんは、寝て起きたサインは段ボールハウスの蓋をガタガタ押し開ける事から始まった。
おかしいなぁ、昨夜は脱走防止に蓋の上にさらに広辞苑だか何らかの重しを置いたはずなのに。仔ねこの成長スピードには驚かされる。

やるなぁ、「コシヒカリ」ちゃん。
(これで「ササニシキ」ちゃんだったらどこぞの力士みたいだ。)

さてさて、良い加減開けてあげないと、さらに不満が溜まるであろう。

蹴り1発!猫パンチ付き。

案の定(?)お目目三角にして朝一番のご対面。
もう、お転婆ちゃんだなー

「おはよー!!(怒)」

さらに怒ってグレたら困るので、おいちいご飯をあげる事にした。

画像はないが、この日も良い飲みっぷりに離乳食の食べっぷり。
日々成長著しいのは、この際限なき食欲のおかげだろうな。

あれほど弱った仔猫が生きる方向に向けて真っ直ぐひた走る在り方は、見習いたい一面がある。

あれあれ、やっぱりママのおしゃぶりが恋しいのかな?

ご飯終わったら、あんよの練習しようね!
・・・あれ?まだお膝の上で甘えん坊してる。
チュパチュパ、、、
ママの愛情は無限大ですぞ。そうやって時間いっぱい甘やかすのであった。

さ、あんよしてみようか!

おかぁしゃーん、離れたくないよぉー

くるみちゃん、ママはくるみちゃんがソファーから落っこちないように待ってるから、
そのままあんよしておいで。

何だかんだ言いつつも、ちゃんと頑張るくるみちゃん。

おおー!!ちゃんとママの補助付きとはいえ、転回できるじゃないか!
すごいすごい!

さ、次も頑張って、ママの所においで!

必死の形相。ファイトー!

よしよし、匍匐前進になりつつも、頑張ってるね。
ちゃんと転回した後でママの所のゴールまでいけるかな?

何だかやり遂げた感いっぱいの表情。

「おかぁしゃーん、できたぁー!」

良い子だね、ちゃんと出来るじゃない!
後は良くねんねして、また遊ぼうね。

そうして「コシヒカリ」ちゃんは「コシヒカリ」のお家に一旦帰ったのであった。

さてさて、夜は夜でまたミルクの時間。
流石に夜まであんよトレーニングさせると、オーバーワークかな?
(くるみちゃんのお目目が三角になったら困るママであった)

クッションだけでなく、ママのフリースの上着のふかふかでも寛げるらしい。

ミルクもまだ3〜4時間に1度飲む状況なのは、上記の写真を見てお分かりになるかと思うが、頭ばかり大きくて体はこんなにも貧弱であるからだった。
(拾った時のドクターの指示は、年齢不相応の未熟児だから離乳食をあげつつミルクを赤ん坊のようにまず与えて欲しいとの事だったからである)

そんなママの心配事とは関係なく、くるみちゃんはその存在感を示していく。

毛繕いも上手に出来ないくるみちゃん、おトイレ使用後だったね。
さあ、身体拭き拭きしましょ。

くるみちゃんのお腹は食後でポンポンになってるのだった。

あらら、ご飯の後は上の写真のように挟まれて幸せだったのね。
幸せが満ちると表情豊かに可愛い顔を覗かせる。
あんよ前は不安で悲しい顔をしたり、あんよ成功で自信に満ちた顔をしたり。
ちっちゃいのに、もうそんなに知能的に出来上がっているのか。

さ、今度こそ拭き拭きだぞー

お食事中の皆様失礼致します。

あーあー、やっぱり汚れてる。
お尻の毛繕いは苦手なのかー
それじゃ、ママが拭き拭きしながらレクチャーするか。

泣きそうで、こっちも罪悪感を感じる。

「やだやだぁー!!!」
と、必死で抵抗するくるみちゃん。
だーめ!ちゃんと拭かないとばい菌で病気になるでしょ。

暖かいお湯で湿したコットンでキレイキレイにする。
もう。これじゃだめだ。くるみちゃんのメンタルに負担になる。

うーん、何か良い方法はないものか。

と、まあママの課題が宿題になってしまったまま、この日は何とか強引に拭き拭きして
「コシヒカリ」のお家に帰したのであった。



__________ 続く。




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