記憶の片隅。
時々、想いだすことがある。
ただ、夢だったのか、現実だったのかの。
記憶は定かではないが。
小学生の5年生の夏の頃だった。
三重県と奈良県の県境にある山に、遠足(?)に行った。
確か、泊まりだった記憶がある。
山道を歩いていて、滑った。
何とか踏みとどまって下を覗くと、断崖絶壁。
踏みとどまることができなかったらと思うと、正直怖い。
でも、なぜかはわからないが、怖さの記憶はない。
ちなみに、私は極度の高所恐怖症。
二階から真下を見下ろすだけでも、陸橋から下を見るだけでも、怖い。
ついでに、暗いところも苦手で、真っ暗では眠れない。
今でも鮮明に、その記憶はある。
実際、そこにも行った。
しかし、どうも現実感がなく、夢のような記憶だけがある。
そんな状況を冷静に覚えていることが、
俯瞰的に自分を見ていることが、
どこか夢っぽく感じる。
危険と隣り合わせだったのに、全く騒いでいない。
騒いだ記憶すらない。
周りは、私の周りを歩いている。
誰も、滑り落ちかけた私に気づいていない。
あれは何だったのだろうか。
時々、あやふやの記憶がよみがえってくる。
それも、いくつもある。
毎回思う。
あれは、夢か、現実か。
案外、記憶ほど、あやふやなものはないのかもしれない。