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(アカウンティング⑯)行動を評価する ~目的に対して評価する

マネジメント1.0では、“目標に対する達成状況” などを評価していた。しかし、目標に対する評価ではないでふれたように、目標をたてることによるデメリットがある。また、VUCAの時代においては、目標に対する評価が意味をなさなくなっていく。

そこで、会社の価値の中で最後にふれたように、マネジメント2.0では “目的に対する行動(実現性・実行性)” を評価していくことになる。

もう少し言葉を加えるなら、目標に対する達成状況を分析・検証・評価することから、目的の実現性や理念・ミッションの実行性を確認し評価していくことに変わっていく。

● 目標に対する達成状況
    どう成長し、どう利益をあげているか
● 目的の実現性
    目的までの方向は正しいか、このまま進んで問題ないか
● 理念・ミッションの実行性
    目的に向かって活動をしているのか
    理念やミッションに基づいた経営を実行しているのか

マネジメント1.0の達成状況という目に見えてわかる評価に比べ、マネジメント2.0の評価の対象や方法は非常に曖昧でわかりにくい。目安になる値はなく、後述するように測り方も決まってはいない、いや正しくは決めない。

決めない理由はいろいろあるが、大きな理由は次にふれるが、決めていくプロセスに意味があるから。また、具体的でなく抽象的すぎてよくわからないかもしれない。しかし、この抽象的でわかりにくいことにこそ、個性のある会社の価値を顕すことができる

ビジネスでは、わかりやすさをひたすら追い求めている。説明などでも、端的に要点だけを伝えることを強く求められる。説明も、1分でとか、1センテンスでとか、短さをひたすら求められる。補足説明をしようとするなら、聞かれたことだけ答えろと一蹴される。
効率性や生産性を求め過ぎた結果が、ここにも現れている。言葉を削ることで、言葉の含みであり膨らみでもあった余白を失った。結果、会社は空虚で無機質な文化に取って代わり、息苦しさが会社や社会を覆うようになった。

VUCAのAは曖昧性(Ambiguity)で、曖昧さに抗ってマネジメント1.0のように定量化して評価するのではなく、曖昧さをそのまま確認する作業が真の会社の評価へとなっていく
曖昧さと向き合うことが、曖昧さを楽しむことが、今の会社に必要だと考える。会計の可能性でもふれたが、曖昧さというわかりにくさの余白をデザインすることで、会計情報に意味を持たせることができる。この評価こそが、会計の新しい可能性となっていく。

「結果を見る」から「行動を観る」評価に変わることで、測る指標も変わっていく。測る指標は、“経営結果を表す数字” から “行動を表す文脈” に変わる。

評価する時、数字は誤魔化せても、行動は誤魔化せない。何をしたかという行動を知っているのは、自分たちだから。
自分を誤魔化し偽ることは正しい行動ではなく、誤魔化した時点で会社の存在意義を失う。さらに、行動を評価していくことで、自分に内省を促すことができる。内省の結果、よりよい会社になっていく。

何よりも、行動を評価するとは、行動の奥(向こう側)にある会社の存在意義を感じ続ける作業でもある

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